どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》被災地東北、18次<巡訪>/ ➁1日目(2)福島県三春町から安達太良山麓…星空  今回のテーマ「つぎのステップにむけて」

-No.1470
★2017年09月30日(土曜日)
★11.3.11フクシマから → 2396日
★ オリンピックTOKYOまで → 1028日









◆タフな高齢キャンパー

 
 沿岸部の富岡町から山間地域へ。
 村長がいちはやく〝早期帰還〟の方針をうちだした川内村、村内はすでに閑かな落ち着きを見せていた。

 しかし、「周辺相双地域、避難民の受け皿に」という村長のもくろみは、どんなもんだろう。
 ぼくは、めだった動きの報せにはまだ出逢っていない。

 山内村からは、田村市を経て三春町に向かう。
 2012年春、はじめて〝全村避難〟の葛尾村を訪れたとき、元の役場敷地内にできていた自主パトロール隊のプレハブ小屋で、三春町の仮設に避難している村民たちに逢い、その人たちが口をそろえて「三春いいとこ」と笑顔で言っていたのが、いまも印象につよい。

 ぼくの知る三春町は、旧藩時代の小さな城下町。
 丘陵と谷筋とが織りなす一帯、里山風景のなかに歴史なつかしい街路がのこる、民芸玩具「三春駒」の産地。

 磐越東線三春駅に下りて訪ねた「デコ(木彫りの玩具)屋敷」、そこに漂っていた、いい具合に錆びた空気は忘れがたい。
 ぼくたちの青春時代1970年代に民芸玩具ブームがあって、八戸(青森県)の「八幡馬」と並び称される「三春駒」は高い人気を誇ったものだった。

 現在は春爛漫の「滝桜」で名高く、三春の「町の木」も枝垂れ桜だ。
 花見シーズンをはずれた枝垂れ桜に天然記念物の面影はなかったが、(この満開の桜の下で暮夜ひとり酒杯をかたむけたらさぞや旨かろう)……あとは想像の趣くにまかせた。
 
 滝桜の近くには、複雑な湖岸線に緑滴る「さくら湖」。
 その畔には、つい先頃まで葛尾村役場の仮庁舎が置かれていた。
 山には山の慕情あり……

 きょうの泊まりは、ひさしぶりのオートキャンプ場。
 テントを張る手間に時間のゆとりがほしかったのだが、安達太良山麓の「フォレストパークあだたら」に着いたのは3時半すぎ。

 案の定、ボクたちのテント設営の勘はすっかり狂って頼りなくなっており、ついには見かねた隣りのサイトから若い人が手伝いに来てくれる始末。
 前は、手早く張りおえたテント前でビールなど飲みつつ、キャンプに馴れないお父さんたちの奮闘ぶりを微笑ましく眺めていたものだったが…どうも、もはや、そうは問屋が卸さなくなってきているらしい。ちと、口惜しい。

 それにしても、これは自己評価にすぎないかも知れないが、ボクたちの体力はけっこうタフと言えるのではないか。
 ふつうキャンプといえばリゾート気分のもので、ゆっくり滞在が基本いうまでもない、けれども。
 この<巡礼><巡訪>中のキャンプ生活は、はっきりいってワンダラーの世界。

 午後キャンプ地に着いたらテント設営、炊事・夕食、短い談笑、そして就寝。
 翌朝はモーニング・コーヒーの香りのなかに今日1日を予感、朝食後にはテントを撤収して、また旅の空に漂う。

 ……………

 ともあれ。
 その夜は、ようこそ満天の星空。
 ほろ酔って夜半、テントから抜け出て仰ぐ天体ショー、ふたりでひとりじめ。

 翌朝は、はっきり秋の気配の風ひんやり。
 きのう入りそびれた温泉に浸かって、ゆっくりキャン場を後にした。
 (うん…こんなのもやっぱりワルくない)