どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

「新・国立競技場」の建築が始まった神宮の森

-No.1309-
★2017年04月22日(土曜日)
★《3.11》フクシマから → 2235日
★ オリンピック東京まで → 1189日









◆4月10日月曜日、国立競技場前

 旧国立競技場の解体撤去工事が済んで、広い原っぱになったあと。
 基礎の基礎ともいうべき地盤整備から、グルリ塀囲いのなかで始まった「新」工事。
 基礎整備も完了の目途がつき、一部、本体建築工事にとりかかる頃合いで、その進捗状況が報道関係に公開されたのが今年に入ってから。

 ぼくは、工事現場にとくに関心があるわけではない。けれども、
 現場のにおいを嗅いで感じられることはあり、だから折をみて出かけることになる。

 桜満開の一日、東京メトロ大江戸線、国立競技場前駅。
 ふだんの地下駅は、省エネの照明ひかえめに、地上までのエスカレーターも、利用者があったときにセンサーで動きだす仕組み。
 地上に出ても、ビジネス街でも商業地区でもない周辺は、とうぜんのこと、閑散。
 3年後のオリンピック、その前段階の国立競技場完成に沸く日が来るのをジッと待っている風情に見えた。

 時計まわりに1週してみた。
 とびとびに点在する工事車両の出入り口は、解体工事のときと変わりなく。
 付随する明治公園跡地も、都営霞ヶ丘アパート跡地にも重機の音が響いて。
 ま、そりゃそうなのだが、つい天を仰いでしまう……

 警備員というのか、保安員というべきか、はたまた誘導員か。
 要は、それら一切ひっくるめての安全確保にたずさわる方々、1つのゲートに2人ずつ。女性もまじる。
 解体工事中に歩いたときにも感じたことだが、この人たちに2つのタイプがある。

 1つは、いまどきの社会情勢をふまえ、市民に対して「ご迷惑をおかけします」低姿勢に、ことばも丁寧なタイプと。
 もう1つは、そんなことよりなにより安全と無事故、もめごとなしが先決とばかり、通行人の挙動に過敏でうるさいタイプと。

 工事現場の空気はといえば、さすがは一流企業体、そこらの工事現場にはない緊張感を保持しつつ、キビキビとしていた。
 トラックの出入りでゲートが開くチャンスに中を覗くと、スタンド1階とおぼしき建築現場の足場組みが見えた。

 このままでいけば、災害など特別なことがないかぎり予定どおりの完成になるのではないか。
 これは前にも述べたことだが、ハード面の技術力にはとくに心配していない。

 しかし反面、それにともなうべきソフト面というか、心がまえのあたりに不安がある。
 解体された旧国立競技場の頃、場内にあった「秩父宮記念スポーツ博物館・図書館」の収蔵品(博物館資料約6万5千点、図書館資料約14万冊)の行く先がまだ決まっていない、という。

 もう、なんどもお話しているように、ぼくは「なんでもとっておけ」ばいいとは思っていない。
 生きている人間の人口が減って、のこるは墓ばかりでは、本末転倒であろう。
 これからを生きる人が、のこし積み重なった先祖の遺産の下敷きになるというのも、ずいぶんおかしい。
 責任をもって保存する態勢にないもの、失礼ながら時代を経て魅力をうしなったものについては、マイクロフィルムなどによる資料保存法に替えていく必要、いうまでもない。

 捨てられずにゴミ化する愚が、文化の方面にあってはなるまい、と思うし。
 博物館ばっかり、訪れる人もない、ではどうにもなるまい。

 ともあれ、旧い話しをむしかえすようだが、当初(ザハ・ハディド)案では、規模もより大きく拡充されて新国立に移ることになっていた収蔵品の、いまは移転先が見つからないばかりか、このまましばらくは解決の見とおしもたたない、という。
 どっかオカシイ、歪んでいないか……
 
 収蔵品のうち、新国立で展示できるのは秩父宮親王ゆかりの100点だけ。
 あとは、あの1964年東京大会、伝説の体操”名花”ベラ・チャスラフスカチェコスロバキア、故人)さんのユニホ-ムも、1936年ベルリン大会「友情の金メダル」(陸上棒高跳び2位大江季雄さんの銀メダルと、3位西田修平さんの銅メダルを半分づつにしてつなぎ合わせたもの)も、お蔵入りになる可能性がたかいようだ。

 文化財関係の処遇には、正直、関係者も頭の痛いこととは思うが。
 要は予算措置(カネ)だし、施設・人員のこともあり、放っとけばいずれは……

 もうひとつは。
 2020TOKYOパラリンピック大会にむけ、有望選手の発掘や(真の能力を発揮させる)競技転向の取り組みが始まったという話し。
 欧米ではすでに盛んな「選手発掘事業」が日本でもようやく…というのが3月7日、日本スポーツ振興会(JSC)によって行われ、男子4人・女子2人が合格した、と。これからも続けていきたい、と。

 ヨカッタというべきなのだろう、けれど。
 しょうじきボクは、(えっ…いまごろ)そりゃちと遅すぎやしませんか。

 海外の例でいえば、競技を始めてから半年程度で代表選手になった者もある、「だいじょうぶ間にあう」というのだが。
 おっとり刀、あわてて駆け出すの図……

 どうも、やることなすことがチグハグ、ちっとも腰がきまっていない、そんな気がしませんか?

*写真=(上段・上3枚)は現在の新国立建築中、(上段・下2枚)は明治公園と都営霞ヶ丘アパート跡地。(下段・上から)旧国立の青山門13年11月、旧国立の見納め14年5月、解体が進む旧国立15年3月、解体済んで整地のあと15年5月*