読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

「旅する蝶」アサギマダラ、日本にもいた渡りの達人/ 海に落ちてもたちなおり、ふたたび舞い上がる…

気象・環境・自然・動植物

-No.1062-
★2016年08月18日(木曜日)
★《3.11》フクシマから → 1988日
★ オリンピック東京まで → 1436日




◆このしなやか…この強靭…

 
 先日(8月14日)に、オオカバマダラ蝶の話しをした。
 「かよわい」蝶が3000km超の旅をすることが驚異だった。
 あらためて「世界はひろい」と思ったことだったが。

 こんどは…。
 ニッポンにも、負けず劣らずの「旅の蝶」がいることを知らされた。
 本州と南西の島嶼間、沖縄や台湾までも、およそ2000kmの旅。しかも2日間に740kmもの海上を渡るといわれ。
 ぼくが見た映像では、途中、天候が荒れて海に落ち、憐れこれまでかと思われた蝶が、沈まず、もちろん死ぬこともなく、天候が回復すると再び空へ舞い上がったのだ。

 その蝶の名はアサギマダラ
 水に溺れないくらいだから、雨のなかでもめげることなく懸命に翔びまわって花の蜜を吸い、明日の旅にそなえるという。

 オオカバマダラが”奔放”とすれば、こちらはやや東洋的に、水色の翅の縁どりが黒と茶のコンビネーションという”上品”な趣き。
 それでいて、体内にアルカロイド毒をもつため、鳥に喰われるおそれがないところなど、オオカバマダラに類似する。
 毒の持参は「旅する蝶」の必須アイテム…でもあろうか。

 しかも、オオカバマダラの変則的な〈渡り〉にくらべると、こちらは本格、年に2度(春に南から北へ、秋に北から南へ)のみごとな〈渡り〉をする。
 しかも、彼らを〈渡り〉に誘うものがなにかは、いまだに解明されていない、という。

 アサギマダラは、「時間」と「空間」と「植物の状況」とに、柔軟に対応して飛ぶという。
 台風のうごきにあわせて移動したり、雨が降る前におおきく移動したりと、気象をヨムらしいともいわれる。

 きわめつけは、その翔びかた。
 ほとんど羽ばたかずに気流にのることができる…つまりトンビとおなじ空を舞う達人の域にあるのダ。

 こうした〈渡り〉の謎を解明すべく、「マーキング調査」というのがある、という。
 ちょいと乱暴な話しではあるが、蝶の翅に〈捕獲場所、月日、マーキングした本人の識別記号〉などを油性マーカーで書きこみ、放つ方法である。
 このマーキングされた蝶が、ふたたび別の場所で捕獲されることにより、旅のルートが見えてくる、というわけだ。

 さらに、この「マーキング調査」にまつわるミステリーが昨年12月の新聞各紙面をにぎわせた。
 アサギマダラの翅に、謎のスタンプの捺された個体が発見されたという。しかも、愛知から鹿児島・奄美にかけての6県で確認されているという。

 この謎のスタンプの主、いまだに明らかになっていないらしい。
 なにしろ、かなりマニアックな世界のこと、不思議なことにちがいない……