どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

紙飛行機…本能くすぐる男の子のアソビ

-No.1410-
★2017年08月01日(火曜日)
★11.3.11フクシマから → 2336日
★ オリンピックTOKYOまで → 1088日

*きょうから8月。7月末の31日。パリの大人っぽくもアンニュイなふんいきにあふれたフランスの女優、ジャンヌ・モローさんが亡くなった。かずかずの世界の名監督の作品に出演して知られたが、ぼくが選ぶ1本の映画はルイ・マル監督の『死刑台のエレベーター』。享年89。ご冥福を!*

◆「なんにもならない」魅力

 男は永遠の遊びっ子。
 放っておいたら、死ぬまで厭きない。
 そこで誘惑から逃れるため、仕事に没頭する。

 ……………

 「なんにもならない」魅力。
 それが紙ヒコーキ!

 最初に飛ばしたのは「やり」、名前どおり槍のように真っ直ぐ飛ぶだけなのが不満だった。
 次に飛ばしたのが、槍の頭に耳(小翼)を付けた「いか」で、これは飛びながらちょっと浮いた。
 なにかの本で教わった「つばめ」にはビックリ、クルッと宙返りしてブーメランみたいに戻ってきた。
 滞空を競うようになって「へそ」にいきつく。「へそ」はきっと「重心」を意識した名だったろうと思う。
 飛ばしては追いかけ、ずいぶんあれこれ工夫を試みたものだった……
 
 紙飛行機である。
 「紙ヒコーキ」の方がジッカン。
 上品にいうと「折り紙飛行機」。

 イギリスの子ども遊びの本には、はじめ「ペーパー・ダーツ」と紹介されていたそうだから、やっぱり「やり」から始まっている。
 (この紙ヒコーキ、基本の型の進化過程には、いまも変わりがないらしい)

 材料の紙は、ぼくら戦後すぐ世代、子どもの頃はムダにできないものだった。
 「ざら紙」とも呼ばれた〝藁半紙〟、くすんだ色のついた紙が多くて、「白い紙」は憧れだった。
 だから遊びの紙ヒコーキに贅沢はいえない、広告紙でもなんでも使ったが、正直、使い物にはならなかった。
 いまなら「軽くて、丈夫で、腰のある」紙は選び放題だろうが、ぼくらの頃は市販の「折り紙」が最上品だった。

  以上は、小学校の低学年。
 ぼくら、大都市の市立小学校は2階建て、低学年は1階で高学年になると2階に上がれる。
 低学年生たちは、2階の教室の窓から紙ヒコーキを飛ばせる、高学年生に憧れたものだった。

 ところが世の中ワカラナイもので、やっと2階に上がれる頃には、折り紙ヒコーキから組み立てヒコーキに興味が移っていた。
 ケント紙のような厚紙から型を切り抜き、貼りあわせて胴体や翼を作るのだが、設計がむずかしく、結局は、縁日や玩具屋で買う頭に鉛の錘が付いた〝できあい〟の方がよく飛ぶので、興ざめ。

 工作用の角材と竹ひごで作る機体の、翼に薄紙を貼る模型ヒコーキへと進化していった。
 この模型ヒコーキには、プロペラとゴム動力が付いて、よりホンモノらしく、よく飛んだ。

 ぼくの場合は、小学校卒業が転機になって紙や模型のヒコーキの世界からは遠ざかった。
 けれども、童心をいだきつづける人、あるいはまた、航空力学研究の分野から紙ヒコーキにつよく惹きつけられ人は少なくなくて。
 (わかるのだ、ぼくにもノスタルジックな紙ヒコーキ回帰の気分は濃いものがある)

 折り紙飛行機の「飛行距離」と「飛行(滞空)時間」にはギネスブックに世界記録(いずれも室内)の登録があり、日本紙飛行機協会も「全日本紙飛行機選手権大会」というのも存在する。しかし、この世界、女性にはほとんど人気がないようだ。うん、そうだろうとも!
 
 紙ヒコーキもオタク文化の仲間入りか…と、ぼくなんかもそんなふうに思いかけていたところへ。
 紙ヒコーキ遊びのための「紙ヒコーキ・タワー」を持つ町がある、というイイ話しを聞いて、ウレシくなった。

 そこは広島県東部、岡山県との境にある神石〔じんせき〕高原町。その名のとおり中国山地から南にはりだした標高400~500mの高原地帯にある。
 世帯数が4000ちょっと、人口9400人ちょっと、町の木がヤマボウシという、それだけでもホッコリ、川の源流部に位置する農山村の気色が目に泛ぶ。

 (じっさい、山帽子とも山法師とも書くヤマボウシは、ミズキの仲間で、初夏の緑の山肌を明るく彩る、花のように見える苞が白いベレー帽のような、じつに可愛らしく好ましい落葉の樹だ)

 豊松地区の米見山(よなみやま=標高663m)、山頂公園に立つ塔の高さは26m、5階建て。
 この「とよまつ紙ヒコーキ・タワー」、ぐるり360度を見わたせる展望台から、思い思いに自作の紙ヒコーキを飛ばせる。
 入館料、小学生以上300円には折り紙(エコ用紙)5枚付き。折り方も教えてもらえる。
 大山や比婆山など中国山地の山々を望む高さからは、朝の雲海眺望という愉しみもある、という。

 記録会も開催されているそうだが、そんなことより、あの紙ヒコーキ。
 うまく気流をとらえらえたときの浮揚感を、もういちど童心にかえってあじわってみたい。

 子どもたちに混じって大人たちにも人気がある…というからコッソリ気分は無用のようだし。
 紙ヒコーキにする〝エコ用紙〟は、回収できない遠くまで飛んでもサトウキビが原料だから自然に還せる、という。
 (知ってる!?、サトウキビで漉いた紙ってさ、紙ヒコーキの浮力・揚力のつよい味方でもあるんダぜ)