どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》被災地巡礼、2017春・ぐるっと福島/4日目③…〝常磐もの〟の水揚げに活気…小女子漁

-No.1370-
★2017年06月22日(木曜日)
★《3.11》フクシマから → 2296日
★ オリンピック東京まで → 1128日









◆〝からだ〟をうごかせる、〝いき〟がはずむシアワセ

 松川浦大橋を渡り返して、相馬双葉漁協市場のある原釜港岸壁側に戻ってきた。
 定点ウォッチ・ポイントにまわりこもうとして、ふと、市場内に目をうばわれた。
 そこに、ふだんの市場の朝の活況が現出していた。
 あの地震と大津波から6年ぶり、ぼくが初めて出逢う復興の、抑えきれないざわめきの声だった。

 いっぱい並んだ青いコンテナの、漁獲は大漁の小女子〔こうなご〕
 イカナゴの稚魚で、関西では「しんこ(新子)」と呼ぶ。
 イワシの稚魚シラス(ちりめんじゃこ)より大ぶりの、常磐の海の名産のひとつ。

 愛おしそうに目を輝かせる漁師と並んで歩きながら、なにか軽口をとばしている買付の男衆もはじけんばかりの笑顔だった。
 きびきびと動く人影の半分は女性、仕事着の色も華やかに、高い声音が、高い天井へと駆け上がる。
 じつは、これがふだんの漁港の情景で、船から水揚げのあとは女の仕事だ。
 すると、そばにまつわりつく男の数が、いまは多いことに気がつく。
 久しぶりに〝からだ〟をうごかせたウレシさに、〝いき〟がはずむようなのだ。
 それでいて男も女も、いざ仕事に力が入るときは無言。

 漁協の若い方に声をかけると。
「はぁ、おかげさまで、きょうはいい漁になりました」
「これから…ですがね、、まだまだ」
 もうお一人のベテランさんが笑う、その声も朗らかだった。

 夏は海水浴場になる原釜尾浜の、荒れ果て瓦礫の散らばるままだった園地にも、真新しい石畳や海釣りの築堤がよみがえり、傾きうち捨てられていた時計塔の建物も新しく、海岸通りの内側には赤土の盛土が陽に眩しい。
 こうした復興風景の向こうにあらためて眺めると、松川浦大橋もこれまでとはガラッとかわって頼もしげで、それがなんだかとても無性に微笑ましかった。

 コウナゴ(イカナゴ)といえば「くぎ煮」である。
 ぼくらは海産物を即売する浜沿いの店へ、土産の品定めに立ち寄ることも忘れなかった。