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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

「上士幌まるごと見本市」というイベントがあった/〝移住〟と〝ふるさと納税〟勧誘の催しを考える

都会・地方そして沖縄

-No.1250-
★2017年02月22日(水曜日)
★《3.11》フクシマから → 2176日
★ オリンピック東京まで → 1248日




◆上士幌まるごと見本市

 昨年11月の2週間を北海道十勝の上士幌町ですごした。
 「ちょこっと暮らし体験」という”移住”の勧めに参加してみた。
 十勝の晩秋体験のはずが、はやばやと積雪、あてのちがった初冬体験になって、帰京した。

 その上士幌町から、「お立ち寄りください」と案内があって出かけた。
 ところは日本橋箱崎に近い地下鉄半蔵門線「水天宮前」駅に直結した東京ロイヤルパークホテル。
 シティーホテルの催事場ワンフロアを借りきっての1日がかりのイベントである。
 観光課の人、コンシェルジュのお嬢さんのほか、顔見知りも少なくない。

 上士幌町は、こうした催しを毎年、東京だけでなく各地で開いている。
 この町は、十勝圏の町村で唯一、人口減に歯どめをかけて増加に転じさせており、ふるさと納税額でも上位の成績をあげている。
 「上士幌まるごと見本市」は、その名乗りどおり、世代・目的別の移住相談コーナーあり、「ふるさと納税大感謝祭」と銘うったグルメエリアあり、と賑々しく。
 ぼくたちも「アクティブシニア移住セミナー」に参加させてもらった。

 世をあげて「不信の時代」という。
 都会暮らしの「利便」が、じつは「孤独と閉塞感」に裏うちされていることもあり。
 都心では、北海道を筆頭に地方自治体アンテナショップの売り上げが右肩上がり、ともいわれる。

 しかし、一方で。
 総務省が1月末に発表したデータ(住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告)によれば、東京・神奈川・埼玉・千葉の東京圏の”転入超過”は、その数が減少したとはいえ21年連続、一極集中に変わりはなく。
 ほかの転入超過組も、愛知・大阪・福岡とすべて都会を抱える府県ばかり。
 のこる40道府県はすべて”転出超過”の、なかでも最多は北海道という現実がある。

 政府が目標に掲げた東京圏の転入・転出、2020年には均衡化させるなど土台無理な話しだし。
 現状は極端にすぎるとしても、このような都市と田舎の構図はごく自然、とも言える。

 それにしても……だ。
 田舎の地方自治体がその存在をアピールするには、こうして大枚の金をかけ、大都会に宣伝攻勢をかけねばならない。
 片や、東京を筆頭とする大都会の方は、そこを動かずとも、向こうからやって来てくれることでアピールが成りたってしまう。
 この不均衡というよりもハッキリ”格差”は、思えば思うほどアンマリだし。
 これをどうにかすることこそが政治の課題、構想の力というものだろう。

 ともあれ。
 大都市はこうして、肥え太って生きのこり、しかし行く末は確実に”滅びゆくまま”なのだけれど……

 見本市の会場には、上士幌という町をこんどはじめて知った人もあれば、ぼくたちのようにすでに町を訪れた経験があって「さて…」と思案中の人もあり。
 どこか懐かしい空気と、悩ましさが交錯しているのだった。

 いまごろの十勝、その原野では-20度を超える日々がある……