どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

チョウチンアンコウ…非食用魚にもかかわらず人気者

-No.1215-
★2017年01月18日(水曜日)
★《3.11》フクシマから → 2141日
★ オリンピック東京まで → 1283日




◆釣られる魚が釣りをする

 図鑑を見る年ごろの子なら知っている。
 食べたことがないのに知っている。
 魚の嫌いな子でも知っている。
 なじみの食用魚たちを尻目にトップクラスの人気者。
 チョウチンアンコウ

 英語で「Angler-fish(釣りする魚)」。
 釣られる対象の魚が、生きぬくため、食べるために釣りをする…可笑しさ。
 深海の底魚。他の魚たちにまじって網に入るくらいの、漁業資源にもかぞえられない魚ゆえ。
 生態を知られること少なく、水族館で見られることも珍しい。
 アンコウ目チョウチンアンコウ科。

 釣りをする…その実態は、やむをえない身体事情にあって。
 肉食の丸っこい体、にもかかわらず泳ぎはうまくなく、機敏に狩りなどできないから。
 海底の砂や泥に身を隠し、近づく小魚を大きな口で丸呑みにする。
 お世辞にもカワイイとはいえない…が、風貌もあいまって”鈍ころ”なところがニクめない。

 頭の上の、誘因突起とか呼ばれるフサフサ猫じゃらしふうを揺すりたてて、釣られるというより「なんだろう?」と好奇心にかられた小魚が近づくの待つ。
 もしや、餌にされる小魚にすばしこいのがいて、この猫じゃらしにパクッと喰らいついたらどうなるだろう。
 チョウチンアンコウくん、吃驚してドジをふむのではないか…などと、ぼくは空想をたのしむ。

 その生態の観察報告によれば、じつはチョウチンアンコウくん、誘因突起からは目くらましの発光液も吹きだすそうだから、けっこう狩りには苦労しているものと見える。

 チョウチンアンコウ科の魚は、性生活にも涙ぐましいものがある。
 矮雄〔わいゆう〕というんだそうだが、雄が雌より極端に小さい。
 それでどうするかというと、雄は雌の体にとりつく。雌の皮膚に喰いこんみ寄生することで、生殖の役割をはたすという。
 でも、じゃあ…一匹の雌に複数の雄が寄生することはない…のだろうか。

 泳ぎが上手で活発な、たとえば鮭とか鮎とかは吾が子孫をのこすため、産卵期の雌の獲得に涙ぐましく奮闘するわけだ、けれど。
 丸っこくて”鈍ころ”のチョウチンアンコウにあっては、雌の獲得行動じたいが困難なところから、こんな進化をとげたと見える。
 チョウチンアンコウの雌は成長も早く、体も大きく寿命も長い。対して雄は……

 ぼくたちが食するところのアンコウ、キアンコウ(ホンアンコウ)とかアンコウ(クツアンコウ)とかも、誘因突起をあやつる「釣りする魚」だが、雌雄ともに大きくなる。したがって雄が雌に寄生することもないが、産卵期の雌に雄が喰われることはあるそうな……

 ぼくは、とりあえず、人間の雄でヨカッタと安堵する。