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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

ヒツジグサ…その蕾のメッセージに目の醒めるここち

気象・環境・自然・動植物

-No.1236-
★2017年02月08日(水曜日)
★《3.11》フクシマから → 2162日
★ オリンピック東京まで → 1262日



◆ひとつの蕾のための映像詩

 ナレーションの入らない、バックグラウンドの音楽と、あとは必要最小限の字幕だけという。
 「映像詩」形式のフィルムがある。
 
 たいがい、自然界の森羅万象を綴るかたちのもので。
 室内でボッとしたいときに、いい。

 ある日、そんな映像詩の一編を、観るともなく観ていたら。
 ふぃっと、ほんの数秒、映しだされた情景に、ハッと目の醒める心地。

 白い花の、大ぶりな蕾の真ん中のあたりに、ポッと鮮やかに赤い十文字の、おさな子の口紅にも似た風情の、印のようなもの……
 それは、花が天〔そら〕に向かって、「ここよ」と開花のメッセージをおくるかに見え。
 そうなると、もう、ボッとなんぞしていられない。

 そんなことが、ときたまある。
 印象の鮮烈でありすぎるために、その前後のいっさいが霞んでしまう、ということが。

 映像は、背景に池のようなおとなしげな水面を映して、そこに字幕がスーパーインポーズ。

 「ヒツジグサ」。
 スイレンの仲間の水草は、郊外に住み暮らしていても、身近なところに湿地も、池のようなものも少なく、なじみは薄い。

 花は蓮に似て、蓮のようにぽってりふくよかに艶ではなく、すっきりと見るからに若さの匂うような。
 花弁も少ないが、それでいて質素でも華奢でもない。

 その名が、ヒツジが好んで食べるというには不向きなようだし…と思ったら、「未の刻(午後2時)頃に咲くから」とのことで。
 しかも実際は、名づけにさからって朝から夕方まで咲いている、というところが気に入った覚えはあった。

 ぼくは、またふぃっと、ヒツジグサの花開く前の蕾を見てみたい誘惑にかられた。
 これもじつは、よくある心のうごきのひとつというやつで、あまり実現できた試しがない。
 蓮が早朝、花開くときにポンと音がするというのも、聞いてみたいと思ったけれど、いまだに聞けないでいる。

 どうも、ぼくには(どうしても)というところが少ないのかも知れない。

 いまはネットに、画像を専門に検索できるものがあって。
 「ヒツジグサ」を一覧してみたけれど、みな開花のあれこればかり。
 これほどに目覚ましい命の耀きをとらえた画像が、一枚もなかった。

 たまたま…なのか、あるいは誰も気づかずにいるのか。
 気づかないでいる…としたら、しめたもので。
 まさか…ぼくの見誤りとも思えないから。
 たしかめたい気が…いちだんとましてきている。
 (いまは…とだけ言っておくことにしよう)

*その後、別の自然記録フィルムで「コウホネ」という水生植物も、花の蕾に赤い十字が見られることを知った。どうやらこれは水生植物、それもスイレンの仲間に多い特徴らしく思われる。