どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》被災地東北、18次<巡訪>/ ➂2日目(1)福島県土湯温泉…復興アイディア  今回のテーマ「つぎのステップにむけて」

-No.1471-
★2017年10月01日日曜日
★11.3.11フクシマから → 2397日
★ オリンピックTOKYOまで → 1027日








◆8月28日(火)、土湯温泉

 福島の山のいで湯、土湯温泉
 そこは吾妻山系に囲まれた標高450mの高原。山の湯がどこでもそうであるように、旅館は斜面にはりつくように建って、狭く、階段だらけ。

 もとより便利が<きまり>の現代をどう生きのこるか…が課題の温泉地だったわけだが、くわえて福島第一原発の爆発事故後は、その風評被害に追いうちをかけられ客足の低迷に悩んできた。
 開湯千年、「土湯こけし」で古くから知られた温泉地。
 そんな町に「活性化の新たなムーブメントを」と、地元資本で立ち上げたのが「元気アップつちゆ」という会社。

 地場資源というべき小水力発電と温泉利用のバイナリー発電事業からスタートしたが、いかんせん一般の観光客には訴求力が弱い。
 そこで、平成28年度から手がけたのが、温泉熱利用のエビ養殖、名付けて「湯快な土湯温泉エビ養殖事業」。
 バイナリー発電後の温泉熱水を二次利用したテナガエビ養殖だった。

 この〝新名物〟づくり「温泉エビ」作戦。
 釣り堀をつくり、ゆくゆくは土湯温泉の宿泊・飲食施設のどこでも味わえるようにする、のが目標。
 期待の星であり、実際に注目を浴び始めてもいる、という。

 そんな新聞記事に、ぼくも着目していた。
 温泉街入口のオフィスを訪ね、グループマネージャーの鈴木さんに逢えた、が。
 アポなしの、ぶらり訪問。

 エビの養殖池は、温泉街から谷川沿いに2キロほど遡った山中。
 あいにくスタッフも出はらっているいま、鈴木さんに案内をお願いするわけにもいかず。
 このたびは見学を断念、後日を期すことにして、お話しをうかがう。

 養殖するエビは、東南アジア原産の淡水エビで、成長すると体長28cmほどになるというオニテナガエビ
「なにごともない、ぬるま湯みたいな毎日がつづいていたら、とても考えられなかった…思えばあの原発事故があって考えがかわった、行動もかわった、なにが幸いするかわからないもんですね」
 鈴木さんのコトバに気もちが晴れる。

 「元気アップつちゆ」の構想は、もっとデカく、将来はこの土湯温泉一帯を環境問題の「学びの広場」にすることにあり。
 すでにバイナリー発電見学のための展望デッキもできており。
 「エコ・ツーリズムといえば土湯」を目指す、その志やよし、エールをおくる。

 土湯温泉バス停のすぐ前、「元気アップつちゆ」のコンニャク工房「金蒟館〔きんこんかん〕」にも、行楽客たちの田楽やアイスクリームを味わう姿があった。
 食べてみると、これが旨い。きっと原料からの扱いが丁寧なのだろう、なめらかな食感がヘルシーでもある。

「いたずらっぽくて美味ひい」
 戸外のパラソル付きテーブルで温泉女子がすすめるので、こころみに「こんにゃくアイス<バニラクリームチーズ味>」というのを食べたら、これがなるほどプルプル感ゼツミョーで秀逸。
 教えられたとおり少し溶けかかったところをいただくと、その佳さ際だって、思わず「ひょうほほぉー」と笑みくずれてしまったことだった。




◆車に憑いたのはタヌキかキツネか

 土湯温泉からは、ひさしぶりに(東日本大震災後はじめて…)磐梯吾妻スカイラインを走った。
 いうまでもなく〝爽快!〟気分を思いっきり味わうつもり……が。
 
 この日、山にはナニかの調査にくりだした人出が少なからず、折りから高曇りの空も徐々に腫れぼったいものになって、どうも、いっこうに冴えない。
 おまけに、「なんだょ、おぃ」、カーナビの様子がおかしい。

 山嶺の尾根すじたどるスカイラインは一本道、ナビをつかうまでもなかったのだが…走行コースと距離のデータをとる必要もあって、いつもどおりに入力しておいたのが、とち狂ったか。
 現在走行地点を示す矢印が、混乱した被災地の道でもないのに所在なげに宙を飛んだり、強情に後戻りしたがったり……

 途中、浄土平のレストランで昼食休憩後も、この異変状況に変わりなく。
「なぁ…ひょっとして、後ろの席にタヌキでも乗っかってやしないか」
「乗ってるかもょ…タヌキより、この性質のわるさはキツネじゃなぁい」
 ついに物の怪にとり憑かれでもしたような頼りない気分に襲われる始末。

 けっきょく、市街地の国道に出るまでの間、少なくとも2~3回は同じところを堂々めぐりしたらしい。
 見覚えのある道を一度ならず、走り来てはまた戻りして、馴れない方向感覚に振りまわされつづけたのであった。
 やれやれ……