どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

ホセ・ムヒカ…「世界でいちばん貧しい大統領」/ 「よきひと」の訪日も、しょせん〝ガス抜き〟か…

-No.0947-
★2016年04月25日(月曜日)
★《3.11》フクシマから → 1873日
★ オリンピック東京まで → 1551日



◆半端じゃない「よきひと」

 スミマセン…ぼくは存知あげませんでした。
 南米ウルグァイという地球の反対側国のお国も、これまで、「サッカーが強いらしい」くらいの認識しかありませんでした。ごめんなさい。

 ブラジルとアルゼンチンとに挟まれた、面積は日本の半分くらいの小国、ウルグアイ
 この国の独裁(軍)政権に抗するゲリラ組織に参加して4回の投獄に遭い、その後、政界に入って第40代の(前)大統領になった人。
 
 しかも彼、ホセ・ムヒカさんは、給与の大部分を貧民救済の財団に寄附、みずからは月1000ドルほどの質素な暮らしぶり。
 「ペペ」の愛称と「世界でいちばん貧しい大統領」と呼ばれて、いまも親しまれる……

 そんなご本人に対しては、まことに失礼であろうけれども、半端じゃない「よきひと」と思う。
 とてもマネができない(…と思ってしまうからイケナイのだろうが…)
 来日した彼の風貌には、これっぽっちの俗っぽさも見られず。
 訪問する先々で語るコトバも誠実で外連味がなかった。

 広島の平和祈念公園を訪れたときには、「私たちは過去の過ちから学んだだろうか」と記帳。
 芳名録にはスペイン語で、「倫理を伴わない科学は、想像もできない邪悪なものに利用されかねない。地球上で人間だけが同じ過ちを繰り返す」と記した。

「私たち人間にとって最も重要なことは何か。生きていることだ。いろいろなことができるという意味で〈生〉は奇跡に等しい」
「これから来る世界を、いまある世界よりもよりよいものにしよう、という遺志を持とうではないか」
「人生で一番大切なのは愛であるのに、愛情をそそぐ時間を浪費している」
「人類の文明には、リミッター(制限装置)をつけなければならない」

 その一語一語は新聞紙面にも大きく報じられたから、読んだ人も多かったに違いない。
 しかし、いい話しに水をさすようで申し訳ない、けれども……

 ぼくは、(これでまた日本の閉塞した現状の”ガス抜き”になってしまったのかも知れない)ユーウツな気分に襲われた。
 大学での講演のあと、学生たちとの一問一答を見て〈まっるで現実味がない〉ことに気づかされた。
 学生たちにとってホセ・ムヒカは、どこか遠い、うっかりすると異星人のようにも思われていたのではなかろうか。
 (ゆたかな国の貧しい自分たちには気づきもしないで……)

 想えば、あのときもそうだった。

 2005年に来日した、環境分野で初のノーベル平和賞を受けたケニアのワンガリ・マータイさん。
 彼女は、日本の「もったいない」精神文化を、世界共通語の「MOTTAINAI」に広めようとしたのだが……

 2011年、《11.3.11》のあった初冬には、「国民総幸福量」で世界の耳目を集めたヒマラヤの小国ブータンの国王夫妻が来日。
 被災地福島を訪れるなどして、「ほんとうの幸せとはなにか」を考えさせたのだが……

 第二次世界大戦後のアジア諸国で、事情はどうあれ、戦争や内乱といった深刻な〈争い〉を経験しなかったのは、ブータンとニッポンだけ。
 その事実を、ぼくたちは、どこまで胸臆ふかく受けとめただろう……
 
 また、同じことか……いっときの〝ガス抜き〟か。