※ちょっとヒトコト…フタコト…ミコト ~No.110~ 「食品トレー」を生き返らせましょう!
-No.2485-
★2020年07月11日(土曜日)
★11.3.11フクシマから → 3411日
★延期…オリンピック東京まで → 378日
★旧暦5月21日
(月齢19.9、月出22:57、月没10:07)
◆「トレー」入りの規格食材たち
いまは「新コロ」禍中だし、また「レジ袋」の有料化があったばかりで、それどころじゃない心境…かも知れません、けれども。
やっぱり、「プラごみ」問題の深刻さを思えば「食品トレー」のことも放ってはおけません。
……………
わが家では、かみさんが〝不用になった品(ゴミとはかぎらん…)〟の分別、資源リサイクルなどに鋭意、勤〔いそ〕しんでおり、瓶でも紙パックでも食品トレーでも…基本は、まずラベルやシールを剥がして、きれいに洗い。
それを乾かしてから、「〇〇ポスト」など回収機関の手に委〔ゆだ〕ねることにしております。
したがって、そのための水の使用量…測ったことはありませんが、けっこう割増しになっているものと思われ。
正直(ほんとは水もたいせつにしないとなぁ…)とは思うのですが、いまのところ「雨水をどうしたら上手く利用できるか」くらいしか、いい考えが浮かばないままになっておりまして…。
ただ、このたびの話しは「水問題」ではありません。
テーマは「食品トレー」です。
スーパー・マーケットが小売りの独擅場(ひとり舞台)になってから、食品は、そのほとんどが「発泡スチロール」などスチロール樹脂(ポリスチレン)製の「トレー」入り。
なるほど便利にはなりました、けれども。
じつは、これが
食材の生産に、「規格化」という新たな問題をもたらしました。
「トレー」は食材それぞれの大きさに合わせる…と思われがちですが、とんでもない、じつは、そうではありません。
いや…いちおう、それが基本というか建前にはなっていて、個々の食材に合わせたトレーが用意されているのです、けれども。
それだって、とても「ひとつ、ひとつ」というわけにはいきません(選別の手間もあります)から、ある程度「汎用」の幾種類かに絞らざるをえません。
すると
そのために、いつのまにか主客転倒して「トレー」のサイズに合う大きさの食材が求められることになり。魚でも野菜でも、サイズ規格が厳しくなって、ついには「トレー」に入らないサイズのものは、「ひと山いくら」の特売品(低価格)にされるか、もしくは規格外(売れない)品としてハネられ(除外あるいは廃棄され)る運命になるのです。(そりゃない…でしょう!)
性(生まれつき)喰い意地の張っているボクは、ずいぶん、さまざま食材の生産地を訪ねて、その実際を見てきましたけれど…。
じつに多くの場面で、この〝規格〟問題にブチあたってきました。
そうして
ボクはまた、戦後すぐ生まれの「飢えと近所づきあい」のヒトでしたから、「あれぇ…もったいない」と、つい、ハネられ捨てられる野菜に思わず声がでてしまい。
すると、農民(彼らは、より意識&意欲的な人ほど、わざわざ〝百姓〟と名乗る傾向があります)たちからは、「規格外なんだよね、あんたら消費者が買ってくれないからさぁ」と、あっさり切り返されてしまうのでした。
こうして、伸びすぎたアスパラや、凸凹して皮の剥きにくい大きなジャガイモ、曲ったキュウリなどはみな、ハネられていきました。
もちろん「トレーに納まらない」系の理由によって、です。
(これは、もちろん魚も同じで、トレーから食み出すようなものは「尾頭付き」失格、即、切り身に加工されて「トレー」に納まることになってます)
そんなハネられた野菜を畑から貰って帰って、食べてみれば言うまでもなく、味に遜色はない。ばかりか、むしろ、より新鮮な分、より美味い道理で。
しかし……
他日、みずからスーパーの店頭で買い物のとき、気がついたら、ばら売りのキュウリの山から、ぼくの手はあろうことか、アタリマエみたいに(できるだけ曲ってないの…)を選んでいたのでありました。……嗚呼!……
恥ずかしかったけれども、その事実を認めないわけにはいきません。
みずから家庭菜園で育てた野菜なら、どんなに不出来だろうと気にもならなかった吾が身が、なんとも恨めしかったものです。……ハイ、たしかに……
そこで、話しは
プラスチック・トレー廃棄を、如何にして少なくするか。
つまり、ゴミにしない手を探る、ことになるわけですが。
たまたま、そんなときに…
◆カナダの企業が日本市場に参入
…という新聞記事に目がとまりました。
その記事によれば、「廃プラスチック再生」の研究開発が活発なカナダのベンチャー企業が、いよいよ日本向け事業に乗り出す、とのこと。
(カナダには、政府の積極支援などを受けて、リサイクル関連の有望ベンチャーが多いそうです)
もちろん、言うまでもなく。いちおう、これまで〝技術立国〟できた日本にも、同様の企業は存在します…が。
ただ、その現場を具〔つぶさ〕に見学したことがないボクには、いまのところ比較のしようもなく。
記事に添付された写真を見るかぎりでは、コンパクトに機能的に設計されているらしい、この廃プラスチック再生装置。
要するに、食品トレーなどポリスチレン樹脂でつくられた製品を、約95%の高率で再生利用を実現する。そんな画期的な技術がウリ、ということ。
「資源循環の仕組みを大きく変える可能性がある」というのですから、注目株・有望株にはちがいありません。
強力な電磁波で廃プラを加熱処理、原料のスチレンモノマーを抽出。
この原理は、電子レンジなどに応用されているもの、とのこと。
すでに、日本企業から提携の打診もあるそうです。
プラ資源再生の分野では、つまるところ〈エネルギー収支〉にポイントがあるように思えるのですが、さて、どうでしょう。
いずれにしても
なにによらず、技術には〈利点〉があればかならず〈欠点〉もある、ものですから。
国内在来企業との市場競争、熾烈な展開になることが望ましいと思います。