どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

〝再生可能エネルギー需給〟と〝食料需給〟の〝永続地帯〟

-No.1408-
★2017年07月30日日曜日
★11.3.11フクシマから → 2334日
★ オリンピックTOKYOまで → 1090日




◆えっ! アノ六ケ所村が…

 日本で、まだ少ない〝再生可能エネルギー〟の自給「永続地帯」である、という。
 失礼ながら、青森県下北半島の六ケ所村といえば、気の毒にも、日本原燃の再処理施設を抱えざるをえない、たぶんに眉を顰めさせる存在の村であり。
 この施設は核燃料を再利用するための「再処理工場」とされながら、当初予定の1997年から32年が経過してたいまも、いまだ稼働できないでいる、(ナニがどうなっているのかも不明の)ハッキリいって厄介者だ。

 それは、最終処分場の目途がまったく立たないなかでは、ここ六ケ所村が〝再処理・中間処理場〟ではなく、とどのつまり最終処分場にされるのではないか…という五里霧中の立場にあるからだ。

 周辺では農業が営まれている、牧草地のようなところでは風力発電のプロペラもまわっているのだ、けれども、ふだん人の姿を見かけることは少なく、どうしても住民が原子力に阻害されているように見えてしまう、そんな村だ。
 ぼくは、あの《11.3.11》から被災地東北巡礼の途次、折をみては訪ねてきたし、この夏もまた訪れてみるつもりだが、この村、道すじにも雰囲気そのものにも〝よりどころ〟になるものがなかった。

 そんな村が、ある意味「時代の先頭をいく立場にもある」ことが軽いオドロキだった。16年のデータで「エネルギー永続地帯トップ100」の、惜しくもベスト10入りはのがしたものの14位と健闘(?)している。
 しかも、付け加えれば、この六ケ所村の北隣り、東北電力原発立地の東通村は立派に「7位」に入っているのだ。

 これは、どうしたことだろう?

 まず「エネルギーと食料の自給、永続地帯」とはどういうことか。

 これは千葉大学環境政策研究グループと、NPO環境エネルギー政策研究所とが共同で07年からデータを公表、調査研究と提言を行っているもの。
 再生可能エネルギーの「永続地帯」とは、地域で稼働が確認されている設備を年間稼働させたときの供給量が、その地域の民生・農林水産部門のエネルギー需要量に占める割合を「自給率」と見なす。
 
 したがって他の産業部門の需要や、供給エネルギーの他地域への移送量などはカウントされない。
 食料についても同じで、その地域の総供給(生産)量が総需要量に占める割合で「自給率」を割り出す。
 とうぜんのことながら、これは、大都市よりも自然環境に恵まれた地方自治体のほうが優位を占めることが特徴になる。

 この「自給率の永続地帯」が〝見える化〟することで、自治体のもつ〝住みつづけられる基盤〟力が証明されることになり、同時にそのメッセージ力も期待できる、という位置づけだ。
 この単純化された試算法では、こまかい比較・評価のむずかしいところはあるかと思われる(再生エネを手がけて人口の少ないところほど有利だ)けれども、未来志向の指標としては有効なのではないか。
 
 ともあれ、その結果。
 市町村レベルで〝自給率100%以上〟の「エネルギー永続地地帯」は、12年の50から16年には71に、+21ポイント。うち39市町村が、食料自給率でも100%を超えている。
 ちなみに「エネルギー自給率トップ10」をリストアップしてみると。
  ➀大分県九重町 (1314.67%)  ➅長野県・栄村  ( 522.96%)
  ➁熊本県五木村 (1228.42%)  ➆青森県東通村 ( 474.51%)
  ➂長野県・大鹿村 (1009.04%)  ➇群馬県片品村 ( 458.80%)
  ➃長野県・平谷村 ( 961.64%)  ➈宮崎県・西米良村( 452.78%)
  ➄熊本県水上村 ( 720.62%)  ➉北海道・苫前町 ( 444.35%)
 
 ここで、刮目すべき3点は。
  ●トップ3の市町村の場合、その自給率は需要の10倍を超えていること
  ●トップ10には、九州が4つ、信州・北関東に4つ、のこりは北海道と東北に各1つ
  ●しかし、いずれも一般には「それドコや」、地図を開いても簡単には見つけられそうにないところばかり

 これに、都道府県レベルのランクを重ねて見れば、さらに明瞭となる。
 地域エネルギー需要の10%以上を再生可能エネルギーで供給できている都道府県の数を見ると、全体的には12年の8県から16年には25県と+17ポイント(半数超え)ながら、地域差と落差の大きさにあらためて驚かされる。
  【トップ5】         【ボトム5】
  ➀大分県 (32.2%)   ㊼東京都 (0.6%)
  ➁鹿児島県(24.9%)   ㊻大阪府 (1.7%)
  ➂秋田県 (22.5%)   ㊺京都府 (3.0%)
  ➃宮崎県 (21.8%)   ㊹神奈川県(3.2%)
  ➄富山県 (20.5%)   ㊸埼玉県 (3.9%)
 食料自給率の方もあげておこう。   
  【トップ5】         【ボトム5】
  ➀北海道(214%)     ㊼東京都 ( 1%)
  ➁秋田県(186%)     ㊻大阪府 ( 2%)
  ➂山形県(135%)     ㊺神奈川県( 2%)  
  ➃青森県(115%)     ㊹埼玉県 (10%)
  ➄岩手県(102%)     ㊸愛知県 (12%)
  *以下は100%を割る

 以上、通覧して明らかなのは、この国は〝経済は都市独占型〟、いっぽう国の食料自給率40%を切るように〝食料・エネルギーは地方依存型あるいは搾取型〟、頭でっかちの危なっかしい砂上の楼閣スタイルということ。

 国レベルで見たとき、再生可能エネルギーの全国自給率は、11年の3.81%から15年には7.98%まで増えてはいる。
 …ものの、国際的な水準からはかなり遅れをとっている。
 たとえばヨーロッパでは、脱原発のドイツが「100%自然エネルギー地域」91都市を数える。

 ぼくは、思うのだ。
 下北半島は海峡の風の通り道である。
 六ケ所村や東通村風力発電を軸に、自然・再生可能エネルギーでの立地発展にこそ邁進すべし。
 備蓄が難題の電力、大型電池の開発が課題だけれども、それこそ国策で総力をあげれば実現はまちがいあるまい。

 人間活動すべての原点は〝地産地消〟として、ならば東北地方発展のための、自然エネルギー電力供給基地をめざしてほしい…その視点をもって、この夏も下北半島を巡行したいと思っている。
 
*上の写真、(左)は風力発電の風車、(右)はソーラーシェアリングの太陽光発電装置(ウィキペディア)*