どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》被災地東北、18次<巡訪>/ ㉙8日目(1)大槌町…木工ワークショップの1日  今回のテーマ[つぎのステップにむけて]

-No.1513-
★2017年11月12日日曜日
★11.3.11フクシマから → 2439日
★ オリンピックTOKYOまで →  985日












◆9月3日(日)9時、和野っこハウスにて

 7回目を迎える今年も、「木つつき集会」には10人が参加。
 ボクらお助けスタッフ4人を加えて、総勢14人でスタート。
 このたび作ってもらうのは「フォト・パズル」。木製の20駒(タテ4×ヨコ5列)に写真を焼き付けたフィルムを貼って作る、遊ぶ。

 《11.3.11》後、さまざまな支援者が趣味や実益のサポートに立ちあがったわけだが、もっとも多いのが女性・主婦向けの裁縫・編物系だった。
 これは仮設住宅団地の集会所の多くが畳敷きの座卓式に出来ていたから、自然そういうことになったわけだし、とうぜん女性の参加者がほとんど。

 彼女たちがお茶っこ愉しみながら輪になっているとき、お父さんたちは囲碁・将棋か散歩かカラオケで時間をつぶすしかなかった。
 (いまの世のなか、女性の社会進出の話題でもちきりだけれど……ふとボクは思う……じつは、いったん自分の職場・持場を離れてしまうと、てんで社会的でないのが男性一般なのである、したがって地域社会では孤立しやすく、それがやがて孤独死にまで至ってしまう流れなのだった)

 そこでボクは、もてる手技<木工>の集いをもくろんだわけだが、床に椅子・テーブルの集会所はかぎられていたし、すべてをこちらで準備しなければならない道具立てから、材料揃えにいたるまでが半端じゃなしにたいへんで、しかもカサばった。

 ふだん東京のカルチャーセンターで開講している「木工教室」の場合、講師一人では生徒さんは7~8人までが限度である。それぞれが好きなモノを作るわけだし、道具が切る・叩く・削るの世界だから、指導も楽じゃない。

 被災地での木工ワークショップ「木つつき集会」も、もちろん初心者ばかりだったから、最初はそれこそ目のまわる忙しさ。
 回数をかさねるうちに、大槌町の佐々木さん、山田町(釜石在住)の佐藤さん、お二人の助っ人協力をいただいて、なんとか無難にこなせるようになってきた。
 かみさんも、いまは写真係から助っ人に変身してくれていて、これもおおいに助かる。

 想えば、そんな6年半だった……












◆作品は小さくても細密、精工な手仕事

 このたびの作品「フォト・パズル」は、仕上り15×18cmくらいの、これまでで最も小さい。
 道具立ても、材料の量〔かさ〕も、呆気ないほどコンパクトで、これまで車のラゲッジスペース満杯にして走ってきたのがウソみたいにお手軽。
 けれどもなかなか、そう易々とコトがはこぶものでもない…ことはわかっている。

 だから、助っ人のお二人とも事前に相談して、見込まれる失敗に対処する用意もしておいた。
 まず、パズルのケースを作る。これがウマくできないと先々コマることになる。
 2~3予備材料の差し替えで、最初のハードルは無事クリア。
 今回はなんと、予定の時間まで見積もってある。

 いよいよ20駒のパズル切り出しにかかって、予想したとおり、皆さんご苦労さまがはじまる。
 3センチ角の正方形が20駒、揃わないことには美しくない。
 あぶなっかしい人には手助け、イケそうな人にはすべてまかせて、とにかく数だけ切れたら、サンドペーパーで滑りよく磨きをかけ、ケースに納めてみてもらう。
 じゃ~ん!

 思ったとおり、思ったより以上に、並べて見ると不揃いが目だつ。
 これも各人、半分くらいは差し替えが必要かも…との予測のもと、予備の駒を用意しておいたのが、ホントにあやういところで、ぎりぎりセーフ。
 参加者も助っ人サイドも、全員がもっとも盛り上がった瞬間……
 











◆フィルム貼りは皆さんお上手に仕上げて…お茶っこ

 さぁ。いよいよ仕上げのフィルム写真貼り。
 これは市販のフィルムラベルシール(粘着)に、ぼくの<フォト文庫>所蔵写真のなかから絵柄をピックアップしてプリント。
 パズルとして、やさしいのは絵柄のはっきり分かりやすいもの、むずかしいのは満開の桜花とか新緑とかの込みあったもの。
 (上の写真、左のパプリカと、右の茶の木の新葉)
 人数分より多めに用意したなかから、それぞれの好みで選んでもらった。

 裏紙を剥がし、並べ揃えたパズル面に貼りつけるのが最後のハードル――貼り直しがきかない一発勝負だから――と思っていたのだ、けれど。
 これは案ずるより産むが易しで、皆さんおみごと、きれいにクリア。
 あとは1駒1駒を丁寧に切り離して完成。
 恒例の作品披露、全員揃っての記念撮影をもって、ことしも終了。

 予定時間も、ほぼピッタリ。
 あとに30分の<お茶っこタイム>がとれた。

 これも、これまでのワークショップでは、なかなか実現できなかったこと。
 かぎられた(3時間、9~12時)時間内にまず作品を仕上げることが優先、作業の遅速には個人差もあって、あとは時間にゆとりのもてる方と個別に雑談するしかなかったのである。
 
 それをなんとかしたくて、今回こころみたタイム設定策、上々の成功もウレシかった。













 ……………

 なお、これは後日談だけれど。
 「フォト・パズル」ご自身の作品管理にあたっては、「駒がバラバラにならないように、とくに並べなおしが難しい絵柄の場合は、コピーをとっておくなどしてほしい」旨お願いしておいた。

 それが現実に、持ち帰って見たらすでに「バラバラに零れしまっていた」人があり。
 その方、懸命にあれこれ試行錯誤を繰り返した末に「なんとか元どおりにできました」と、証拠写真を送ってくださり。
 ……で、しかし……なるほど納まっているかには見えるけれども、撮影者であるボクにはどうもナットクしかねるところがあり。

 制作中の記録写真を探した結果、正しい絵柄が判明。
 下の写真、左が制作時の絵柄、右がバラけて後に並べなおした絵柄。
 おワカリいただけるでしょうか……
 これが、パズルのおもしろさ、おかしさ!