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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

『北の国から』…長いドラマの旅路が終焉をむかえた/五郎(田中邦衛)さんはどうしているだろう

文化・社会・観賞・読書・思想

-No.0927-
★2016年04月05日(火曜日)
★《3.11》フクシマから → 1853日
★ オリンピック東京まで → 1571日




◆ボクにとっての青春レクイエム

 ようやく終焉を迎えた。
 といっても、連続ドラマの放映は1981年秋から翌82年春にかけてだったし。
 その後、83年からのドラマスペシャルも2002年までで終了しており。
 日々、新らたまっていく世のなか、人々にはすでに過去の作品にちがいない。
 したがって、これはあくまでも、その再放送を録画して再見した、ボクにとっての「これでオシマイ」ということ。

 ふりかえれば……
 この連続ドラマについてボクの感想と考えを述べたのが、-No.0841-1月10日(日)の記事「『北の国から』…あれからもう…30余年」。
http://blog.hatena.ne.jp/sashimi-fish1/draft-scat.hatenablog.com/edit?entry=6653586347150823222
 そうして、つづけて……
 ドラマスペシャルになって最初の『北の国から’83冬』にふれたのが-No.0849-1月18日(月)の記事だった。  
http://blog.hatena.ne.jp/sashimi-fish1/draft-scat.hatenablog.com/edit?entry=6653586347152275217

 その後のスペシャル枠、順を追って記しておくと。
 ・『北の国から’84夏』
 ・『北の国から’87初恋』
 ・『北の国から’89帰郷』   
 ・『北の国から’92巣立ち』
 ・『北の国から’95秘密』
 ・『北の国から’98時代(前・後2編)』
 ・『北の国から’02遺言(前・後2編)』 

 ぼくは、録画しそこねた『’84夏』をのぞく全編をもういちど観た。
 これは、ぼくにしては珍しいことで、ほとんど執念に近い。
 わけは、登場人物とそれを演じた役者のその後が、気にかかってしかたなかったからで。
 これも、ぼくにはマレな…というより、空前のことではなかったか。

 連ドラから『’84夏』までは子ども時代だった、純(吉岡秀隆)と蛍(中嶋朋子)。
 『’87初恋』あたりから青春期に入ってゆき(タイトルにある初恋は純の中3時代)。
 『’89帰郷』は二人の青春まっしぐら、純は上京して都会の波に翻弄され、看護婦になった蛍にも恋が芽生える。

 『’92巣立ち』で、はじめて従順だった蛍が父・五郎(田中邦衛)にそむき、茶髪とバイク東京暮らしの純は恋人を妊娠・中絶させてしまう。

 現代に失われゆく人間性へのレクイエム…といってもいい、このドラマでは、まちがったら「ごめんなさい」と謝ることが徹底されたわけだが。
 この頃の蛍のゴメンナサイには、すでにオトナに特有のカゲリがあらわれていた。
 と同時に、典型をもとめる人物像からは、ドラマの限界というか、苦いほどのいやらしさが垣間見られたりもした。

 『’95秘密』では、帰京した純はまた新たな恋の悩みに翻弄され、蛍も不倫の恋に身をやつす。
 なぜ、そこまでに……
 ときにドラマは、現実よりけたはずれに愚かに堕する、そう、まさしく奈落さながらに……

 そうして『’98時代(前・後2編)』。
 不倫相手の子を身ごもって別れた蛍のためを思い、正吉が蛍に結婚を申し込む。
 無理にすぎるドラマの筋立てだが、おかげで役柄上の正吉は「いい男〔やつ〕」にまつりあげられる栄誉を手にした。実際、このとき正吉ファンになった人は少なくなかった。
 後編では、「草太兄ちゃん」の不慮の死を乗り越えて、正吉と蛍の結婚式。
 この辺、脚本家倉本聰さんの筋立てには、さすが、いっそアッパレの讃辞しかなく。

 ついに『’02遺言(前・後2編)』。
 孫(蛍の子)のかわいさに相好をくずしながら、五郎さんは癌に怯える年寄りとなり。
 純は、ようやく覚悟の恋にたどりつく。
 後編にいたって五郎さんは、滂沱〔ぼうだ〕の涙ながして、遺書をしたためる。
 ふりかえると、電話でもメールでもなく「手紙」を書くことのたいせつさも、このドラマが欲した人らしさ、しぼりだす上での重要なファクターであった……。

 とまれ、この間、トータルなんと21年。
 前にも言ったことだけれど、”役”を演じるのが役者とはいえ。
 年端もいかない子役にとってのハマリ役には、製作サイドに、生きもの先輩としての注意が必要だとボクは思っている。

 だから、いまはもう中堅どころの役者になっている純や蛍のこれからが、なお気になっている。
 ネット情報によれば、笠松正吉役の中澤佳仁くんのその後は、役者の道を歩まず、いまは内装業の経営に専念しているという。
 ナゼかホッとする気分が、ボクにはある。

 あとは、五郎(田中邦衛)さんだな。
 ぼくはかつて若いころ、大森の街で偶然に行き逢ったことがある。
 夏。ボクはお中元配達のアルバイトで、自転車こいで坂を喘ぎ上りながら、向こうから来るのが田中邦衛さんとわかって、もちろん向こうはぜんぜん知らない相手に、友だちみたいに声をかけていた。
 「こんにちは」
 「あぁ、どうも」

 それからズッと、めったには見られなかった彼の舞台姿をもふくめて、ぼくは田中邦衛ファン。
 五郎さん、その後、どうしておられますか……

          ✰          ☆          ☆

 後日談。
 2016年5月13日(金)の新聞にこんな記事が載った。
 「北の国から資料館」8月末に閉館。
 富良野市朝日町にあって、ドラマの小道具などを展示していたものたが、施設の老朽化と来館者の減少から決めたという。 この資料館は登場人物のモデルにもなった木材会社社長が私財で運営してきた。ドラマの放送開始から30年以上になる…これが時節というものだろう。