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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

「流氷」についてのあれこれの表現…なかでも「氷泥」という状態が興味深い

-No.1319-
★2017年05月02日(火曜日)
★《3.11》フクシマから → 2245日
★ オリンピック東京まで → 1179日




◆今年は4月4日(火)、根室で「流氷終日」

 …じつをいうと、この稿。

 関東地方も首都圏あたりでは、3月に入ると梅見もすみ、あとは桜の開花をまつばかり…となるのだが。
 北のオホーツクでは、まだ流氷の季節。なるほど東西には狭っくるしいようでも、日本列島は南北に長い。

 …というような書き出しで、3月に入ってすぐの頃、書いてストックしておいたもの。

 なぜか、といえば。
 北のオホーツク海沿岸から流氷が目に見えなくなるとき、「流氷終日」まで投稿を待とうと思ったからだった。
 季節の知らせは新聞やテレビに時々刻々だから、よりインパクトのある時をえたほうがヨイ、と。

 とまれ、記事は下記のとおりであった。

 ……………

 流氷の海。
 紋別には流氷砕氷船のガリンコ号があり、網走オホーツク展望の天都山にはオホーツク流氷館があり。
 ネットの世界にも「海氷情報センター」のホームページがあって、海氷写真が公開されており、これをもとに流氷ファン向けの「流氷サイト」もある。シーズンになれば、網走-知床斜里間にトロッコ列車「流氷ノロッコ号」も走る。

 これだけ人気の流氷だけれど、いつ来ていつ去っていくのか、気まぐれな旅人〔たびにん〕さんのこと、なかなか、いつでも逢える相手ではない。

 亡くなった家の父母は、幸運にも、たった一度のツアー参加でめでたく流氷と対面がかなったのだが。
「どこまでが陸の雪で、どこからが流氷なのかわからなかった」
 おふくろがぼやいていたのを想いだす。 

 ぼく自身も、いちおう流氷経験はあるのだが、前にもお話したとおり鼻の粘膜がひ弱なもので、ただただ鼻水滂沱〔ぼうだ〕のごとき、じつに情けない想いでのほかにない。

 流氷は、陸にくっついた氷(定着氷)以外の、水面を漂流する氷をいう。
 つまり、海氷のほかに氷山や、河川の氷(シガ)も含まれるわけだが、まぁ、なにしろ流氷。
 日本の場合は、遠いシベリアアムール川から遥々やってくる。

 といっても、いまも述べたとおり「いついつ」と予約されるものではないので、いつのことになるかは、とんとワカラナイ。
 年ごとの海流の具合、風向きや風の強弱、厳冬のなかにもある寒・暖、などによって目まぐるしく変わり、北の方から順序よく訪れてくれるわけでもない。紋別がはやい年もあれば知床が早いこともある。

 いちおうの目安として、前記「流氷サイト」の紹介を見ると、いずれも平年で。
  〇流氷初日…人の目視で確認された最初の日…が1月中旬から下旬頃。
  〇接岸初日…流氷によって船の出入りができなくなった日…が1月下旬から2月上旬頃。
  〇海明け…流氷の量がだいたい半分くらいになり船が航行できるようになった日…がおおむね3月上旬から中旬頃。
  〇流氷終日…人の目視で流氷が見えなくなった日…が3月下旬から4月上旬頃。
 結局、桜前線などと一緒で、じつに曖昧ながらそれなりに味わいもある、といっていい。

 ぼくがオモシロイと思うのが、氷の状態の表現。
 海の氷(海氷)というやつにも、育つ過程というものがあって。
 流氷シーズンの岸近くで見ていると、小さな粒氷の誕生からはじまって、それが流れ漂う状態を”氷泥〔ひょうでい〕”という、白い半透明の美しくもある泥である。
 それらの中の、それぞれの氷粒が寄り集まって、やがて板状の”氷板”に育つのが、おなじ頃にやってくる流氷を迎える頃。 
 つまり、氷りもまた「液状」から「ゲル状」を経て「固状」という、物理変化とたどるわけである。
  
 そうしてやがて、オホーツクの海は流氷の”氷原”となり、氷板同士ががせめぎあったところには”氷丘”が生まれ、さらには、それらが連なると流氷山脈にもなる、という。なんとも壮大な一編の叙事詩ではある。

 このアムール川から来る流氷が大量の植物プランクトンを含み、これを餌にするクリオネなどの動物性プランクトン、氷下魚〔こまい〕スケトウダラほかの魚たちを育むことを想うと…不覚にも涙で潤んでくるほどだ。
 流氷にのってアザラシもくる、キタキツネがやってくることもある、オジロワシも空に舞うのダ。

 そうして、そうして。
 厳冬期はこんな最果てムードのオホーツクの岸辺だが、このあたり網走の北緯44度というのは、じつはヨーロッパのモナコとかコートダジュールとか、地中海沿岸の温暖な地域とかわらない。ということは、
 世界でもっとも低緯度にある流氷の海。

 --いま進みつつある地球温暖化がこのままでいけば、やがてはオホ-ツクの流氷が見られない日が来るだろう--

 ……………

 というようなことだったのだ、けれど。
 新聞紙面にもテレビ画面にも気をくばっていたつもりが、つい見のがして、ついに桜が咲いてしまった。

 で、ホイ、しまった。
 あわてて後を追ったら、4月17日付けのニュースに遭遇。
 「今年、平成29年の”流氷終日”は4月4日(火)でした」との発表であった。
 
 なんとも間の抜けた出遅れ幽霊、お詫びしてシツレイさせていただきます。