どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

格差社会で「給付型」のない奨学金…が日本の現状/ 子どもの貧困、子育て困難、思いやり欠如の政治

-No.0953-
★2016年05月01日日曜日
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★ オリンピック東京まで → 1545日




格差社会奨学金

 ぼくも、日本育英会(現在は日本学生支援機構)の奨学金を受けた。
 「給付型」ではない、借金を返済する「返還型」。
 私学の授業料などは親が払ってくれたから、アルバイトの稼ぎや奨学金は小遣い。
 そのほとんどが、本を買い、映画を観、旅をし、友と酒酌み交わすことに消えた。

 高度成長を遂げた世のなか、すでに大勢は〈苦学生〉の時代ではなく。
 ぼくのまわりも、青春謳歌の学生ばかり、想えば恵まれたいい環境にあった。

 おかげで返済には苦労し、質素倹約の生活が身についたが、困窮することはなくてすんだ。
 先輩のなかには、なぜか奨学金を「返すもんか」と突っぱねる根性曲りもおり、これには江戸っ子気質で許せなかった覚えがある。
 (その先輩のその後は…知らない)

 ことしが明けてから、〈学生の貧困〉と〈奨学金〉のことが社会問題になってきた。
 (別にもうひとつ、子どもの貧困と食糧支援の問題もある)

 ……………

 きっかけのひとつは、1月にあった東京新聞の連載「新貧乏物語」だったろう。
 「いま日本に、格差が生みだす相対的な貧困が広がっている。返還負担が若者の重荷なっている奨学金をみる」というものだった。

 日本の奨学金は、返還の必要のない「給付型」がない、これは主要国では日本だけ。
 日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金には、無利子の「第1種」と上限年率3%の「第2種」があり。
 返還がはじまって支払い滞納があると年5%の延滞金が発生、民間の債権回収業者が回収を請け負う。容赦のないとりたては消費者金融とかわりない。保証人になる親兄弟に請求がいくこともあり、最終的に裁判になることも。延滞金地獄も現実。
 返還困難者への救済策は最大10年間の返済猶予や、支払額を半分にする減額返還制度。返還が完全免除になるのは、死亡、あるいは重い障害を負った場合のみに限られる。
 ことような社会を背景に、奨学金返済支援制度も設ける企業も出てきている。

 大学卒業時に奨学金の返済で1000万円を超える借金を背負いこむ学生がいる。
 卒業すると月4万円で20年の返還が始まる。
 3歳のときに父が病死、病弱の母親が働いて育てた3人兄弟の末っ子。
 将来のためという母の勧めで大学に合格したが、奨学金がなければ成り立たない。
 結果、年率3%の上限利子がつく日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金の、借金が1000万円を超えた。
 こんな学生を企業の面接官はどう見るか、結婚はできるのだろうか。
 せめて社会にでるスタートは平等でほしかった。

 自己破産を申請したケースもあるが。
 消費者金融などの借金はそれで消えるが、奨学金だけは連帯保証人に請求がいくかたちでのこる。

 風俗店で働き、借りた奨学金を卒業時にまとめて返済する女子大生もいる。
 借金を背をって社会に出るのは嫌だから。

 ……………
 
 全国の弁護士や教員らでつくる「奨学金問題全国会議」が給付型奨学金の導入を参院選の争点にしようと呼びかけた。
 自身も奨学金(返済免除)の恩恵にあずかった大学教授が、自身の給与と退職金の一部を原資に、若干名だが学資を給付する。
 しかし。
 いま給付型奨学金の導入が、政府でも検討されれはじめている、とはいうが。
 駐留米軍に対しては「思いやり予算」を与えても、生活苦の家庭や学生に対しては思いやり欠如の政治でしかない。

 ……………

 資本主義の世の中。
 収入の違い、富の偏在は、ある程度やむをえない…のかも知れない。

 それでも、というか、だからこそ、というべきか。
 せめてスタートくらいは、平等であれ。
 「よーいドン」から差別のある社会なんて、そりゃ卑怯というもんだ。