どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

「けんどん」づくりの粋な木の道具箱/      木工教室の生徒さんにチャレンジ製作してもらった

-No.0968-
★2016年05月16日(月曜日)
★《3.11》フクシマから → 1894日
★ オリンピック東京まで → 1530日





◆「つっけんどん」が起源

 「けんどん」という、扉や蓋の作り方がある。
 引き戸や開き戸とは違って、「はめこむ」式のもの。漢字で「倹飩」と書く。
 ぼくの父親は、書棚とは別に、趣味の謡曲本専用の「けんどん」本箱を持っており、和綴じの本がきちんと二段に積まれていた。

 このように、以前はよく見かけられた収納処理法で、蕎麦屋などの出前用「岡持ち」なんかにも使われていたものだが。
 岡持ちが木製からステンレス張りになるとともに、ただの落とし込み蓋にとって替わられた。

 …というように、口であれこれ説明するより、上の写真をご覧いただいた方がはやい。
 これは先日、ぼくが講師を務める「よみうりカルチャー荻窪」で、受講の女性が完成させた作品。
 図面にしたがって製作してもらったのだけれど……。
 やはり「けんどん」の蓋の処理が、最後までスッキリとは納得できないまま、出来あがってようやくナァールホドだった。

 もう少し、説明がいる。
 「慳貪」という仏教に由来する用語があって、「慳」は「物惜しみすること」「貪」は「貪欲なこと」。
 転じて「不愛想な」あるいは「無情・無慈悲な」、「つっけんどん」の意となり。
 この「突っけんどん」の語感から、「はめこみ・はめはずし」式の蓋処理に援用されたものらしい。

 さらに、付け加えれば。
 上下の動きになる場合を「けんどん」、左右になると「いってこい」とも言った。
 (ははぁ…職人言葉だな)
 そのとおりで、大工の道具箱に使われているのを、いまもときおり見かける。
 
 だから、上の写真の「けんどん」づくり道具箱、ほんとうは「いってこい」づくりとすべきかも知れないが。
 ともあれ、作者の女性からも「肩にかつぎやすかった」との感想あり。

 そうなのだ。
 いまどきの若い衆なんかにも、こんな道具箱を肩に「いなせ」な姿を見せてもらいたいものだと、ぼくは心底思っている。

 なお、この道具箱の「けんどん」づくりは、蓋に二本渡した把手(腕木)の両端が箱の縁に架かって、左右に「いってこい」する仕掛け。
 上が平面になるので、モノを置いたり腰かけたりもできるところが、ミソでありマス。