◎「新コロ〝濃霧〟」の道を照らすフォグランプ/ 点灯中!…しばらくは〈模索の旅〉がつづきます⑨アレもコレも足りないだらけ…おサムい日本の医療体制
-No.2421
★2020年05月08日(金曜日)
★11.3.11フクシマから → 3347日
★延期…オリンピック東京まで → 442日
★旧暦4月17日、十六夜の月・立待月
(月齢15.0、月出19:33、月没05:15)
◆政府がワカラン…専門家会議もよくワカラン…
去る2月27日(木)。
安倍晋三首相が「3月2日(月)から全国の小・中・高校、そして特別支援学校を春休みに入るまで臨時休校とするように」と、各都道府県の教育委員会などを通じて「要請」する考えを示しました。
そのときから始まったのが、国内「新コロ」ウイルス感染との実質的な攻防でした。
それまでの水際作戦(ほとんど政権の一人芝居)に失敗した政府が、国民から休校要請の〈論拠〉を問われて、たじろぎ、あわてた場面。
忘れられません。
(こりゃイカン)というので、以後、きりかえて。
「専門家会議のご意見もうかがって判断」とコロッと態度を変えました…が。
そんな態度の裏には、「責任は専門家にある」ようにもっていきたい肚〔はら〕が透けて、まる見え。
果断な政策・方針を示して、責任は負う、そんな姿勢は皆無でした。
…でもって、やることは相変わらずモタモタ歯切れがわるい…
ワカラない。
専門家会議の先生方も、内心の〈違和感〉さぞ苦々しかったことでしょう。
しかし、そのいっぽうで、専門家会議のありようも、よくワカラない。
◆新型インフルエンザ等対策室
…が、内閣官房に設けられたのが1月30日。
「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」のスタートが、2月24日でした。
〇座長/ 脇田 隆字( 国立感染症研究所所長)
〇副座長/ 尾身 茂( 独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)
ほか、構成員10名の方々の多くのお顔は、以後の報道および関連番組で拝見することも多くなったわけですが。
はじめから気になったのが、副座長の尾身先生がもっぱら記者会見などでの説明役を務め、座長の脇田先生の存在感は薄いまま。
その後、尾身先生が「対策有識者会議」の会長に就かれると、この???感は決定的になりました。
なぜ……どうして……なにかワケでもあるんですか……。
ワカラなくなりました。
◆政府「有識者会議」のもどかしさ
「専門家会議」のなかに「クラスター対策班」が設けられたのが2月25日。
これなんかも、ナニをいまごろ寝ぼけてるんだ…印象でしたが。
西浦博(北海道大学大学院医学研究院教授)先生の「理論疫学」には、さまざまな数値モデルの作成・提供と、医学界への刺激的な議論喚起とを期待しましたが、いまのところいまひとつ説得力にかけるところが、ざんねんながらあるようです。
もっともっと、革命的に日本の医療政策を衝き動かしてほしかった。
まぁ、政府諮問の「有識者会議」というものが。
ハッキリ言って、いつだって、じれったいし、はがゆい、ものであることが多いわけで……
政府からお声がかかるわけですから、そこにはとうぜん意図がある…わけだけれども、少なくとも「専門家としての良心」を忘れてはほしくない。
ぼくたち国民は、いつもそう思っているわけなので。しかし……
よくある専門家会議への(出席者からの)異議・抗議に、ぼくたちは、いつも(いうまでもなく政府の方に対して)懐疑の目を向けざるをえないできて。
それが、(現実に表立ってはいないけれども)こんどの「新コロ」専門家会議からも嗅ぎとれてしまうのが、情けない。
この、大きな時代転換にもなるであろう人間世界の大事に…ですヨ!
政府から、はじめに、ナニかしらのクギが刺されているのではないか…。
有識者会議の方々に、政府の意向に忖度する気分がありはしないか…。
この重大な局面ゆえに、不安を拭えないのは……
少なくとも、たがいの役割分担シビアな〈共闘〉関係であるべき政府と専門家会議とが、どうも〈ワン・チーム〉にまとまっているとは感じられない、からです。
スピード感もとぼしいまま…これまた「朱に交われば」なんとやらか…と。
◆たりないもの…だらけの嗚呼ニッポン
思えば最初から、出遅れて、後手を踏みつづける、こんどの「新コロ」対策。
「専門家会議」から政府に対しての「周知徹底」と「叱咤激励」が期待されたのに、どうなってしまったの先生方…と、これでは、いたずらに〈不安〉が増すばかりです。
われら庶民(国民)に、イヤでも明らかになったのは…
〇医師・看護師の〈医療スタッフ〉マンパワーが決定的にたりない。
〇マスク・消毒用エタノール・防護服・フェイスシールドなど〈医療資源〉がこれまた絶望的にたりない。
〇感染症に対応できる病院や重症患者を受け入れるベッドもたりない。
〇決定的なのは、はじめっからたりないPCR検査のキャパのことがあり、ついでに、じつは検査しようにも試薬さえたりないらしい、という指摘さえある。
こんな状況では、日本国民のすべてが。
「がまんしろ」と言うなら、「ちゃんと命を守ってから」にしてくれ。
正直、叫びたい気もちダ。
医療の最前線はたいへんだと思ってます。けれども、
われら庶民(国民)だって、「感染したらオシマイ、とても助けてはもらえない」くらい追い詰められているんです。
専門家会議の先生方には、この実態を踏まえ、〝現場の声〟を、ホントの「危機の真相」と待ったなしの「対策の急務」とを、この国の政府をあずかる者たちの頭に、このさい「土足で踏み込ませてもらう」くらいの気迫をもって、ビシバシ叩きこんでいただきたい。
どうか、政府すじの「あっちむいてホイ」流儀には、ハマらないでください。
以上、くれぐれも、よろしくお頼み申します。