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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

十勝・上士幌町「ちょこっと暮らし体験」リポート-滞在11日目-/〝十勝らしさ〟を考える…帯広

-No.1201-
★2017年01月04日(水曜日)
★《3.11》フクシマから → 2127日
★ オリンピック東京まで → 1297日

*昨年末(12月30日)で中断になっていた「ちょこっと暮らし体験」リポートを、きょうから再開します*








☆     ☆     ☆     ☆     ☆


(左の写真は31年前、1985年11月「世界一」当時のロングベンチ)

◆11月13日(日)、400メートル(世界一)のロングベンチ

 6時半起床。朝方は東大雪連峰が望まれたが、のち曇り、ときどき雨。
 今朝もツルが3羽、東から西へと渡って?いった、この前のときはたしか西から東へ…だったが。
 (まぁ…いいかぁ)
 
 ……………

 十勝らしさ、とはなにか。
 上士幌に来て、「ちょこっと暮らし体験」をしながら、ずっと考えていた。
 いろいろあるなかで、決定打はなにかを、探っていたのだけれど。

 立ち去る日が近づいて、(やっぱりこれだな)と思いきわめた。
 そこ、帯広市の緑ヶ丘公園を訪れる。

 ”十勝の首都”ともいうべき、帯広というところ。
 街のでき、そのものはさほどにも思えないが、なにより〈空間〉がいい。
 ひろやかに、のびやかに、悠揚せまらないものがある。
 緑の公園も多い、好印象がある。

 緑ヶ丘公園は、街の中心部。
 帯広駅から南西に延びる公園大通の先。
 明治の世にあった帯広監獄の跡地を整備した公園は、春は桜の名所、池があり、野外ステージや多目的広場、遊具をそなえた児童遊園もある、立地環境に恵まれた総合公園といっていい。
 広さ50,5ヘクタール。

 メインは、そのうちの2割ほど、およそ8ヘクタールの広さをしめるグリーンパーク。
 いちめん緑の芝生がさえぎるものない空を仰いでおり。
 背後のカラマツ林を背にズイッと「真っつぐ」、歩くと端まで5分はかかる……

 この都市公園の目玉として、1981(昭和56)年にできたのが、全長400メートルのロングベンチ。
 かつては「世界一」の冠がつき、ギネスブックにも載ったそうだが、じつは、それはどうでもいい。

 たいせつなのは、そのありようだ。
 とにかく広い、訪れる人にもし屈託があっても、それを忘れさせ、なくさせてしまう底力のようなものが、たしかにある。

「これはいい…なんてもんじゃない…つきぬけちゃってる」
 当時、完成して間もないときに、市の方に案内してもらったボクは、目を瞠ったまんま、しばらくうごけなかった。

 〈ここにこそ、ふさわしい〉それだけで、ほかに評言のしようがない、ゆたかに幸せなめぐりあわせ……
 〈これほど十勝らしい〉ものがほかにあるだろうか。

 かつて洋酒のサントリーに、こんなすぐれたコマーシャルメッセージがあった。
「なにもたさない、なにもひかない」
 自信があって、いやみがない。
 
 いまも、あいかわらず。
 誘客のため、各地でおこなわれている〈魅力づくりの画一的なたくらみ〉を思うにつけ。
 ぼくが、チャンスがあればお話してきた〈観光の原点〉が、まさしくコレだった。

 カネをかければいい、というものでも、他所の成功例にマネればいい、というものでもない、はっきりいえば〈気づき〉の勝負。
 ひとつ帯広市にかぎらず、こぞって十勝圏の町村にはぜひ〈気づいてほしい〉と思う。

 十勝の原点はなにか……
 情感だけでなく、こころ(思想)から……

 なお、ちなみに、この「世界一のロングベンチ」後日談。
 帯広のことが話題になったとたんに、「なるほど、その手があったか」とばかり、それなら追い越せ目指せ世界一奪取、とばかりに意気ごみ、やってのけたところがある。

 能登半島、富来町、増保浦海岸。
 「サンセットヒルイン増保」のロングベンチは全長460.9メートル、もちろんその時点で世界一(奪取)。
 帯広の世界一から6年後1987年のことだった。

 能登も好きなボクは、こちら日本海のサンセットポイント・ロングベンチも訪れている、が。
 正直、(あきれるほど海好きなボクが)あまり感心できなかった覚えがある。
 ギネスブックのような競いモノがあるかぎり、「追い越せ」意識はやむをえないのだろう…けれど。

 先例の〈気づき〉にどれくらいの敬意をはらったものかは、知らないが、その対抗意識、露骨にすぎるのはどうか、と思う。
 
 そうして。
 いまは、能登とおなじ富山県、砺波平野南砺市瑞泉寺前653.02メートルのベンチが世界一(あるいは日本一にすぎないかも知れない)だという。
 (もう、どうでもいい、世界一もギネスも、いっときのお遊び…)

 十勝は十勝じゃ!

 あとで聞いた話しでは、能登の増保浦に世界一の座を奪われたとき、帯広でもベンチの延長の意見があったという。
 でも、(抜けば、また、抜かれる)だけだ、ヤメようということになった、と。

 それでこそ、おとなの十勝じゃ!


















◆真鍋庭園

 この日。
 市街の東を流れる札内川の畔、真鍋庭園も訪れてみた。
 いうまでもない冬眠のシーズン、どこも早々に閉園になったなかで、ここだけが12月上旬まで開いており。
 雪見の散策としゃれてみたかったから。

 出入り口のところで、犬を連れて散歩のご夫婦と出逢う。
 25,000坪の園内はペット連れもオーケーだった。

 ここの庭造りは、日本庭園・西洋風庭園・風景式庭園の3つで構成され、明治の開拓期から営々と積みかさねられてきたもの。
 現在は、個人の樹木生産者が運営する「植物のモデルルーム」ということで、上から目線の格式ばったところのないのがうれしい。
 自然を手なずけようとするのではなしに、いいところをいただきましょうか、という姿勢。

 雪のなかを歩いて戻ると、テラス前の餌台に、シジュウカラエゾリスが姿を見せていた。
 丸い大きな黒目と仕草が愛らしい、が……。
 ぼくは、おなじように愛らして、そのありかたもっとピュアな、エゾモモンガのほうがもっと好き。

 エゾリスの絵葉書を選びながら、ぼくが「モモンガのはないの」と尋ねたら、
「ここに尻尾だけありますけど」
 若い女の子の係員がひょうきんにこたえて、ストラップによさそうなモフモフ尻尾を見せてくれる。
「どうしたのコレ」
「かわいそうに食べられちゃったんでしょうねぇ、尻尾はきっと食べるところがないから…落ちてたんだと思いますでけど」

 いい話しを聞かせてもらって、みちたりた気分で、写真を撮らせてもらうのも忘れて帰ってきてしまった……




スーパームーン

 帰り道。
 月が…ほぼ「満月」に思える月が、つよく、あかるく、存在感をましていた。
 しばらく前から、注目をひく月になっていた。

 十勝は星空のきれいなところだったが、その星たちの輝きをおしのけて夜々、その存在感を、迫力をましていく月だった。
 もっといえば、昨年の秋あたりから目立ってきていた記憶が、ぼくにはある。

スーパームーン
 新聞によれば、約70年ぶりのことになるという。
 月が地球に最接近したときに満月や新月にむかえる現象で。
 こんどのは、いつにもまして(14%も大きく30%も明るい)、今世紀最大規模なのだとか。

 これをうけ、例によって「スーパームーン鑑賞ツアー」が企画されるなど大盛りあがりだそうだが。
 いっぽうネットでは「大地震の前兆」騒ぎもおきているとか……

 ぼくはこのたび、ネットを離れての旅先だから無縁だった。
 そのせいか、ナニやら〈偏見の都会人〉のたわごと、としか思えず。

 結果、現実に目立ったことはナニもなかった。
 「スーパームーン」本番は、ぼくたちが十勝を去る翌日14日とのことだったが。
 太平洋上の満月は、しずかに冴えた輝きをたたえていた……