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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

「大手町の森」に見る〝江戸前の海辺〟の原風景/『人類が消えた世界』の植物相を想ったこと…

気象・環境・自然・動植物

-No.1274-
★2017年03月18日(土曜日)
★《3.11》フクシマから → 2200日
★ オリンピック東京まで → 1224日







◆2月26日(日)、東京マラソンの日

 東京駅前のゴールを見とどけてから「大手町の森」に寄ってみた。
 大規模な再開発が進む大手町に自然〔じねん〕の緑を…といっても、そのコンセプトが半端じゃないようなので、気になっていたのだった。

 「この国際都市、東京の中心から人が一人もいなくなったら、そこにはどんな植物が育ち、どんな生きものたちを育んでいくことになるのだろうか」というのである。

 地上38階建てのビルの脇。3600㎡の人口地盤上に90cmから1.6mの斜面に土を盛り、そこにコナラやケヤキなどの広葉樹を含む100種類を超える高木や低木、草花が植えられたわけだが、それらはすべて、もともとの大手町が位置した海浜と沖積低地の境界あたりに生育するであろう植物が選ばれている。
 しかもこの地面にとり入れられた起伏が、日照・湿度・風あたりなど場所によってさまざまな変化をもたらし、それによって、より多様な植生になっていく。
 たとえば地被植物の場合、2013年オープン当初は81種類だったのが、その後あちこちから飛んできた種子によって3倍くらいにはなっているのではないか、といわれ。
 そうして、この大手町の森にはいま、皇居の森をねぐらにするヒヨドリメジロなどが遊びにきている、ともいう。

 地下鉄の駅から上がってきた目に、ビルの谷間の空間は、さほどの大きさには感じられなかったけれど、それでも高い空を見上げる気もちの佳さは充分にあじわえる。
 斜面のなりたちはエスカレーターでワンフロアぶん上がる間に感得でき、このさき将来の林相にまで想いは遥かにおよぶ。

 大手町の森には小川の流れもあるようだが、自然の営みをそのままにたもつため、あえて遊歩道は設けられておらず、したがって下枝も落とさず、落ち葉はもちろん土に返される。
 冬枯れのいまは森も休眠中かと思われるが、もうじき春の訪れとともに草木は緑の成長サイクルを謳歌する。
 
 ぼくは、この大手町の森の、これからの50年後、100年後を想うと…ばかにハシャいだ気分と、人気〔じんき〕の途絶えた深い寂寥感との板挟み。

 ……というのは、このとき、あのアメリカのジャーナリスト、アラン・ワイズマンが描いて見せた『人類が消えた世界』(2007年タイム誌のベストノンフィクション、08年早川書房刊)を、ぼくは脳裏の360度プロジェクション・マッピング画面に観てしまったからだった……