どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

ボク乗り納めの海峡線特急+東北新幹線の旅/   春3月末からはいよいよ北海道新幹線ダぜ

-No.0893-
★2016年03月02日(水曜日)
★《3.11》フクシマから → 1819日
★ オリンピック東京まで → 1605日



 札幌から函館に移動する日。
 親戚や友人が、「何時のフライト?」と尋ねた。
 こんな近距離でも、飛行機が念頭にある、そういう時代になっていた。
 
 ”乗り鉄”のぼくは、室蘭線まわりの特急、所要約6時間。
 飛行機だと約5時間、この1時間差がどれほどのものか。

 特急車内は、「春節」中国客の姿が目だつ。
 習主席が「爆買いを控えるように」通達したとか聞いていたが、ぜんぜん関係ないみたい。

 噴火湾をおおきくまわりこんで長万部
 駒ケ岳の裾野を抜けて大沼公園
 仁山の峠を越えて、函館山が見えて、下りにかかると。
 新函館北斗駅の真新しいビルが現れた。
 そこは函館本線渡島大野駅のあるところで、一帯は近郊野菜のゆたかな畑作地。

 近辺では、札幌へむけての延伸工事もすでに始まっており。
 終着函館駅も新幹線歓迎ムードのなか、改修工事の追い込みにかかっていたけれど。
 ナゼか、どこかチグハグというか、ボタンをひとつ掛け違ったみたいに思えてならない。

「今年んなって、いっぺんに冬らしく寒くなってぇ、雪なんかも吹雪いたりしたもんだからさ、ちょっと固まっちゃてるみたいだけどぉ、ダイジョブだぁ、暖ったかくなれば…平気平気、気のせい気のせい」
 朝市のお母ちゃんは笑うけど、ほんとにそうだといいけど…。

◆ざっと知っとく北海道新幹線

 …と、いうようなわけで。

 北海道新幹線がいよいよ開通する、もうじき3月26日に。
 東北新幹線新青森新函館北斗間、世界最長の青函トンネルを潜って149km。
 「H5系」(上の写真)の「はやぶさ」が走って、同時にダイヤ改正がある。
 (H5系は東北新幹線のE5系と同じ10両編成で、うち最上級車両の「グランクラス」が1両)

 1973年の整備計画決定から40余年(東海道新幹線開業、オリンピック・イヤーの64年からはざっと半世紀ダ)。
 これで、九州から北海道までが新幹線でつながることになって、まさしく鉄道新時代には違いない。

 スタート時の運転本数、計13往復のうち10往復が東京~新函館北斗間(所要時間4時間2分)。
 ルートから外れた函館駅へは、新函館北斗駅から新幹線アクセス用電車「はこだてライナー」が16往復(所要約15分)。これによって東京~函館間は下りの最短所要時間が4時間29分。現在の最短5時間22分にくらべれば53分の短縮となる。
 (なお、逆に上りの場合は最短で4時間32分)

 また、新幹線が札幌まで延伸(約211km、2031年春開業予定)されるまでの間は、在来線の特急「スーパー北斗」「北斗」12往復がすべて新函館北斗駅に停車して乗客の利便をはかる。
 が、東京~札幌間の所要時間は最短でも7時間44分と、ほぼ1日がかり、溜息ものの長途にかわりはない。

 他の新幹線に見られない特徴は、青函トンネル区間の約82km。在来線用の外側に広軌の新幹線用レールを設けた3本レール方式で、貨物列車とも共用するための特別装置、特別仕様を備えている。
 (これが運用上、気がかりなところでもある…)

◆やっぱり、飛行機で行くと思うなぁ

 さて。
 函館での凍てつく2日間、世代間引き渡しの〈片づけ〉を、ようやくのことに了え。

 函館駅から、東北新幹線に乗り継ぐ新青森駅へと向かう特急「スーパー白鳥」は、これが乗り納めになるだろう。
 感慨にひたりながら沿線の変貌する風景を、ぼくは雪原に追った。

 新幹線で北海道最初の駅になる木古内は、さすが駅前整備にも熱がこもっているように感じられたが。
 そんな思いもつかの間、列車は雪を巻き上げて、高速で津軽海峡のトンネルへと突入する。

 ぼくは車窓に、トンネル内のめまぐるしく過ぎゆく照明を目で追いながら、闇の向こうに、海底から海面までの津軽の海を想い描く。
 しかし…。
 鉄道ファンも時とともに変わった、車窓の風景にかじりつくヤツなんかもはや稀少派。
 いまの”乗り鉄”たちにとっては、せっかくの広びろとした窓外にひらける景色も、子守唄がわりでしかないみたいだ。

 ここを新幹線列車が走るときには、海峡の説明やトンネルの話しも、もはや用がなくなっているのだろうか。
 目的地までの速さを競う鉄道って、ナンなんだろう、そこに旅などあるのだろうか。

「函館へ行くとき? もちろん車で道央道、でなけりゃ飛行機だな。
 北海道新幹線ができたら? そうね、いっぺんくらいは乗ってみてもいいかなぁ、でも、いざそのときになったら、やっぱり飛行機にしちゃうかも、だね」
 札幌の友が新幹線で上京することはなさそう、だったのを想いだす。
 鉄道もかわる、旅もかわる、旅が旅でなくなっていく…。

 長い海峡のトンネルを出て、津軽半島の雪の原に、青森県側の奥津軽いまべつ駅を見送る。
 折から陽がさし染めたせいか、こっちのほうがずいぶんウレシそうに見える。
 が、特急列車の乗客たちは、すでに(東北)新幹線への乗り換え準備に忙しく、雪景色にも陸奥湾の海景にも興味はないらしかった…。