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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

晴海埠頭のオリンピック選手村建設地を見る/   大枚のカネをかけて臨海マンションは完売なるか…

-No.1286-
★2017年03月30日(木曜日)
★《3.11》フクシマから → 2212日
★ オリンピック東京まで → 1212日





◆スケールはたしかにデカい

 東京都が”2020TOKYO大会”選手村の再開発事業に着手。
 …と、報じられたのが昨年(2016)4月。
 早いもので、もうあれから1年。

 オリンピック・パラリンピック東京大会については、運営面のあれこれにゴタゴタがつづき、おまけに選手村の立地に深い関わりをもつ築地市場の、豊洲移転問題までが泥沼状態というさなか。
 (しかし、どうあろうとオリンピックはやるんだからナ)
 途中経過を見に、晴海へでかけた。
 ここの客船ターミナルは、定点ウォッチポイントのひとつ。

 東京駅丸の内南口を起点とする都バスが、有楽町駅前、銀座4丁目、東京メトロ勝どき駅前を通って、本数も頻発。所要30分も、まぁまぁの距離。
 このぶんなら、建築ラッシュ時になっても締め出されることはなさそうだ。

 ランドマークの中央清掃工場、高い煙突塔をすぎると、壮大な建築現場が現れる。
 バスはその端っこを遠慮気味にすり抜け、終点の晴海埠頭(客船ターミナル前)に着く。

 大型客船の寄港していないふだんのターミナルは、吹き抜けるまだ冷たい風の中。
 目の前に、選手村の基盤整備と見られる工事が進んでいた。本体工事もすでに一部はじまっているらしい。
 その広さ、東京ドーム3・8個分の18ヘクタールという。

 選手村の建物は、オリンピック・パラリンピック後はマンションに転用される予定で、それには民間資金954億円が投じられることになっている、が。
 その土地のいわば基盤部分、道路ほかの整備には少なくとも410億円の公的資金が充てられる、という。
 そのうえで、道路を除く13ヘクタールが選手村建設事業者に売却される、と。

 しかも、この基盤整備費には、隣接する公園や船着場、大会後に中央区が建てることになっている小学校の整備費は含まれていない、というのだから、まだまだカネは余計にかかることになる。

 レガシー(遺産)とはナニか……
 過去をふりかえるレガシーに、ほんとのところ未来はあるのだろうか……

 大会後に、事業者は選手村の住宅棟をマンションとして分譲および賃貸して建設費を回収することになるわけだ、けれど。
 そこで、ごく素朴な疑問がわく。
 それが取引の通例かどうかは知らないが、これがオリンピックがらみのことではなく、ここが競いあっても欲しいほど魅力のマンション建設地であれば、黙っていても事業者は、みずからその資金を投じても建設するのではないか。

 さらには。
 大会後、選手村の食堂や多数のトイレを撤去、車椅子対応の浴室をリメーク、間どりの変更などなど、マンションとして売り出すための大規模改修には500億円が必要(組織委員会試算)とされ、その費用負担も都になる想定というからタイヘンで、これらはすべて招致段階の立候補ファイルにはなかったものだ、と。

 マンションの戸数はおよそ6000戸だそうで。
 これについても、不動産関係者のなかには、需給関係からして完売できるどうか危ぶむ声もあるのは、当然だろう気がする。大会後には、東京都の人口も減少に転ずるという予測もあるくらいだから。
 ”臨海人気”なんていっても、さて、どれほどのもんじゃろか。

 ……………

 客船ターミナルから晴海運河の対岸に目をやると、すでに視察してきた豊洲新市場予定地の建物が広がり、そこから晴海との間に架かる豊洲大橋(架橋は完成)が手持無沙汰の表情にみえる。
 で、その先、晴海から築地へ、隅田川に架かる築地大橋も架橋は完成しているのだが、かんじんの築地市場の移転が暗礁にのりあげているために、これも手持無沙汰組の仲間入り、ときてる。なんか…こんぐらかってる。
 
 「環二通り」と呼ばれるこのルート、築地の先はいうまでもなく新橋、新虎通りを経て虎ノ門に至り、道筋にはBRT(バス高速輸送システム)が開業の予定になってはいる。
 けれども、鉄道のない晴海選手村あたりにBRTだけで交通インフラはよしとされるのか、どうか。それを危ぶむ声もある。
 こりゃ、まだまだタイヘン、カネはいくらあっても足りそうにない。

 ……………

 いずれにしても、あらためて考えてみるまでもなくオリンピックというのは、とんだ金食いモンスターには違いなく、だからIOC(国際オリンピック委員会)としても、できるかぎり”節約”の方針をうちださないと、これからさき開催地がなくなるおそれイッパイ。

 さて、オリンピック・パラリンピックがおわって、さぁそれからの再開発、完成するのは2023年度になるというが、そのころTOKYOは…いやさNIPPONは、はたしてどうなっているのだろう。