どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

※あなたもぜひ、やってごらんなさいな… /   「ローリング・ストック・デイ」

-No.2600
★2020年11月03日(火曜日、文化の日
★11.3.11フクシマから →3526日
★延期…オリンピック東京まで → 263日
★旧暦9月18日(月齢17.3)





◆ふりかえると…

 
 このブログでも、すでに8回、「ローリング・ストック」のことを語ってきた。
 「ローリングさせる(回転)」わけは、いうまでもない、「ストックする(蓄えておく)」だけでは、増えるばかり、やがて賞味期限切れの山になってしまうから。

 適当に折をみて「ストック」しておいた食品を食べ、減った分は新たに補充していくのがいい。ぼくん家では、そのために、ときおり「ローリング・ストック・デイ」と呼ぶ日をつくって、保存食の回転(兼、在庫チェック)にあてている。

 これも前に書いた。
 はじめは、その日を、あらかじめ〈予約〉したものだが、それも〈適当〉でいいことに気がついた。
 〈ゆるやか〉であれ。
  ……………

 いま現在、防災グッズとしての「ストック食(保存食・非常食)」事情はさて、どうなっているのだろう。
 きっと、この「新コロ」禍、影響下でどちらさまも買いだめがすすみ、「自然ストック」状態なのではあるまいか。

 ついでに、そう!
 より美味しそうなモノ、目新しいモノに食指がうごいているに違いない。

 以前(といっても、ほんの十数年前まで)の「非常食」といえば、「非常」の備えだから「味わい」は二の次…の考え方で。はっきりいえば「けっして旨いモノではない」のが常識であり。だから必要とは認めても、進んでストックしておく気にはなりにくい、欠点をもつものだった。

 それが、いつのまにか世の中かわって。
 新しい潮流は「非常食」を、災害など特別な場合の備えレベルから解放。ふだんの生活にも仲間入りしている「保存食」レベルに変えることで、親しみやすくすることに成功した。

 男女をとわず、ナニごとも趣味的に考える頭の持ち主がいるもので、この人たちが「ローリング・ストック」に取り組み始めると、「保存食・非常食」はオシャレなアイテムになっていった。

 「防災の日」も、それなりに定着した。
 けれども9月1日の日付が、1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなむものだ。…ということは、すでに遠い日のことになろうとしている。
  ……………

 (他人と同じ、じゃつまらない)へそ曲がりなぼくは、「新コロ」時代の「ローリング・ストック」事情を感じとりに。
 東京のオシャレな雑貨専門店のひとつ、広く若者たちにも知られる渋谷ロフトの「非常食コーナー」に出かけてみた。

 担当スタッフの身形からして垢ぬけした、このコーナーには、「非常食」と〈同居〉というより、むしろ地味なこれら商品群を〈リード〉するかたちで、キャンピング・グッズがガンバっていた。

 アウト・ドア派にも「非常食」携帯は常識だ、けれど、ここに置かれてある品々は「手軽なキャンプ向き」の便利グッズの数々…それらにまじって〈ちょい気の利いた〉しかも〈味わいにもひと工夫〉した品々が並ぶ。

 それらを見ていくと、〈持ち運び〉より〈ちょっとストック〉意識のものが多いことに気づく。
 つまり、〈賞味期限〉が1年ほどと短い(ふつう非常食なら3~5年くらい)ものや、レトルトのカレーでもアレコレ〈メニュー豊富〉といった具合だ。

 (なるほど…)とボクには頷けるものがある。
 世の中「新コロ」騒ぎで、あれこれ事情が変わったなかでも、目立って大きかったのは「食嗜好」と「趣味的アプローチ」だった。

 店での〈外食・飲食〉が激減、〈テイクアウトやセルフ・イート〉が増えればトーゼン、〈バラエティーの欲求〉がおきる。ふだんのコンビニやスーパーでは手に入らない種類の食品を、探してみたくなる。

 かつて山野や海川に親しんだOB・OGも含めて、〈アウトドアなキャンピング〉に目覚める人たちもでてくる。この場合、いうまでもない〈本格〉よりも〈手軽〉がトレンドになる。
 「食嗜好」と「趣味的アプローチ」の動向が、ここで合致・合流する。
  ……………

 「ローリング・ストック」しやすい環境の充実も、以前とは比べものにならない。食品メーカーのほとんどが「ローリング・ストック」の品揃えにのりだし、流通システムの参入も盛ん。
 味わいもメニューも豊かになった品揃えから、選び放題・試し放題の活況は、いまや〈通販〉利用だけで充分すぎるくらいだ。

 わが家では、キッチンに隣接する、ユーティリティー兼パントリーのスペースを「ローリング・ストック」コーナーに決め。
 棚の4つの仕切りに、賞味期限ごとに、「1年後まで」「1年以上2年後まで」…というふうに4年後までの品を収納。缶詰など5年以上保つモノは、順繰りにずらすことになっている。
 近ごろでは菓子類も加わっているのは、むしろ、小児のない家の〈ゆとり〉とでもいうものか。

 「ローリング・ストック」入れ替えは、基本2人共の心がけ…だが、やはり賞味の方はカミさん、補充の方はボクという分担、自然そういうことになる。
  ……………

 ロフトの「非常食コーナー」には、そのとき、独身と見える若い男子、幼子連れの若夫婦がショッピングに熱中、それに混じって後期高齢者と思しき男性がひとり、やや遠慮気味に棚の品々を物色していた。

 ぼくも、あれこれ手にとって見るうちに、こころ誘われるままに買い物モードになってしまい。7品ばかりを籠にレジへ。
 担当スタッフに訊ねると、「最近はこんなショッピング風景が定着した感じですね」と嬉しそうに笑っていた。
 いまどきはもはや、流行らないコーナーではない、ということだ。 
 
 チョイスした品のなかに、レトルトの「おでん」が入ったのは初、これまで「ストック品」に季節を意識したこともなかった。
 「カレー」メニューもちゃっかり入って、この国民食は「非常時」にもシッカリつぶしの利くことを、あらためて証明してみせた。

 明日は、ひさしぶりの試食を兼ねた「ロ-リング・ストック・(チェック)デイ」になるだろう。

 わが家では、「ローリング・ストック」を始めると同時に、「スプラウト」の栽培と「発芽豆」づくりを始めている。これは、いうまでもない食環境の連動で、新鮮な緑黄野菜を絶やさないように…の心がけである。