どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

※「車いすラグビー」の日本代表チーム①/「イケ・イケ・コンビ」に注目せよ!

-No.2329-
★2020年02月06日(木曜日)
★11.3.11フクシマから → 3255日
★ オリンピックTOKYOまで →  169日
★旧暦1月13日、十三夜の月
(月齢12.2、月出13:53、月没03:47)
★〝桜〟開花まで積算600度追跡=5日まで67℃









◆もうひとつの「ラグビー」国際大会

 ラグビーワールドカップ2019日本大会は大成功、もともとオモシロかったスポーツに人気が盛り上がって〈桜満開〉になったのは、ほんとにヨカッタ!
 これも、開催国・日本がプール戦A組を1位通過したからでした、が。

 そんな、おなじ頃に、もうひとつのラグビー国際大会が東京で行われていました。
車いすラグビー・ワールドチャレンジ(WWRC)2019」
 世界ランキング上位6チームを含む8チームが参加して、5日間、会場は代々木の東京体育館

 ぼくは、かみさんと2人、最終日の3位決定戦(日本-イングランド)を観に行きました。
 前日に、ネットで有料席(この大会は基本・無料)のチケット購入を試みたのですが、惜しくもタッチの差で届かず。
 (こんどの〝オリ・パラ〟オリンピック・モードに入ってからのチケット運には恵まれなかったボク、わずかにパラ・チケ、新国立競技場での陸上の1日2枚に当ったほかは、すべてハズレ。車いすラグビーもダメだったものですから…)

 ひょっとすると、これは無料席も満席か…立ち見になってしまうかも。
 軽い危機感を抱いて駆けつけたわけですが。
 大会1年前を切って、かなりの盛り上がりを見せてきたパラの人気競技にも、さすがに、そこまでのことはなく、ぶじ、2階席のいい位置に陣どることができました。

◆選手たちの動き身近に!

 車いすラグビーの室内コートは、広さバスケットボールと同じ。
 大野外競技場での15人制ラグビーは、まっこと〝豪気〔ごうぎ〕〟の一語につきますけれども、車いすラグビーの方には、これとはまた別の〝親近感〟があります。
 コートに入れる選手は1チーム4人ですから、プレーもわかりやすい。

 試合開始前の練習風景を観ながら、会場で配られた資料でルールをチェック。
 いちばん特異な点は、使用球がラグビー・ボール(楕円球)でなく、「ゴール・ポスト」がない。
 ボールをもって、車いすを走らせ、「トライ・ライン」(イン・ゴール)に。
 ボールを「蹴る」ことがないから、「ゴールキック」もありません。
「ゴール・ポスト」にかわる「トライ・ポスト」の間を走りこめばトライ。
 ボールを前方にパスすることもオーケ-。
 ちなみに、女子選手の参加もオーケー(男・女別種目ではありません)。
 
 …となると、ちょっと「ラグビーじゃない」気もするわけですが。
 ボールを奪い合う迫力が半端じゃなくスゴいことは、試合がはじまってすぐ知れます。
 車いすごと烈しくぶつかっていく「タックル(ボディコンタクト)」によって、試合中、何度も選手がひっくり返って起き上がれない(転倒させた相手の反則)のを、試合を中断して、サポーターが助け起こします。
 ガンガン、ガシガシ、車いすが衝突し合う度に、観覧席からは拍手・声援と女声ファンの悲鳴。
 「ハ」の字型のホイール(タイヤ)に取り付けられたガードが外れ落ちたり、壊れたり…も、たびたび。
 車いす操作に酷使される革製のグローブは、1試合終わればボロボロ…というほどの競技です。
 
 スピード感を演出するルールは。
 ボールをもったチームは、12秒以内に相手陣に入らなければならず(一度センター・ラインを越えてから自陣にボールを戻すのは反則)、40秒以内にトライしなければならず。
 またボールをもった選手は、10秒以内にドリブルかパスをしなければなりません。

 ルールもバスケットボールに似ているせいでしょうか、実力伯仲の試合では点差が開かず拮抗していくところにも妙味あり。
 試合時間は、「インターバル(とハーフタイム)」を挟んで8分間の「ピリオド」を4回で計32分。
 この試合は、結局、日本が54-49でイギリスに勝って3位。
 (同じ日の、このあと行われた決勝戦では、アメリカが59-51でオーストラリアを破って優勝しました)

◆にわかファンから〝通〟になる

 15人制のラグビーワールドカップでも、自国開催の自称「にわかファン」で盛り上がった日本。
 車いすラグビーだって、もう一丁「深入り識」がつけば興味も倍増します。
 とりあえず、はじめは、選手たちが使う車いすの背に付けられた「クラス分けゼッケン」に注目。

 それぞれに示された〈数字〉からチーム・プレーを読む。
 この「ポイント」と呼ばれる数字(さまざまなテスト結果をもとに与えられた〝持ち点〟)で、選手個々の立場がわかります。
 持ち点は、0.5きざみで、障がいの重い方から軽い方へ「0.5」から「3.5」まで。
 1チーム4人の合計ポイントは、いつも8点以内でなければいけません。

 ちなみに「ポイント」の代表例を示せば。
0.5~1.5「ローポインターのうち
※0.5点の選手は、腹筋・背筋の体幹機能がなく、手首の力が弱いためにキャッチやパスがむずかしいので、相手をブロックするためのバンパー付き「守備型」車いすを使います。
2.0~2.5「ミドル・ポインターのうち
※2.0点の選手は、腕で車いすを進めたり、ターンなどの操作もでき、ある程度のスピードも出せるので、役割は攻守にわたります。
3.0~3.5「ハイポインターのうち
※3.5点の選手は、片手でドリブルができ、体幹機能もしっかりしているので、パスの精度も高い人。小回りが利いて俊敏に走り回れる「攻撃型」車いすを使います。
 
 ゲームは、「ハイポインター」の選手をフリーな立場に立たせることで、いかにスピーディーに「トライ」を奪うことができるか、にかかってくるわけですが。
 それだけじゃありません。
 逆に、「ハイポインター」の選手が、相手のガード(ディフェンス)を引き付けておいて、「ローポインター」の選手にパス、「トライ」を奪う作戦も有効。
「ミドル・ポインター」の選手は、上記の両役を変幻自在に切り替えて活躍する、というわけです。

 前回「リオ・パラ」で銅メダルに輝いた日本には、いま、若手も加えて注目すべき多彩なプレーヤーがいます、けれども。
 まず、お近づきの挨拶がわりに、覚えておきたい、
キー・ワード「イケ・イケ・コンビ」

 これは、チーム・キャプテンの透暢選手(No.21、クラス3.0)と、エースのポイント・ゲッター崎大輔選手(No.7、クラス3.0)の頭文字から、ぼくが勝手につくったものですが、わるくない…と思います。

 ちなみに、たとえば池崎さんの身体能力を解剖すると、時速80kmのスピードで走りますが、ナントその握力は「0」。
 こんな選手たちが見せる極上のパフォーマンスは…やっぱり魅力デス!