どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

※大衆魚サンマ(秋刀魚)…今年も不漁のまんまか!?

-No.2533-
★2020年08月28日(金曜日)
★11.3.11フクシマから → 3459日
★延期…オリンピック東京まで → 330日
★旧暦7月10日(月齢9.0)





◆初値1匹1200円也!

「サンマが高級魚に!」
「サンマ 食卓から消える」
 こんな見出しが、新聞紙面に躍ったのは去年のこと。

 ぼくん家では秋、サンマのシーズンには、炭火コンロで盛大に煙をあげて焼けるサンマに舌鼓をうつ、のが毎年恒例のことであり。
 先代のコンロは、能登珠洲産の天然珪藻土「切り出し七輪」という、本格派でもあった。
 炭火焼サンマとなれば、これはもうキッチン調理の埒外だから、ぼく、みずから「焼き方奉行」をかってでたものだ…が。
 その炭火コンロの出番も、一昨年の秋から無くなっていた。

 23日(日)は二十四節気の「処暑」、夏の暑さもようやくおさまる頃…だけれど、現実にはまだまだ残暑の火照りがのこる。
 まさに、ちょうどこの時季あたりに、「初サンマ」の声が秋の訪れを知らせてくれるのも、これまた恒例。
 …だったのに、ガッカリさせやがる、ことしも不漁らしい。

◆棒受け網漁…不発

 サンマ漁で名高い「棒受け網」という漁法は、大光量の集魚灯を舷側に並べ、別に突き出した棒から垂らした網のなかに魚群を誘いこむ。港にいれば、船から腕のように突き出した棒で、それとわかる。

 効率のいいことで知られる主力の漁法で、ことし出漁解禁の8月15日には、まず先陣をきって中型漁船群が、北の太平洋沖を目指して出漁。
 しかし22日、根室・花咲港に帰った船に漁獲はなし。去年につづく〝不漁〟の予測を裏付けるかたちになって、漁師たちの顔は冴えなかった。

 そうして、20日に出漁していった大型船群のうち、4隻が23日に厚岸(北海道)港に帰り、初水揚げがあった…けれども、その量、4隻あわせて600kg。〝不漁〟に泣いた去年の約40トンの、わずか1%程度で……
 いつもなら、クレーン網で豪快に船倉から掬い出す風景は見られず、たいせつに発泡スチロールの箱に収められらサンマたちが、しずしずと運びあげられ。

「群れがなかったな…」
「これからに期待するしか…ないべね…」
 漁師たちの声も沈みがち。
 初競りのあと、店頭の初値はナント1匹1200円。
「今年はじゃんじゃん食べて…って言えることには、なりそうもない」
 市場関係者も苦く笑うばかりだった。

 そんな今シーズンの〝不漁〟ムードは、じつは7月に始まった「流し網」漁の結果からも、すでに明らか。
 15日初水揚げ、初競り後の店頭価格が1匹5,980円…これは、もう大衆魚サンマの値段じゃない、本マグロ級である。

7月21日付、東京新聞の記事には、こうあったのダ。
「初夏のサンマ漁獲ゼロか」
 北太平洋上の公海で昨年から始まった「初夏のサンマ漁」、ことしの操業期間が20日に終ったが、全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)によると、出漁する船もなく漁獲ゼロだったと見られる、と。
 不漁がつづくなか出漁しても採算があわない。主要な販路だったロシア船への洋上販売も、価格交渉がまとまらなかった、と。
 近海(日本沿岸)の漁は8月中旬頃から本格化する見とおしだが、「どこへ行ってもサンマはいないんじゃないか」の声さえ聞こえる。
 近年はサンマ不漁つづきで、昨年、全国の水揚げ量は4万517トンと、過去最低を記録している。

  ……おさき真っ暗……

◆〽サカナがだんだん遠くなる~

 漁業資源の増減には、さまざまな要因がからんで、まだまだ不明なことが多いのだけれども。〝不漁〟の予測だけは、ざんねんながら外れたことがない。

 これまでは、深刻な〝不漁〟に悩まされてもいずれは〝回復〟、ということが繰り返されたわけだ、が。
 地球温暖化を含む、人類による環境攪乱が、はてしもなくつづくことになるだろう、これからはもう、そんなアマいことにはならないだろう。

 ぼくたち日本の海からは、すでにイカ(なかでもスルメイカ)が姿を消しつつあり、カツオも型が小さく数も減るばかりで、おまけに最近は、関東地方の太平洋岸からアジが幻になりかけている、らしく。
 高級魚のマダイやシマアジは「養殖もの」があたりまえ、本マグロが「滅多にお目にかかれない」高値の花になる日も、遠いことではなさそうだ。

 〈後期高齢〉と称される域に達してから、あらためて「片づいた生き方」を進めるボクは、「炭火焼コンロ」の諦め時がきた…かどうかを、いま考えている。
 万が一ナニかコトあったときの備えに、キャンピング用品はまだ処分できない、かわりに減らすモノ、候補のひとつ。
 しかも、少なくともその上位にリストアップされたことは、まちがいない。