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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

やっと本気度が見えた〝日本マラソンの復活策〟/ 選手の〝ヤル気スイッチも〟もポンと入るだろう

-No.1331-
★2017年05月14日(日曜日)
★《3.11》フクシマから → 2257日
★ オリンピック東京まで → 1167日



◆日本のマラソン界に”活”を入れるべく

 
 2020TOKYO大会の3年前から、新方式による代表選考がスタートする。具体的には本番開催の夏場に備え、この夏の北海道マラソンから選手選考がはじまる。
 4月19日に発表があった、詳しい内容については、日本陸連のホームページなどを見ていただきたいと思うが。

 【男・女それぞれ最大3人枠】の選手選考法として
 1.まず「グランドチャンピオン(GC)シリーズ」に指定された大会(17年夏~19年春、男子5、女子4)で、規定の条件をクリアする成績をあげた者だけが、選考大会に進む。
 2.選考大会は「グランドチャンピオン(GC)レース」とし、19年9月以降に開催。ここで規定の成績をクリアした2名を代表にする。
   *男・女とも、優勝者は即内定。
   *2位の選手は、チャンピオンシリーズでの成績が派遣設定記録(男子2時間5分30秒、女子2時間21分0秒)をクリアしていれば、こちらも即内定。だが、そうでない場合に、もし3位の選手がクリアしていればそちらが内定。
 3.のこりの1枠には、GCレースで代表権を獲得できなかった選手を対象に、「GCファイナルチャレンジ」レース(19年秋~20年春、男・女とも指定3大会)で派遣設定記録(未定)をクリアしたなかで最上位の選手が選ばれる。

 以上、陸連ではこの新方式を2段階選抜と言っているが、ぼくはこれ、実質は3段階選抜と言っていいと思う。
 「ファイナルチャレンジレース」はいわば、GCレースで不本意な成績におわった選手たちに復活のチャンスを用意しているからだ。
 これで選手には、真の実力の積み重ね、一発勝負ではない調整能力の高さも求められることになる。

 これがベストかどうかはわからないが、やってみなければワカラナイ。とにかくチャレンジあるのみ、やってみる。
「いまから強化しないと2020年TOKYO以降もない」とする陸連の危機感、こんどこそホンモノ。
 あとは、実業団や大学など、選手をあずかる現場が、この方針にどう応えるか。

 日本発祥の駅伝という競技はすばらしいし、ボクも好きなレースのカタチだ、が。
 長くても1区間ハーフマラソン程度の駅伝にばかりこだわっていては、マラソンを闘えないのも事実。
 ハーフマラソンと42.195kmマラソンとは、走ることは同じでも「まったく別の種目」という指摘は正しい。

 現場の受けとめも概ねいいようだから、少し希望がわいてきた。
 ただ、日本のマラソン界のいまを想うと、GCレースの設定記録はかなりキビシイ、けれど……

 少なくとも、これまでにアレコレ物議をかもし、多くのファンをやきもきさせ、その結果を見ても明らかな過去のマラソン代表選考のモヨモヤ感を、クリアなものにしてくれることだけは、まちがいなさそうダ。

 なお、この発表があったのと同じ頃にアメリカからは、ボストン・マラソンで初マラソン3位、2時間10分28秒の好タイムを大迫傑(佐久長聖高、早大、ナイキ・オレゴンプロジェクト)くんが記録。
 「マラソンの適性はあると感じた」と、意欲的な発言があった。

 大迫くんも、大学時代に箱根駅伝で勇名を馳せた選手。 
 ただ彼は、”山上り”の5区を走っていない……

◆”山の神”柏原竜二くん引退

 4月3日。
 富士通陸上部が、男子長距離、柏原竜二くんの現役引退を発表した。
 柏原くんは東洋大の頃、箱根駅伝の難関5区”山上り”で4年連続区間賞。「山の神」と呼ばれ脚光を浴びた男も27歳になっていた。
 (前記、大迫傑くんは25歳、同じ世代に属する)

 卒業後の2012年、実業団入りしてからの彼”山上りのスペシャリスト”柏原は、瀬古利彦さんから「マラソン向き、期待している」とエールを送られながら、平地のロードレースでついに花を咲かせることができなかった。
 「腰痛に悩まされつづけている」ことが伝えられたきり、故障から回復できなかった。いや、満足にレース本番にのぞむことさえできなかった。
 ようやく昨2016年のニューイヤー駅伝、5区に出場。しかし、切れ味のある走りは見られずに区間9位。結局、これが公式戦、最後の姿になった。

 柏原くん、自身のコメントは短く「復帰のめどが立たないことから、第一線を退く」と。
 実業団入り後の5年間、そのほとんどを「治療やリハビリに専念しながら、回復する見込みがない」と見極めるにいたった、ということであろう。「山の神」の栄光も薄れていくなか、苦しい5年間であったろうと思う。

 これまでの陸上競技生活で受けてきた指導への感謝を述べ、今後は社業に専念するかたわら、普及活動にも取り組んでいきたい意向とのこと。
 第二の人生の平安を祈りたい。

 ……………

 重い課題をのこされたのは、箱根駅伝だ。
 歴代の”山の神”の、その後はどうか。

 今井正人(順大、トヨタ自工九州)くんは、伸びきれないで峠を越した感がある。
 神野大地(青学大コニカミノルタ)くんは、いまのところわるくはないようだが、先のことまではまだ、ワカラナイ。

 柏原くんについては、ここから先は個人的なことになるのかも知れない。
 腰痛の真因、回復をゆるさなかった状況を、詳しく知ることは不可能かも知れない。

 しかし、箱根の”山上り”5区が”過酷な登り”であることには、間違いない。
 「なんとかしないとイケナイ」危機感をいだく関係者も少なくない。

 箱根駅伝は青春の1ページ、という位置づけの 選手ならいざ知らず。
 この駅伝をバネに、長距離界の雄への飛躍、マラソン日本の復活を期待するのであれば……

 体育生理学上、”山上りのスペシャリスト”は身体リスクが大きすぎるのであれば……
 ルールを「山上りは1人1回かぎり」とすることも、たとえば、考えられていい。

 ”山上り”と”山下り”があってこその箱根駅伝の魅力、もちろんそれはある、けれども。
 それで、前途有為な選手の将来をうばってもかまわない、ことにはならないはずだ。