※ちょっとヒトコト…フタコト…ミコト ~No.108~ Japanese「ゴールデン・ブック」
-No.2471-
★2020年06月27日(土曜日)
★11.3.11フクシマから → 3397日
★延期…オリンピック東京まで → 392日
★旧暦5月7日、弓張月
(月齢5.9、月出10:21、月没23:28)
「これは、金の本(ゴールデン・ブック)です!」
北マケドニアの、在日外交官女性のひとりが、こんな率直な感想を述べていました。
「異聞」とか、「異文化圏」の方からの遠慮のない発言には、ときに驚かされたり、思わぬ再認識に目覚めさせられたり……
こんどの「箔紙」に挟まれてギッシリ詰まった〈金箔集〉は、いうまでもない金沢の伝統工芸(日本の金箔生産の99%を占めて…その大きな理由は高湿な気候にあるといわれます)。
紀元前1200年頃に古代エジプトで製造が始まったと考えれれている「金箔」、日本には16世紀頃からあったようですが。
この〈金箔集〉が展示されてあったのを博物館で観たこの方は、さながら「ゴールデン・ブック」であった…と、ため息まじりの率直な感嘆の告白。
ついでに「金箔入りソフトクリームまである」…と讃えていました。
じつはこの金箔、ほかにも、みなさんもよくご存じのとおり、さまざまな料理のトッピングや、羊羹・カステラ・葛きり・寿司などにまで採用されているのです…が。
これも、もうご存知かと思います、食品としての金はべつに栄養にも毒にもならない、ひたすら豪華絢爛の演出効果用であること、いうまでもありません。
金箔は厚さ0.0001ミリ。1立方センチメートルの金(あるいは合金)から約10平方メートルの金箔ができる…といいますが。
ぼくなど、なんど拝ませてもらっても、その超薄さがどうにもナットクはできません。それほど微細なものを、専用の金槌ひとつで打ち延ばしてしまう、というのですから、もう仰天あるのみ。
★ところで、北マケドニアってどこの国?★
はい。
もうしわけありません、地理好きのボクにもこれは盲点でした。
歴史は古いんだよねぇ、たしか…と懸命に記憶を手繰ったけれども、お手上げで。
調べて、やっと地図から掘り出しました。
イタリア半島とトルコ・アナトリア半島の間に位置して、アドリア海・イオニア海・エーゲ海・黒海に挟まれた東南ヨーロッパ、バルカン半島にある小さなお国。
オスマン帝国に統治された時代もあって、南はギリシャ、東はブルガリア、西はアルバニア、北はセルビアとコソボと、四周を外国にとりかこまれた内陸国。
お世辞にも裕福とはいえない経済状況のようですから、「ゴールデン・ブック」にはほんとうにビックリしたのかも。
なにせニッポンは、そのむかし、伝説の「黄金のジパング」でしたから、そんなイメージがどこかに、のこっていたのかも知れません。
ともあれ
外国では、ドイツ(バイエルン州)・中国(江蘇州)が主な産地で、フランスやイタリア、タイ・ミャンマー・インドでも製造されているそうですが、やはり珍しいものには違いなく。
しかし、わがニッポンでは、さほどの珍品でもありません。
仏像・仏具をはじめ、美術・工芸品、製本ほかの箔押し、建物の内・外装、建具、家具・調度などに幅広く使われています。
歯科では、むかし、金歯というのが流行りましたが…いまはもう、すっかり沈静化!?
それより、この女性外交官さん、「あぶらとり紙」にはふれていなかったのが、不思議なくらい。
金箔製造の副産物(地金を挟むのに使われた箔打ち紙=和紙)として、かつて一世を風靡した「あぶらとり紙」。
「肌にやさしい皮脂の吸いとり紙」を、ぼくも女性へのプレゼント用に買ったことがありますし、みずからも試して(なるほど…)効果を実感している優れもの。
いまでも、高級「あぶらとり紙」としての評価にかわりはない…といいます。
もし、ご存じなかったら、ぜひ。
「金箔」産みの親の底力のほどを、おためしいただきたい! ものです。