どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

『ガレの庭』展、東京都庭園美術館に観に行く/  その日は65歳以上無料〝シルバーデー〟というので

-No.0884-
★2016年02月22日(月曜日)
★《3.11》フクシマから → 1810日
★ オリンピック東京まで → 1614日





◆花々と声なきものたちの言葉

 19世紀末ヨーロッパ、「アール・ヌーヴォー」の旗手、エミール・ガレの展覧会。
 ところは、目黒の東京都庭園美術館

 つめたく、とり澄まされたゲイジツテキ雰囲気のなかではなく、華族旧朝香宮邸。
 かつては迎賓館でもあったアール・デコの、息づく部屋部屋に置かれた作品群との出逢いに、魅かれた。
 展覧会のタイトルも『ガレの庭-花々と声なきものたちの言葉-』。

 いつ出掛けてもよかった、のだけれど。
 美術館ガイドを眺めていたら、〈シルバーデー〉というのがある、という。
 第3水曜日のその日「65歳以上の方は無料」と。

 いうまでもない、高齢社会。
 生きがいをもとめる年寄りは多いのだから、きっと混みあうことだろう。
 (この日は避けよう…)と思いかけて。
 (いや、待てよ)
 ぜんたい、どういうことになるのか、見定めておくのも一興と思いなおした。

 その日は、月曜に降った雪が消えのこる1月20日、第3水曜日。
 帳尻あわせふう寒波の、つめたい風のなか訪れてみれば。
 (なぁんだ、こんなもん?)
 拍子抜けするほど、訪れる人はかぎられており。
 おちついて鑑賞するには、ちょうどいいくらい。

 よくよく考えてみれば、まぁ、そんなところか…。

◆ガレはすっきりガレこそ佳かれ

 さて、かんじんの展覧会。

 ガレ作品の主要なモチーフである植物や昆虫の世界が、おおらかに。
 旧朝香宮邸のくつろいだ空間に、しっくりとけこんで、期待どおりのマッチング。

 ガレの作品群のなかでも、ぼくは、トンボをモチーフにしたガラス細工が好きなんですけど。
 いずれにしても、エミールがなにより愉しみしていたという”庭を眺める”視点に、つらぬかれていました。

 こんどの展覧会では、パリのオルセー美術館が所蔵する、ガレのデザイン画群も興味深かった。
 そうですね、ある日の工房の、ガレのデスクを垣間見たような…。

 それから、作品と展示室の一体感でお気に入りだったのは。
 2階、殿下書斎の閑としたなかに、命の輝きを裡に秘めてエネルギッシュな《花瓶「木立」》。
 前に、諏訪の北澤美術館で見覚えがありましたが、こんどの方が置かれた環境がよかった。
 ガレは、なるほどアール・ヌーヴォーの人でした、けれど、ぼくのなかでは断然、すっきりガレが最高。

 そういえば…。
 展示作品のほとんどが、オルセー美術館蔵か北澤美術館蔵。
 ぼくが初めてガレと出逢ったのも北澤美術館でした。

 あのとき、諏訪の、木と水の環境のなかで、ガラスとの出逢いが鮮烈だったぼくでした。
 いま、想いだしても、少しも色褪せることのない、ス・テ・キ。

 もういちど、諏訪にガレを訪ねてみなければ…と、ボクは感じていました。