◎新型コロナウィルス「感染列島」に想う〈番外日記〉⑥3月14日(土)続々〝日本代表〟が決まっていくなか…「オリ・パラ」開催いよいよ困難な重大局面に
-No.2366-
★2020年03月14日(土曜日)
★11.3.11フクシマから → 3292日
★ オリンピックTOKYOまで → 132日
★旧暦2月20日、更待月
(月齢19.5、月出23:07、月没08:53)
★〝桜〟開花まで積算600度追跡=13日まで563℃
※東京地方では、朝から雨、昼すぎには雪まじりの氷雨になって…。つい先日までは「この日あたりに開花」が予想されていましたが、ザンネン週明けに延びそうです。
◆それにしても…松田瑞生さんの〝補欠〟は…キツイなぁ
3月8日(日)。
ウイルス感染不安、徐々につよまるなか、天候も雨という不順のもと、二つのMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ)最終選考会の、2つのレースがありました。
女子「名古屋ウィメンズマラソン」と、男子「びわ湖毎日マラソン」。
名古屋では、オリンピックの女子マラソン代表、最後の1枠を目指す選手たちが、雨空どこ吹く風の果敢な走りを見せくれて…感動!
代表3つめの枠は、「最速ランナー」が条件。ですから、勝負だけではない記録の高いハードルを超えなければなりませんでした。
目指すは、先の大阪国際マラソン(1月26日)で陸連設定記録をクリアして優勝した松田瑞生(24歳、ダイハツ)さんが出した2時間21分47秒。これを、超えなければなりません。
スタート時の天候は雨、気温9.1℃、湿度88%は厳しい条件。
それでも雨にもめげず…のレースは、予想どおりのハイ・ペースで進みましたが、30kmまでは松田さんの記録よりも40秒あまり遅かったのでヒヤヒヤ。
けれども、そんななか、落ち着きのある軽やかな走りで、先頭集団のなかでもっとも安定感のあったのが、レース前に好調を伝えられていた一山麻緒(22歳、ワコール)さん。
これまでの数多のレースで、アフリカ勢が仕掛けどころにすることの多い30kmを前に、先手を打って一気にペースアップを仕掛けた一山さんは、他の選手を置き去りにして快走。
その後もあぶなげなく走りきって、優勝タイムは結局、松田さんの記録を1分以上も上まわり、日本選手国内最高記録(従来の記録は、野口みずき2時間21分18秒)でした。やったネ!
野口さんの日本記録(2時間19分12秒)や、歴代3位高橋尚子さんの記録(2時間19分46秒)には及びませんでしたが、ひさしぶりに「世界に通用する走り」(瀬古利彦、日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダー)を見せてくれました。
優勝一山さん、2位安藤友香さんと、さすがの強味を見せたワコール勢。
…でしたが、5大会連続オリンピック出場を目指したチームの先輩、福士加代子(37歳)さんは無念の30kmリタイア。
でも、持ちあじの弾ける「加代ちゃんスマイル」で、日本女子長距離界をここまで、よく引っ張ってくれました。ごくろうさま…
くわえて
日本人3位の結果ながら、次の「パリ・オリンピック」に向けて、活きのいい走りで名乗りを上げてくれた、初マラソンの佐藤早也伽(2時間23分27秒、25歳=積水化学)さんには敢闘賞ですね。
そうして、もうひとり。
惜しくもマラソン代表をのがした松田さんには、「あなたの走りがあったおかげ」なんてコトバは、慰めにもならないでしょう。ただただ、とてもフクザツな想いです。
…それで、じゃ「補欠」というのもなぁ…あまりにもキツすぎるよねぇ…
◆男子は大迫傑くんの記録を破れず
いっぽうの男子、「びわ湖毎日マラソン」は、同じく雨。途中、つよい向かい風という条件は、女子の名古屋よりも厳しかった感じ。
結果、日本勢トップの4位、作田直也(JR東日本)くんが2時間8分59秒で、つい1週間前に大迫傑くんが出した日本記録に3分30秒およばず。
次なる飛躍のステップに向けて、若手のチャレンジ・レースになり、まぁ、これもオリンピック効果にはチガイありません。
それにしても、瀬古さんはじめ、このたびのMGCを仕掛けた、日本陸連マラソン強化戦略チームにとっては、文句なし「してやったり!」の成果だったでしょう。
結果、代表にきまった(それにしても…まだ〝内定〟?)6人の顔ぶれを見ると、(よくもまぁ…)と呆れるくらいの見事な布陣の完成。これが「天の配剤」ってやつですか!?
日本新記録を含む好記録の連発も、達成感たっぷり。
しかし…
〈男子代表〉
〇中村匠吾(富士通、27歳)
〇服部勇馬(トヨタ、26歳)
〇大迫傑(ナイキ、28歳)
〈女子代表〉
〇前田穂南(天満屋、23歳)
〇鈴木亜由子(日本郵政、28歳)
〇一山麻緒(ワコール、22歳)
このメンバーで、はたしてメダルを望めるのか、となると。
いま現在までの世界レベルを見るかぎり、ショージキ苦しい……
ともあれ、それはさておき。
ほかのさまざまな競技でも、次々と代表が決まったり、内定がでたり。
いぽうでは、選考会が開けない競技もあって、事情はさまざま。
選手たちの心中も想うと、フクザツ。
でも、そんなことよりも、まず。
これだけガンバっている選手たちのこと想うとき、オリンピック主催者サイドには、アスリート・ファーストの原点に立ち戻っての、早めの「勇気ある決断」を望みたい、ところです。
一般市民にとっても、アスリートにとっても、影響は同じ、どうなるのか〝不安〟でいることほど、大きなマイナス要因はありません。
◆日本ばかりか、世界中の空気が「オリンピックどころじゃない」
「新型コロナウイルス」感染不安は、ついに、そこまで来ています。
国内では、高校野球「春の甲子園」大会が、「無観客開催」の方針から一転「中止」に(野外の広いグラウンドなのに!?…)なりました。
12日(日本時間)には、ギリシャのオリンピア(古代オリンピック発祥の地)で、東京オリンピックの聖火「採火式」と関連行事が行われ、開催国を代表する日本のランナー野口みずきさんの手に、トーチが渡りました。いちおう、カタチは(いよいよ始まる)んですが…
この無観客で行われた採火式そのものが、テレビ映像を観てもまったく熱気や期待感には乏しい形式的なものにすぎず、それにしてもガックリ(やっぱりなぁ…そりゃ無理もないよねぇ)でしたよネ。
式典での挨拶で、IOCのバッハ会長は「予定どおり開催の方針で準備している」と強調していました、が。その後の、記者からの突っ込んだ質問には、「中止するかどうかの判断はWHO(世界保健機関)の助言にゆだねる」と、責任を丸投げ転嫁するかのような発言に後退。
その後、つづいてアメリカからは、トランプ大統領の「開催を1年延期することも考慮すべきなのではないか」との発言がとびだして、ムードは一気に「2020TOKYO開催延期」へ。
「無観客のオリンピック開催は想像できない」とのコトバの裏には、IOCの巨大スポンサーNBCテレビネットワークほかの意向が透けて見えます。
それでなくても、このパンデミック(世界的な感染流行)状況では、無理に開催しても、かぎられた参加国・選手による〝片肺〟大会に終わることは明白。
ここまで来てしまったら
カタチだけ「予定どおり開催に向けて鋭意、準備につとめる」カッコづけなんか、いいかげんに、もう、すっぱりヤメにして。
ここは開催国の責任において、IOCに「延期をお願いする」しかないでしょう。
たまには、〝日和見〟と〝対抗意識〟にばかり終始しない、日本の〝勇気ある誠意と決断〟に期待したい、ところです。