どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

※もうひとつの2020TOKYOの年…幕開け③ / 「都道府県対抗駅伝」など

-No.2320-
★2020年01月28日(火曜日)
★11.3.11フクシマから → 3246日
★ オリンピックTOKYOまで →  178日
★旧暦1月4日
(月齢3.2、月出08:50、月没20:06)




◆〝駅伝シーズン本番〟の幕開けは

 第39回「全日本実業団対抗女子駅伝競走大会 (愛称=クイーンズ駅伝)」は昨年11月24日。
 宮城県・松島から仙台までの7区間42.195kmのコースに22チームが参加して行われ、オリンピック女子マラソン代表内定の鈴木亜由子 を擁する「JP日本郵政グループ」(東日本)が2時間15分10秒で 優勝。

 大会全体として、まずはシーズン始めの小手調べ…といった感じで。
 女子長距離界を牽引する錚々たるメンバーが参加したわりには、区間新記録1つ…いまひとつ。
 この夏の大イベントにむけて、いまは、まだ調整段階といったところだった、でしょうか。

 …が…

◆つづく「全国高校駅伝」からエンジンがかかって

 暮れの12月22日、舞台は京都「都大路」。
 第70回を迎えた男子(7区間、42.195km)と、第31回になる女子(5区間、21.0975km)。ことしは、男女とも仙台育英高校(宮城)が制して、めでたくアベック優勝。男子は12年ぶり8度目、女子は2年ぶり4度目。

 なかで一番に目立った選手をあげれば、仙台育英・男子アンカーの吉居駿恭。
 1年生とは思えない、覇気と落ち着きを兼ね備えた将来の逸材は、先行する倉敷高校を追い上げ、並走の末、トラック勝負、のこり300mで相手を突き放して、みごとに勝って魅せました。

◆年明け、第38回皇后杯都道府県対抗女子駅伝」は

 これも、舞台は京都。1月13日。
 9区間42.195kmを、中学から高校・大学・社会人までの世代間をのりこえて襷をつなぐ、競技力向上のうえでも、多彩な走りが見られる観戦の楽しみからも、好企画の大会といっていいでしょう。
 結果は、京都が2時間16分15秒で3年ぶり17度目の優勝でしたが。

 見どころは、ここでも、アンカー9区10kmの勝負。
 若い世代のふんばりで順位を上げ、9区でトップに立った京都・一山麻緒(ワコール)と、1分24秒差で後を追った世界選手権長距離トラック代表の東京・新谷仁美積水化学)の闘い。

 スポーツの世界では、よく身体能力をたとえて「エンジンがちがう」といいますが。
 10kmでは、新谷が格上。エンジンの違いを見せつけてグイグイ、迫力満点に追い上げくるのを、「後ろがすごく怖かった」とふりかえりながら、懸命に粘った一山がトップを守り抜いて「めっちゃうれしい」ゴールテープ。
 「まだ東京オリンピックのマラソン代表をあきらめてはいない」一山は、3月の「名古屋ウィメンズマラソン」に挑むとのこと。愉しみです。

 対する実力者・新谷の走りもスゴかった。
 
 それこそ、この女〔ひと〕の「エンジンのちがい」、全国高校駅伝の頃から知っているボクですが。
 またたくまに、女子長距離界トップアスリートの座に駆け上がった新谷仁美
 かずかずの国際大会でも世界と闘ってきた彼女が、とつぜん引退を表明したのが14年。しばらく社業勤務に励んだあと18年の復帰は、正直(どうかな?)と思わせましたが。

 なんの、心配する周囲を尻目に、復帰後も快走。すでにオリンピックの10,000m参加標準記録も突破している新谷は。
 この大会でも、6人抜き、最後はトップの一山に21秒(1分以上)差まで詰める3位に喰い込んで魅せ、もちろん記録も区間1位の30分57秒は、おみごと。

 ちなみに彼女、その後すぐの海外遠征ハーフ・マラソンアメリカ・テキサス州、ヒューストンの大会)では、1時間6分38秒の日本新記録
 06年に福士加代子(ワコール)が樹立した記録を48秒も更新するものでした。
 彼女の雄姿は、オリンピック競技場のトラックでも見られることでしょう。

◆〝トリ〟は第25回天皇杯全国都道府県対抗男子駅伝

 1月19日の、コースは世界遺産・宮島口を折り返す広島市平和記念公園前発着の7区間48km。
 この駅伝も女子同様に、見どころ満載。ついでに
 あの「箱根駅伝」に、勝るとも劣らぬ記録ラッシュに沸きました。

 宮城・吉居大和(仙台育英全国高校駅伝・男子で活躍した吉居駿恭の兄)の1区・区間新、活きのいい走りで始まったスピード・レースは、あわせて2つの区間新と2つの区間タイを産み。
 おまけに、なんと総合成績1位から6位(長野・兵庫・埼玉・佐賀・静岡・茨城)までが大会新記録という派手な高速レース。
 ちなみに1位長野の記録2時間17分11秒は、従来の記録より1分32秒も速かった。

 結果は、終盤6区・吉岡大翔(川中島中)の区間新でトップに立った長野が、7区アンカー・中谷雄飛(早大)の踏ん張りで8回目(最多)の優勝。
 同区間には、相沢晃(福島=東洋大)や、設楽悠太(埼玉=ホンダ)、村山紘太(宮崎=旭化成)、一色恭志(京都=GMOアスリーツ)、早川翼(福井=トヨタ)らも走りました…けれども(成績はいまひとつ)。

 みなさんのネライは、いうまでもない東京オリンピック
 マラソン代表キップ(あと1枚は〝最速〟が条件)か、トラック長距離代表でしょう。

 マラソンねらい組は、とうぜん、記録の出やすい3月の東京マラソンに集中するにちがいありません。

◆ナイキの「厚底シューズ」禁止か?

 ことしの都道府県男子駅伝が近づく頃になって、陸上界に衝撃が走ったのは、「記録ラッシュの生みの親」とまで言われたナイキ(アメリカ)のランニング・シューズ(厚底シューズ)。
 世界陸連の新規則によって使用禁止になる可能性が高い、という話し。

 この大会でも、たくさんの選手が履いて好結果を生んでいたようです、けれど…。
 問題の多いその話しは、次回に、させてもうことにしますネ。