※あなたもぜひ、やってごらんなさいな… / 「ローリング・ストック・デイ」
-No.2600-
★2020年11月03日(火曜日、文化の日)
★11.3.11フクシマから →3526日
★延期…オリンピック東京まで → 263日
★旧暦9月18日(月齢17.3)
◆ふりかえると…
このブログでも、すでに8回、「ローリング・ストック」のことを語ってきた。
「ローリングさせる(回転)」わけは、いうまでもない、「ストックする(蓄えておく)」だけでは、増えるばかり、やがて賞味期限切れの山になってしまうから。
適当に折をみて「ストック」しておいた食品を食べ、減った分は新たに補充していくのがいい。ぼくん家では、そのために、ときおり「ローリング・ストック・デイ」と呼ぶ日をつくって、保存食の回転(兼、在庫チェック)にあてている。
これも前に書いた。
はじめは、その日を、あらかじめ〈予約〉したものだが、それも〈適当〉でいいことに気がついた。
〈ゆるやか〉であれ。
……………
いま現在、防災グッズとしての「ストック食(保存食・非常食)」事情はさて、どうなっているのだろう。
きっと、この「新コロ」禍、影響下でどちらさまも買いだめがすすみ、「自然ストック」状態なのではあるまいか。
ついでに、そう!
より美味しそうなモノ、目新しいモノに食指がうごいているに違いない。
以前(といっても、ほんの十数年前まで)の「非常食」といえば、「非常」の備えだから「味わい」は二の次…の考え方で。はっきりいえば「けっして旨いモノではない」のが常識であり。だから必要とは認めても、進んでストックしておく気にはなりにくい、欠点をもつものだった。
それが、いつのまにか世の中かわって。
新しい潮流は「非常食」を、災害など特別な場合の備えレベルから解放。ふだんの生活にも仲間入りしている「保存食」レベルに変えることで、親しみやすくすることに成功した。
男女をとわず、ナニごとも趣味的に考える頭の持ち主がいるもので、この人たちが「ローリング・ストック」に取り組み始めると、「保存食・非常食」はオシャレなアイテムになっていった。
「防災の日」も、それなりに定着した。
けれども9月1日の日付が、1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなむものだ。…ということは、すでに遠い日のことになろうとしている。
……………
(他人と同じ、じゃつまらない)へそ曲がりなぼくは、「新コロ」時代の「ローリング・ストック」事情を感じとりに。
東京のオシャレな雑貨専門店のひとつ、広く若者たちにも知られる渋谷ロフトの「非常食コーナー」に出かけてみた。
担当スタッフの身形からして垢ぬけした、このコーナーには、「非常食」と〈同居〉というより、むしろ地味なこれら商品群を〈リード〉するかたちで、キャンピング・グッズがガンバっていた。
アウト・ドア派にも「非常食」携帯は常識だ、けれど、ここに置かれてある品々は「手軽なキャンプ向き」の便利グッズの数々…それらにまじって〈ちょい気の利いた〉しかも〈味わいにもひと工夫〉した品々が並ぶ。
それらを見ていくと、〈持ち運び〉より〈ちょっとストック〉意識のものが多いことに気づく。
つまり、〈賞味期限〉が1年ほどと短い(ふつう非常食なら3~5年くらい)ものや、レトルトのカレーでもアレコレ〈メニュー豊富〉といった具合だ。
(なるほど…)とボクには頷けるものがある。
世の中「新コロ」騒ぎで、あれこれ事情が変わったなかでも、目立って大きかったのは「食嗜好」と「趣味的アプローチ」だった。
店での〈外食・飲食〉が激減、〈テイクアウトやセルフ・イート〉が増えればトーゼン、〈バラエティーの欲求〉がおきる。ふだんのコンビニやスーパーでは手に入らない種類の食品を、探してみたくなる。
かつて山野や海川に親しんだOB・OGも含めて、〈アウトドアなキャンピング〉に目覚める人たちもでてくる。この場合、いうまでもない〈本格〉よりも〈手軽〉がトレンドになる。
「食嗜好」と「趣味的アプローチ」の動向が、ここで合致・合流する。
……………
「ローリング・ストック」しやすい環境の充実も、以前とは比べものにならない。食品メーカーのほとんどが「ローリング・ストック」の品揃えにのりだし、流通システムの参入も盛ん。
味わいもメニューも豊かになった品揃えから、選び放題・試し放題の活況は、いまや〈通販〉利用だけで充分すぎるくらいだ。
わが家では、キッチンに隣接する、ユーティリティー兼パントリーのスペースを「ローリング・ストック」コーナーに決め。
棚の4つの仕切りに、賞味期限ごとに、「1年後まで」「1年以上2年後まで」…というふうに4年後までの品を収納。缶詰など5年以上保つモノは、順繰りにずらすことになっている。
近ごろでは菓子類も加わっているのは、むしろ、小児のない家の〈ゆとり〉とでもいうものか。
「ローリング・ストック」入れ替えは、基本2人共の心がけ…だが、やはり賞味の方はカミさん、補充の方はボクという分担、自然そういうことになる。
……………
ロフトの「非常食コーナー」には、そのとき、独身と見える若い男子、幼子連れの若夫婦がショッピングに熱中、それに混じって後期高齢者と思しき男性がひとり、やや遠慮気味に棚の品々を物色していた。
ぼくも、あれこれ手にとって見るうちに、こころ誘われるままに買い物モードになってしまい。7品ばかりを籠にレジへ。
担当スタッフに訊ねると、「最近はこんなショッピング風景が定着した感じですね」と嬉しそうに笑っていた。
いまどきはもはや、流行らないコーナーではない、ということだ。
チョイスした品のなかに、レトルトの「おでん」が入ったのは初、これまで「ストック品」に季節を意識したこともなかった。
「カレー」メニューもちゃっかり入って、この国民食は「非常時」にもシッカリつぶしの利くことを、あらためて証明してみせた。
明日は、ひさしぶりの試食を兼ねた「ロ-リング・ストック・(チェック)デイ」になるだろう。
わが家では、「ローリング・ストック」を始めると同時に、「スプラウト」の栽培と「発芽豆」づくりを始めている。これは、いうまでもない食環境の連動で、新鮮な緑黄野菜を絶やさないように…の心がけである。