どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

※〝退廃〟する緑の〝とりで〟 /        「ブルー・カーボン」と「グリーン・カーボン」

-No.2464-
★2020年06月20日(土曜日)
★11.3.11フクシマから → 3390日
★延期…オリンピック東京まで → 399日
★旧暦4月29日
(月齢28.4、月出03:26、月没18:02)





◆16歳の乙女に叱られっぱなしのオトナたちの立場は…

 はっきりいって
 たかが小娘でもない、けれども、もうすっかり娘盛り…ともいいかねる。
 そんな北欧スウェーデンの高校生、グレタ・トゥーンベリの叱声に、世界じゅうのオトナどもが立場(面目も立つ瀬も)をうしなった昨年末でした。

 「じゃ、どうしろってんだ」などと、ヤツアタリはしないでほしい。
 たしかに「だって、どうしようもないじゃないか」そのとおりダ、けれども。
 せめて、少なくとも、思考停止の年寄りにはなりたくない。
 (なんの自分はしっかりと将来に目を向けている)毅然とした姿勢で、この世にオサラバするまで、いたいものじゃありませんか…友(オトナたち)よ!

 次世代にのこせるナニかしら、をもたなければ、オトナ(なかでも〝大〟オトナ=老人)の居場所はありません。
 もちろん、「隠居だぁ」なんぞと気どっていられる場合でもありませんぜ。

 60年ぶりに干支が還った(庚子=かのえ・ね)〝還暦〟の今年は、まちがいなし、勝負の年デス。
 (「新コロ」に痛い先手を打たれちまいました、けれども…どっこい生きてる!)

  ……………

 地球温暖化の因、温室効果ガスの主役とされる二酸化炭素(気体では炭酸ガス、少なくとも環境汚染物質)の、〈排出量〉および〈残存量〉をいかに減らすか…が、ヒトを含む生物・生態系の存廃に大きく関わることは、もう、いまさら言うまでもありません。

 そんな二酸化炭素の、回収や資源化の研究も、いま進んではいます…けれども。
 そんなことよりも、まず「出さない&増やさない」くふうが、とうぜん求められるわけだし。
 また、生きるうえの人間活動による排出量が多すぎる以上、〈その削減と吸収源を増やすこと〉が最重要なことも、言うまでもありません。

◆「ブルー・カーボン」(国連環境計画による命名は09年)をご存じ?

「ブルー・カーボン(〝海洋生態系〟にとりこまれ蓄積される炭素)」は、「グリーン・カーボン(陸上の森林などにとりこまれ蓄積される炭素)」に対する名称です。
 海洋生態系のうち、海藻〔かいそう〕や海草〔うみくさ〕が群生する藻場や、マングロ-ブ林などを主に指します。

 沿岸域は海表面の1%未満ですが、地球上の炭素の約55%を蓄積&吸収します。
 これは、つまり…

 現状の炭素吸収率では、陸上の森林の方がおおよそ10倍ほど海洋ブルーカーボン生態系より高いのですが、森林は人間活動によって減少の一途。
 それを考えれば、面積からいって圧倒的に広い海洋(地球表面積の70%)の方が、将来的には断然有利。海の方が陸よりも1.5倍ほど多い炭素を吸収できることになります。

 ざっくり大まかに、2030年に見込める吸収量を試算したところ…
 (これは、浚渫土砂などを活用してブルーカーボン生態系を造成した場合ですが)

  …………

 ちなみに、ブルーカーボン効果で予測される期待値は、 
 標準値で204万トン(CO2/年)~最大値910万トン(CO2/年)。

 しかし、そのいっぽうで
 海洋酸性化を原因とする海洋生態系への負荷影響も懸念される…そうですが。
 
 ともあれ
 計3,500万mにもおよぶ日本の海岸線は、世界6位アメリカより上位)の長さ。
 沿岸には藻場も広範囲にわたって多く、つまり、ブルーカーボンの期待値も高い国なんです。

◆温暖化抑制の鍵をにぎるのはオキアミの糞!?

 こんな、面白い話があります。
 第61次(19~20年)南極観測隊員の真壁竜之介助教(41、生物海洋学)によれば…ざっと以下のような流れになるそうですよ。

 ①海中の植物プランクトンが、光合成二酸化炭素温室効果ガス)を吸収
 ②これをオキアミなどの動物プランクトンが、食べて糞をする
 ③この糞は、炭素を抱き込んだ状態で深海に沈み、容易に大気中に戻ることはない
※ちなみに、これを「生物ポンプ」と呼ぶ 
 ④結果、大気中のCO₂はその分、さらに海水に溶けやすくなって、CO₂濃度を下げることになる
  ※ちなみに南極の海ではオキアミのいないエリアの方が多くて、その原因を調べることも真壁さんの目的のひとつ、だそうです。 

  …………

 いずれにしても
 地球生態系の頂点に君臨する…などと、いくらエラそうにしたって。
 そんな人類にしてからが、じつは、地球の真実をコレッポッチも知っちゃあいません。「考える葦」も、考えの向け処がわかっちゃいない…らしい。

 せめて、もちっとは中身を知ってから「あばよ」したいものだと。 
 ボクは思っているところデス……