読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

エゾモモンガの暮らしぶり、四季折々のあれこれ、知れました

-No.1285-
★2017年03月29日(水曜日)
★《3.11》フクシマから → 2211日
★ オリンピック東京まで → 1213日




 おとつい。
 帯広の、真鍋庭園とエゾモモンガにまつわるお話し、しましたら。
 すぐ、その日の夜に、かれらの興味深い暮らしぶりのことが知れました。
 お知らせします。

◆中古住宅だ~い好き

 小さな体、まぁるい小顔にぱっちり黒目。
 エゾモモンガは、アカゲラが転居したあとの巣をいただくのが好きな、いいものはいい中古住宅派。

 ちなみに、キツツキの仲間のアカゲラは木づくり住宅とくいな、森の大工さん。
 大きく育った木に穴を開けて、コンコン、カンカン、深さ50センチにもなる巣を、それはみごとに突つきだします。
 そんな職人気質ですから、つくった巣穴をつかうのは1年きり、翌年はまた別の巣をこしらえます。
 ですから森のなかには、アカゲラがのこした中古住宅がいっぱい。
 エゾモモンガは、それをつかわせてもらうのが、お気に入り。

◆ベッドは手製のフカフカ苔ふとん

 モモンガは、空を飛びます。
 両前脚と後脚のあいだ、つまり右と左とにある2枚の”飛膜”を広げて、グライダーみたいに空中を滑っていくんです。
 よく見ると、前脚の指の…人の小指にあたるところが長く伸びていて、この長い指の先端まで飛膜があるから、上手に飛べちゃう。うまくすれば100メートルくらいは、えぇ、いけます。
 ついでに、この長い小指は右や左にカーブするときの舵に役目もしてる、ネ、すごいでしょ。
 ふさふさの尻尾には、そうです、舵をとる役目があって、そのために平ぺったくできてるんです。

 ところで、そんな中古住宅だ~い好きなモモンガですが、ベッドは手づくりのフカフカふとん。
 森の苔をセッセと運んで、分厚いクッションにする手間を惜しみません。

 どうしてか…というと、これは寒い冬をすごすための知恵で、近所の仲間たちを呼んで、身を寄せあって暖かくすごすため。
 ふだんは、みんな、ひとりなんですが、氷点下10度にも20度にもなる冬はべつ、苔と仲間の体温でぬくぬく冬眠……
 

◆森のご馳走、シラカバの花芽

 モモンガは、ネズミに近いリスの仲間。
 エゾリスたちはオニグルミとかドングリとかの木の実が好きですが。
 エゾモモンガの大好物は、シラカバの花芽。これは栄養たっぷりの森のご馳走。

 花芽のときはまだ仲間たちと共同生活中の越冬シーズンですから、一緒に食べにいきます。
 森には、天敵のエゾフクロウやオオワシオジロワシ、エゾクロテンなんかもいますから、ひとりぽっちじゃないほうが心づよいし…でしょ。
 もし襲われたら、すぐ逃げこめるように、トドマツとか冬でも緑の葉がいっぱいの樹に近いシラカバが、お気に入りのレストランというわけです。

 ぼくたちエゾモモンガが、シラカバの枝に丸くなって、花芽を食べてる姿を見た人み~んな「まゆ玉みたい、かわいい」といってくれます。

◆窓辺のレストランでお食事

 こうして、仲間と寄り添って暖かくすごす冬ですが。
 なかには、ひとりでガンバりつづけるエゾモモンガもいます、そう、たいがい若いつっぱりオス。
 かれらは、巣穴には大きすぎるくらいの樹の洞を見つけて、そこにシラカバの花芽を集め、好きなときに食べられるようにしたりもします。
 そうです、モモンガの食糧庫ですね。
 
 ここで食事をするときには、窓が大きく開いて外敵に襲われやすいですから、モモンガは外を見張りながら食べるんですが、その姿がまた「窓辺のレストランでお食事、か~わいい」と評判になったりします。

 けれど、それも春まで。

◆一年に一度、一日きりの燃える恋

 春はエゾモモンガにも恋の季節
 このときばかりは、ふだんの夜行の暮らしを忘れて、モモンガたちは昼間っから大忙しに、駆けずりまわります。

 かわいいメスのなかでも、とびきりかわいいメスを求めて。
 だって、勝負のときは、あまりにも短いからデス。

 メスがオスをうけいれてくれるのは、たった一日。
 その日、そのときに、メスの傍にいなければ、また来年までチャンスはありません。

 ですから、エゾモモンガの恋の季節には昼も夜もありません。
 恋敵が近づいて来れば、あの、ふだんは愛らしい顔をゆがめ、大きなクリクリまなこを三角にして、懸命に追払います。
 めったに鳴き声をたてないモモンガが、「キー」と鋭く烈しい威嚇の声をあげるのも、この恋の季節のこと。

 こうして、ぶじ、メスにうけいれる準備ができたら。
 オスは、このときを逃さず、なんどもなんどでも…ガンバ。
 かくじつに子孫をのこすための交尾に…ガンバります。

◆おまけにモモンガの所見と、こぼれ話をいくつか

 まず、モモンガは体長が14~20cm、尾の長さが10~14cm、体重が150~220gくらいの小動物哺乳類。
 東京の高尾山にも棲息することで知られ、おなじ空を飛ぶ仲間のムササビ(体重700~1500gくらい)とは比べものにならない、ざっと3分の1くらいのチビすけ。

 空中に飛びだすために、高い樹のある森を好むのはモモンガもおなじ、樹上生活者で草食動物ですが。
 モモンガとのちがいは体の大きさだけじゃありません。ムササビにはもっとたくさんの飛膜があって、両方の前脚と後脚の間だけでなく、前脚と首の間に1枚、それから後脚と尻尾の間にももう1枚の飛膜があるんです。
 あっ、それからムササビは冬眠もしません。

 モモンガは漢字で「摸摸具和」。
 これだと読みは「ももんぐぁ」で、妖怪じみてますよね。
 そうです、昔は妖怪扱いされたこともあって、子どもが親の言うことをきかないときなど「ももんがぁ」なんて、脅されたりしたそうです。

 それとは反対に北海道のアイヌたちからは、「子守り神」としてたいせつにされたともいいます。あの愛らしい顔つき表情や仕草からすると、アイヌたちの観察の方が鋭いと思いませんか。

     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

 以上、これらのことが知れたのはNHK・BSの番組ワイルドライフ「北海道 サロベツ原野 エゾモモンガ 凍てつく森を生きる」からでした。
 NHKの番組制作、おカネの使い方にはいろいろ言いたいこともあるけれど、正直ドキュメンタリー系の取り組み姿勢にはいつもアリガト感謝です。
 この公共放送は、ニュースとドキュメンタリー中心にテッテイテキに”らしさ”を活かすことに邁進、ドラマやバラエティーに余計なカネをかけることのないようにしてほしいものです。
 ね……。