どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

『福島 生きものの記録』全5作一挙上映会があった

-No.1640
★2018年03月19日(月曜日)
★11.3.11フクシマから → 2566日
★ オリンピックTOKYOまで →  858日




◆3月9日(金)・10日(土)、YMCAアジア青少年センターにて

 千代田区猿楽町は、神田川の南、最寄り駅は水道橋だが。
 ながいこと神田神保町に事務所をかまえていたぼくには、地下鉄駅から歩く道の方が馴染みだ。

 いうまでもなく、私学のキャンパスが多く、書店・古書店街があり、岩波ホールもある、このあたり。
 伝統的に文化の香り濃いところ、かずある施設で開催される各種イベントや集会が盛んであった。

 ……………

 イチエフ(福島第一原発)爆発事故の翌2012年から、〝被爆の生きものたち〟を追ってきた大ベテランの映画監督、岩崎雅典さん<原発事故から7年>の集い。
 (岩崎監督は、長野県志賀高原地獄谷野猿公苑にやってくる四肢に障害をもったメスザル<モズ>の生涯を追った記録映画など数々の作品で知られる)
 これまで年1作のペースで発表しつづけてきた『福島 生きものの記録』シリーズ、全5作一挙上映会&シンポジウムの、正直、ハードなスケジュール。

  〇2013年 シリーズ①『被爆
  〇2014年 シリーズ②『異変』
  〇2015年 シリーズ③『拡散』
  〇2016年 シリーズ④『生命』
  〇2017年 シリーズ⑤『追跡』
  *シリーズ⑤『追跡』には、2015年春にボクもサンプリングに同行取材させてもらった写真家、加賀谷雅道さんの(放射線を可視化する)放射線像も登場する。写真集『放射線像』(晧星社刊、1800円)は東京大学名誉教授森敏さんとの共著。

 2日間にわたって午前10時から夜8時半ころまで、時間をずらして5作品を2度ずつ上映、その間にシンポジウムとトークをはさみ、いうまでもなくチケットは2日間共通券というスタイル。
 どこか、全共闘時代の匂いがする。

 ぼくらもあれからずっと通いつづける被災地東北、フクシマの別な視点からの報告は見のがせなかった。
 ぼくは2日間とも、かみさんは1日だけ鑑賞に時間をさいた。

 内容についての詳述は、とてもできない。
 ただ言えるのは、人の居なくなった町に、野山に、森林に、河川に、ほかの生きものたちは果敢に、自然〔じねん〕の営みのままに生き、そして逃れようもなく被爆し、その被害を表に現わしたり深く体内に秘めたりしている、ということ。

 スタンダードサイズの映像が、懐かしかった。
 これは、ドキュメンタリー映画だが、あえて<記録映画>と言いたい。

 さっき、スケージュールはハードといったけれど。
 にもかかわらず、訪れた人の多くはボクたちと同年配か、先輩の方々が多くて怖れいる。
 出自、所属はさまざまであろうけれども、いずれにしても福島の人たちも含めて皆、この映画のなんらかの関係者といってよく、静かながらその熱気ひしひしと伝わってくるのダ…これも懐かしいふんいきだった。

 YMCAのホール、座席の椅子には引き出し式のテーブルが付属している。
 ぼくが暗いなか苦労してメモをとっていたら、少し離れた席にはペンライト片手のご同類もあったりして…ふぅむ…ふつうの映画会とはやっぱりチガウ。

 上映の合間。
 「科学者の挑戦」と題するシンポジウムには、映画の撮影にも協力された5人の方が参加。
  〇鈴木譲(東大名誉教授)氏:座長
   *鯉など淡水魚のほか海洋魚類も調査
  〇山田文雄(森林総研主席研究員)
   *原発事故以来被曝したアカネズミ、モグラ類の継続調査
  〇山本裕(日本野鳥の会保護室長)
   *ツバメ、サギ類など多岐にわたる野鳥の継続調査
  〇堀口敏宏(国立環境研室長)
   *イボニシ(巻貝)や潮間帯の生物調査
  〇羽山伸一(日本獣医生命科学大学教授)
   *原発事故前後のニホンザル健康被害比較調査

 基調報告と質疑応答の約1時間半。
 そのなかで、ぼくの記憶につよくのこったのは。
 ①粘土層の多い日本の土壌の特殊性かと思われるが、地面に落ちた放射性物質の濃度が下がりにくく、それが汚染を深刻なものにしている。福島でおきたのは地球上で初めて経験したことであって、チェルノブイリなどこれまでにあったことが、そのまま参考にはならない。
 ②科学者の調査にも、なかなか立ち入ることができない制約が多く、苦戦・奮闘しているのが現状。
 
 会場からは、科学者諸氏の調査と発信力に期待する声があり、いっぽう科学者の側からは、広く一般の人たちから声をあげてもらいたい要請があった。
 望ましいのは、これらがひとつになること、だが、現実にはそれがナゼかむずかしい……

 『福島 生きものの記録』を観られるチャンスは正直、少ないが、シリーズDVDも発売されている。
 問い合せ=群像舎gunzosha-july.tumblr.com