どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

首都圏で「空き家」がふえる、「付喪神」が跳梁跋扈する…

-No.1221-
★2017年01月24日(火曜日)
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◆「空き家率」が上がる

 『地方消滅-東京一極集中が招く人口急減-』(増田寛也編、中公新書)が人々の耳目を集めた2014年頃から、並行するように首都圏の空き家問題が指摘されはじめ、不気味な都会の空洞化が現実味をおびてきた。
 どういうことか…は、いうまでもなかろう。

 まず、高齢化による現象のひとつとして注目される高齢者宅の近郊離れがある。
 ひと昔前までは、歳をとったら閑静な郊外に居を移すの理想とされたが、いまは逆で、歳をとったら生活に便利な都会に住もう、という。
 そうして、できた郊外の空き家が、「跡継ぎがいない」「売れない」などの理由で、処分されないままに放置され。
 そこで、首都圏でも人口の減る地域が出てくるいっぽう、住宅数は増加をつづけるという、ちぐはぐなことにあいなる。

 考えてみれば、なんともったいない話しだけれど、それよりもいまは「めんどう」を避けたがる空気が濃い、らしい。
 
 首都圏の、ここ10年間(2003~2013)での「空き家率」の変化というのが、正月3日の新聞記事で報告された。
 この「空き家率」というのは、総務省が行なった「住宅・土地統計調査」の結果をもとに、東京新聞が算出したものである。

 それによれば、首都圏1都6県における「空き家率」10%未満の自治体数が125から56に半減(10~15%未満はほぼ横ばいで)、かわりに「空き家率」15%以上の自治体が1.6倍(40から65)に増えた。
 これはつまり、解体整理も新たな利活用もされない空き家が、住宅地を侵食していること。
 首都圏近郊のベッドタウンでも空洞化がすすんで、〈見かけ膨張、じつは縮小〉の構図にヤッパリなってきているらしい。
 (ちなみにこの空き家率は、全国的にも過去最高の13.5%になっているという)

 やがて東京都でも人口減少に転ずるとされる将来に予測されるのは、東京なら23区とその周辺近郊部と、各自治体内でも中心部と郊外と、というカタチでの二極化ではないか。 これは、おそらく的を射ているだろう。

 ぼくが住む町田市の成瀬台地区でも、近隣住宅地には、二世代・三世帯住宅に建て替える家と、老夫婦が引っ越したあと空き家になっている家とが混在状態といってよく。
 聞くところによると、子どもが独立して他所に出た世帯もかなり多いとかで、いずれその親世代が亡くなれば空き家になるだろう、といわれる。

 そうなれば、最寄り駅からバスという好環境がウリの郊外住宅地も人気をうしない、売りたくても買い手のないことになるだろう。
 ぼくが大手不動産会社に尋ねたところでは、まだ売れる余地はあるというものの、さきゆきは楽観をゆるさないものがあるようだし。
 じつはボクたちが、移住も視野に将来を考えなおしているのは、そういう事情によるのだった。

◆冗談ではない「つくも神」のおぞましさ

 一夜。
 寝ながらに、つらつらそんなことを考えていたら、脳裡に「つくも神」があらわれた。漢字にすると「付喪神」と厭らしい。
 高校時代に読んだ、たしか『今昔物語』であったか『伊勢物語』であったか、もう記憶も薄れたが、まぁそのへんに。

 食器、調度、楽器とかいった器物の類いが、いいかげん永い歳月を経ると(ざっと百年ばかり)、そこに宿って人にわるさをする妖怪、がでてくる。
 (なんたって「つくも」が「九十九」とすでに相当なもので、わずかに百にもう一歩のところ…)
 『百鬼夜行絵巻』なんぞとおどろおどろのものまであった。

 付喪神にも、一つ目とか一本足とかがあった気もするが…たいがいはカタチをとらないもので、それが余計に薄っ気味わるかった。

 現代にふつうの住宅は、いうまでもない、百年を経てはいないし、それほど保つ造りでもない。
 が、棲む人もなくうち捨てられれば、もったいない神が、付喪神の妖怪に変じても不思議はなかろう。
 そんなものにとり憑かれるのだけは、ボク、まっぴらごめんだ。