※大衆魚サンマ(秋刀魚)…今年も不漁のまんまか!?
-No.2533-
★2020年08月28日(金曜日)
★11.3.11フクシマから → 3459日
★延期…オリンピック東京まで → 330日
★旧暦7月10日(月齢9.0)
◆初値1匹1200円也!
「サンマが高級魚に!」
「サンマ 食卓から消える」
こんな見出しが、新聞紙面に躍ったのは去年のこと。
ぼくん家では秋、サンマのシーズンには、炭火コンロで盛大に煙をあげて焼けるサンマに舌鼓をうつ、のが毎年恒例のことであり。
先代のコンロは、能登・珠洲産の天然珪藻土「切り出し七輪」という、本格派でもあった。
炭火焼サンマとなれば、これはもうキッチン調理の埒外だから、ぼく、みずから「焼き方奉行」をかってでたものだ…が。
その炭火コンロの出番も、一昨年の秋から無くなっていた。
23日(日)は二十四節気の「処暑」、夏の暑さもようやくおさまる頃…だけれど、現実にはまだまだ残暑の火照りがのこる。
まさに、ちょうどこの時季あたりに、「初サンマ」の声が秋の訪れを知らせてくれるのも、これまた恒例。
…だったのに、ガッカリさせやがる、ことしも不漁らしい。
◆棒受け網漁…不発
サンマ漁で名高い「棒受け網」という漁法は、大光量の集魚灯を舷側に並べ、別に突き出した棒から垂らした網のなかに魚群を誘いこむ。港にいれば、船から腕のように突き出した棒で、それとわかる。
効率のいいことで知られる主力の漁法で、ことし出漁解禁の8月15日には、まず先陣をきって中型漁船群が、北の太平洋沖を目指して出漁。
しかし22日、根室・花咲港に帰った船に漁獲はなし。去年につづく〝不漁〟の予測を裏付けるかたちになって、漁師たちの顔は冴えなかった。
そうして、20日に出漁していった大型船群のうち、4隻が23日に厚岸(北海道)港に帰り、初水揚げがあった…けれども、その量、4隻あわせて600kg。〝不漁〟に泣いた去年の約40トンの、わずか1%程度で……
いつもなら、クレーン網で豪快に船倉から掬い出す風景は見られず、たいせつに発泡スチロールの箱に収められらサンマたちが、しずしずと運びあげられ。
「群れがなかったな…」
「これからに期待するしか…ないべね…」
漁師たちの声も沈みがち。
初競りのあと、店頭の初値はナント1匹1200円。
「今年はじゃんじゃん食べて…って言えることには、なりそうもない」
市場関係者も苦く笑うばかりだった。
そんな今シーズンの〝不漁〟ムードは、じつは7月に始まった「流し網」漁の結果からも、すでに明らか。
15日初水揚げ、初競り後の店頭価格が1匹5,980円…これは、もう大衆魚サンマの値段じゃない、本マグロ級である。
7月21日付、東京新聞の記事には、こうあったのダ。
「初夏のサンマ漁獲ゼロか」
北太平洋上の公海で昨年から始まった「初夏のサンマ漁」、ことしの操業期間が20日に終ったが、全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)によると、出漁する船もなく漁獲ゼロだったと見られる、と。
不漁がつづくなか出漁しても採算があわない。主要な販路だったロシア船への洋上販売も、価格交渉がまとまらなかった、と。
近海(日本沿岸)の漁は8月中旬頃から本格化する見とおしだが、「どこへ行ってもサンマはいないんじゃないか」の声さえ聞こえる。
近年はサンマ不漁つづきで、昨年、全国の水揚げ量は4万517トンと、過去最低を記録している。
……おさき真っ暗……
◆〽サカナがだんだん遠くなる~
漁業資源の増減には、さまざまな要因がからんで、まだまだ不明なことが多いのだけれども。〝不漁〟の予測だけは、ざんねんながら外れたことがない。
これまでは、深刻な〝不漁〟に悩まされてもいずれは〝回復〟、ということが繰り返されたわけだ、が。
地球温暖化を含む、人類による環境攪乱が、はてしもなくつづくことになるだろう、これからはもう、そんなアマいことにはならないだろう。
ぼくたち日本の海からは、すでにイカ(なかでもスルメイカ)が姿を消しつつあり、カツオも型が小さく数も減るばかりで、おまけに最近は、関東地方の太平洋岸からアジが幻になりかけている、らしく。
高級魚のマダイやシマアジは「養殖もの」があたりまえ、本マグロが「滅多にお目にかかれない」高値の花になる日も、遠いことではなさそうだ。
〈後期高齢〉と称される域に達してから、あらためて「片づいた生き方」を進めるボクは、「炭火焼コンロ」の諦め時がきた…かどうかを、いま考えている。
万が一ナニかコトあったときの備えに、キャンピング用品はまだ処分できない、かわりに減らすモノ、候補のひとつ。
しかも、少なくともその上位にリストアップされたことは、まちがいない。