どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

※科学的にも奥深い「折り紙」の世界 /      自動折り紙技術と「紙ヒコーキ」

-No.2694-
★2021年02月05日(金曜日)
★11.3.11フクシマから →3620日
★延期…オリンピック東京まで → 169日
★旧暦12月24日(月齢22.9)
※次回は、2月9日(火)の予定です※
 2日節分、3日春分、4日には「春一番」が吹いた。
 気の温もりとともにウイルスの勢い衰えてくれるか…




◆印刷した線のとおりに自動で折りたたむ

 そんなことができるんだと!
 それも、インクジェットのプリンターで紙に印刷すればいい。
 (もちろんインクは特製だし、用紙との相性もある、けれど)
 なにしろ、それだけで、印刷した線のとおりに、ひとりでに折れ曲がる。

 これぞ、まさしく夢の「自動折り紙」の世界。
 その仕組みは……
 ①印刷線が「谷」になるカタチに折れ曲がる(インクが紙の繊維を縮ませる)
 ②折れ曲がる角度は線の太さに比例する(太い線ほど大きく曲がる)
 ③(インクの成分によって)折れ曲がるのにかかる時間も10分~数日の間で調節できる。
 ①と➁で、たとえば「紙飛行機」なんか、お茶の子さいさい。手先の器用・無器用いっさい関係なし。新しいアイディアもどしどし試せる。ついでに、
 ③にいたっては、印刷して放っておけば思いどおりの時に完成させる、そんなことだってできてしまう。これはスゴ技。

 …というところで。

◆紙の「手遊〔ずさ〕み」「手慰〔なぐさ〕み」

 前回、「新コロ」禍の遊び「紙ヒコーキ」について書いたら。
 そのすぐ後に、「折り紙」世界のハイテク情報がとびこんできて。
 ぼくは、(え~っ)と驚き燥〔はしゃ〕ぐ吾が身に呆れながらも、無視できない吾をカワユくイトシく思った。




 「紙飛行機」も「折り紙」世界の産物。
 ぼくも、姉と2人姉弟で育ったから、「折り鶴」などアレコレ「折り紙」も経験したけれど、「親しんだ」というより「つきあわされた」印象がつよい。
 雨の日なら、しかたないガマンもしようが、いったん晴れればもう、机の前にジッとしてるなんぞデキない相談で。「紙飛行機」折ったらすぐに飛ばしに駆けだす、いたずら坊主であった。

 でも、好きな遊び相手は、草や昆虫や魚など自然物のほかにも、紙・木・土という自然系素材がかならず含まれていた。そう、スキなことはスキだったから。
 女の子世界の「折り紙」にも目をくばることをわすれずにきた。

 「創作折り紙」とか「現代折り紙」、あるいは「立体折り紙」「造形折り紙」などの動向はもちろん、「ユニット折り紙」という工芸の分野に近いと思われるものも視野におさめつづけ。
 父が永年勤続した会社を定年後、母と2人保養所の管理人に転身してからは、箸袋やナプキンの折り方など「折形」と呼ばれるものにも親しんだ覚えがある。

 しかし……
 「折り紙」は、ぼくにとって、あくまでもヨソごと。
 「むずかし」くて「こまか」くて、ぼくにはむかない…と。
 けれども……
 これは明らかにスジ違いだし、はっきりマトはずれで。
 木工にしても、土仕事にしても「むずかし」く「こまか」い。
 はやい話しが、ひとこと「にがて」にすぎないのだった。

 もうひとつ想いだすのは……
 フィールドワークなどにつかう「地図の折り方」。
 宇宙航空研究開発者、三浦博士(東大名誉教授)が考案した「ミウラ折り」が、世に知られたのはたしか1970年安保の頃。
 実際にはタイヘン難しい折り方に、懸命にチャレンジしたことを覚えている…が。カンジンのその「ミウラ折り」にした地図、たしかにコンパクトで展開しやすい科学的な技法に感心はしたものの。
 とりあつかい方もまた難しくて、結局、現実のフィールドでは思ったほどに活躍できる場面もなく。したがっていまは、もう手もとにものこっていない…。
 
 ともあれ。





◆紙の自動ロボット

 「紙飛行機」になると、俄然バッチリ目が覚める、ジジツはジジツ。
 冒頭でご紹介した「自動」の「紙技」を開発したのは、芝浦工業大学電気工学科の重宗宏毅(助教)さんという、自称「数理人」の方。
 工夫のさらなる発展形としては、もっと優れたスゴ技もあって。
 (すべて自動で)紙のハシゴが→立ち上がり→上端を曲げて壁に掛かり→下から折りたたみ巻き上げて…しまう。

 つまり「紙の自動ロボット」で、これはアメリカにも先例があったけれども、ただし、折ったり動かしたりに熱や電気を必要としたもの。
 ところが、重宗版ロボットは熱も電力も要らない。



◆「折り紙」の仕組みを産業にとりこむこと

 そんなアイディアはすでにいろいろ試され、実用化もされていて。
 たとえば、上記「ミウラ折り」のように人工衛星太陽電池を折りたたみ式にしたり、身近なものでは「酎ハイ」缶に菱形の折り目をつけて丈夫にしたり…などなど。

 ただし「折り紙」構造は、つくるのがなかなか難しい。
 これを「自動的にできる」ようにすれば飛躍的に利用が進む…というのが重宗さんのネライであった。
 紙には電子回路も印刷できることから「折り紙構造の電子回路」や、また手軽に脈や体温などを測定する「使いきり生体情報デバイスなど。

 だが
 あくまでも「紙飛行機」屋でいきたいボクが(ほしい!)と切望するのは。
 紙飛行機のあれこれタイプ別に、「基本的な折り方と適合する紙の組み合わせ」のシステムと、さらに工夫を凝らしたいときのアイディアを実現する技法のシステム化である。
 (なんとかして)もらえないものだろうか……