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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《11.3.11》2016夏の巡礼-9日目-宮古市田老/

《11.3.11》・原発・エネルギー・災害・防災 旅・散歩・遊ぶ

-No.1163-
★2016年11月27日日曜日
★《3.11》フクシマから → 2089日
★ オリンピック東京まで → 1335日



◆9月5日、田老駅

 いまは宮古市の北端地区になった田老。
 ここも、定点ウォッチ・ポイントのひとつ。

 ”浜街道”国道45号を行くと、ぱっと開ける〈釜谷〉地形が、コンパクトな在りようでわかりやすいし。
 それよりなにより、「田老の長城」と呼びたいほどの大規模防潮堤の連なりは、見逃しようもない。

 ここ田老も、着実な歩みで復興計画が進んでいた。

 三陸鉄道北リアス線田老駅に立つ。
 高く盛りあげた路盤上の駅、吹きっさらしのホームにかわりはなくても、新しくなった駅名標など化粧なおしされただけで気もちがいい。

 そこからは、すっぽりと視野におさまる田老の風景の、北のはずれに集団移転の住宅地らしい新たな広がりが見えた。 














◆田老の長城

 「田老の長城」にも、挨拶がわりに立って見る。
 コンクリートの”城壁”が、新しく白く、来年度末の完成をめざして1mほど嵩上げされている。
 この防潮堤の上を歩くことが、地区の人々にとっての健康法になっていること、これもかわらない。

 ”城壁”の海側も陸側も、整地利用はこれからだが、国道脇にはすでに新築の集合住宅が建っており、散歩の人に尋ねたら「あれも復興住宅」とのことだった。

 ただ、やはり人影は少ない。
 そんななか、ここにもまた、なぜか真新しい野球場ができており、視野の隅には震災遺構指定の「たろう観光ホテル」が、つくねんとしていた。

 国土交通省の資料に見る東北沿岸3県(福島・宮城・岩手)の防潮堤は、トータル594ヶ所。延長総距離は400kmにおよび。
 総費用1兆円規模のうち、これまで(16年1月現在)に完成したのは約14%(83ヶ所)という。

 「田老の長城」の場合、”東洋一”を誇った旧防潮堤の海抜10mから、さらに14.7mに引き上げられる計画。
 (このような、かつては田老のそれが特異であった10m以上の防潮堤、復興計画では総延長50kmにものぼる)
 とうぜんのことながら、人はかなり引いたところからでないと、海を見ることができない。

 高い塀に囲まれたなかで座して難を逃れようとするか、あるいは避難路に活路を見いだそうとするか。
 いずれにしても、どちらか一方に偏るのは愚かなこと、にちがいない……
 (《11.3.11》の津波に町全体をのみこまれた田老地区、被災家屋1691軒、犠牲者181人)
 








◆集団移転「津波防災の町」

 田老地区で、宅地造成や災害公営住宅の完成を記念する「まちびらき」式が行われたのは昨年11月のこと。
 新たに造成した高台の宅地に、従来の市街地を2メートルほど嵩上げした分も含めると、およそ45ヘクタールに約450戸という。

 その新しくできた集団移転地区を訪ねる。
 海抜50mほどの山林に造成され、すでに入居の始まっている住宅地には、いまふうのリゾ-トっぽい建物もあり。
 適所適所に、児童公園や緑地があしらわれ、病院や学校などの公共施設の集まるゾーンも設けられている。

「ちょっと…ね、こそばゆいような感じも、少しはありますけど…」
 庭で洗濯物を干しいていた、主婦の笑顔が明日を見ていた。