どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

※シューカクは新顔の「バターナッツ」くらい /  ことし吾が家の「ちっこファーム」

-No.2638-
★2020年12月11日(金曜日)
★11.3.11フクシマから →3564日
★延期…オリンピック東京まで → 225日
★旧暦10月27日(月齢25.9)






◆ことしのシューカクを振り返る…

 「ふりかえる」
 ことしも、そんなシーズンとの、避けようもない巡り合わせ。

 ぼくは、「省みる」ことはツネヅネだけれど、吾が人生「振り返る」ことは、どうにも性に合わない。(振り返ってどうする)気分ダ。
 だから、〈ことしの収穫〉についてもサッと(省みておく)ことにしたい。

 いうまでもない、この1年は「新コロに明け、新コロに暮れようとする(そうして来年にも持ち越すこと確実な…)」パンデミック・イヤーでしかなく。
 したがって吾が庭、猫の額農園での収穫も、記録的サイテーのシーズンにおわり。わずかばかりの葉物いくばくかと、あとは室内でのスプラウトや発芽豆ばっかり。
 収穫といえるほどの〈作物〉は、ほぼバターナッツひとつに限られた。

 「新コロ」ウイルスが植物を感染宿主にするわけじゃない…ことはわかっていても、生命に寄せる愛着がイヤでも薄れたことは事実だったし。
 ついでに今シーズンは天候にも、実感として、まるでそっぽを向かれっぱなし。実生もので、発芽後まもなく立ち枯れたものもある。もちろん、ボクの世話がおろそかになった、せいもあるけど…。

 そんな、いわば吾が狹庭農園の乱世を生き抜いた、ゆいいつの作物の「バターナッツ」。名前のあとに「かぼちゃ」とつくとおり。
 ぼくは「グリンフィールド・プロジェクト」の種を購入、初めて栽培してみたわけだ…が。原産は北から南にかけてのアメリカ大陸〈乾燥した砂漠地帯の荒野〉というだけあって。まぁ…あきれるくらい脱帽ものの「したたかな生命力」。

 蒔いた種のすべてが、みごとに揃って発芽すると、グィグィ茎・蔓をのばし。たちまち〈猫額農園〉を覆い尽くして、通りすがる近隣の散歩人たちから「なんですかコレは…」と、まんまと感嘆の声をいただくことに成功。

 手抜き世話人のボクが見るところ、この「バターナッツかぼちゃ」の環境適応力は、同じ乾燥地帯を原産地にするトマトに似て。
 なおかつ、プロのお百姓さんの畑とはくらべようもない、栄養分も不足気味かと思われる土壌さえ、ものともしない。

 欠点は、ただひとつ〈実つき〉がわるいこと。花はいっぱい咲くのに、てんで実にならない…これはセツない。
 都会近郊にある吾が家の庭には、ミツバチの訪れも耐えて久しく、手抜き世話人懸命の自家受粉作業にもかかわらず、これも「かぼちゃ」そっくりの黄花ばっかり、やたら盛んに、ただ咲き誇るのみ。

 そんな、こんなで、一時は藪のごとき濃緑の蔓で乱れた吾が庭から、やっとこさ穫れた「バターナッツかぼちゃ」の実が上掲の写真。
 形は細長い瓢箪型で、色はほとんど殻付き落花生そのまま。
 …ならば味も…然り、甘味ひかえめの、こりゃマチガイなし「ピーナッツ・バター」じゃん!

 あらためてネットを見ると、「近ごろ人気の野菜」と紹介も盛ん、レシピも満載。
 「バターナッツ」という洋風なネーミング、色もどことなく洋風…だからか。グラタンとかスープとか、洋風料理のおすすめが多かったのだ…けれども。
 ぼくの感受性でいけば、食べるなら料理法はだんぜん「和風」でしょう。

 そう思って調べたら、「バターナッツかぼちゃ」の属性は「日本かぼちゃ系」とのこと。
「そうでしょうとも!」
 和風料理きわめつけの「煮物(冬至かぼちゃ…とも言うくらいですから)」と、もう一品は、これも感覚的に「チップス」が似合いそうだったので「ソテー」にしてみたら、どちらもバッチ・グーの味わい。ぼくからのおススメ。

 来年は、今年を「省みて」手抜きなしの世話を心がけ、〈猫額農園〉なりのくふう
〈がっちり支柱〉の備えで、立派な収穫にしてみせようと思う。



◆世の中もほぼ「新コロ」滅入り状況

 吾が家のまわりには「100円即売スタンド」の農家もあり、素人さんの「1坪農園」なんかも盛んなので、散歩の折りなど気をつけて見ているところだ、が。
 やっぱり、どちらさまも、いまひとつ元気なく活気にとぼしい。声をかけてみると、「作柄が良くないというより、世話する方の精がでない」とのこと。

 しかし一方で、都会を離れた地方からの収穫の便りには、勇気づけられる。
 地力が違う…といえばそれまでだが、ことしも春、海外青年協力隊出の岩手の甥っ子からは里の芽吹きセットが届き、信州のお友だちからは「根曲り竹の子」、そうして秋には例年どおり「メークイン発祥の地」北海道厚沢部町、種芋農家のKさんからと、大地のたしかな滋養をいただいて。

 「わるいことばっかりはつづかん…よ、めげずにガンバロウや」
 背中をポンと、励まされる思いがしたことだった。