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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

「油」の自己主張が、厚かましくない「アマニ油」/美味しさがピュアで身体にもいい「スーパーフード」

生活・食べる・飲む周辺 つくる・素材

-No.0848-
★2016年01月17日日曜日
★《3.11》フクシマから → 1774日
★ オリンピック東京まで → 1650日




調剤薬局での再会

 8年ほど前に、心筋に狭窄が見つかってステント挿入術を受けてから、近所の調剤薬局と定期的なお付き合いがはじまった。
 それまでの人生、おかげさまで、ふだんは薬に頼ることなくすごしてきた。
 
 両親や親戚ほか、歳とともに服薬がふえていくのを、気の毒に見ていた。
 なかには、薬に頼りすぎではないかと、眉をひそめたくなる人もあった。
 だから、ボクにとって薬は、ずっと、なるべく飲まない方がいいものだったのだ。

 それが、いまは。
「この薬だけは一生飲んでもらいます」
 なんてことになっていて、なんともはや…。

 あれほど煩わしかった薬局通いが、いまでは平然たるもの。
 処方薬の用意ができるまでの間、薬局の商品棚を眺めていたら。
 ふと、こころ魅かれるものが目についた。
 「アマニ油」。

 子どもの頃に飲まされたのが「肝油」ってやつで、これは臭くてイヤだったが。
 「亜麻仁油」には、ちょっとセツナイくらいの愛おしさがあったのを、想いだしていた。
 思わず手にとって、その澄んだ緑黄色の油を眺めていたら。

 「サンプル、さしあげましょうか」
 薬局の事務の女性が、気をきかせてくれた、ひと袋。
 舐めて…。
 とっぴんしゃん、と背筋が伸びた。
 想い出がよみがえった。

◆〈塗料〉としてもすぐれた油

 「もういっちょ、人生してみたい」と思って。
 主宰していた編集・制作プロダクションを閉じ、これまで自身の行路を振り返ったら。

 やりたかった、ずっと好きだった道がはっきり見えてきた。
 おなじ〈つくる〉仕事、〈手づくり〉もおなじながら、まったく別な〈住まい〉づくりの道。
 
 高度経済成長期を経て、日本の住宅事情はめざましく向上した、見かけは…。
 その分、住まいに寄せる〈気くばり〉は薄れていった。
 「住宅は高い買い物」
 なんて宣伝文句が、ふつうになった。

 それまでには、少なくとも、住宅を〈買い物〉と見るような精神は存在しなかったのだけれど。
 食品や日用雑貨品と同列の、〈買い物〉ということは、〈買い替え〉も気軽なことになり。
 住まいに対する愛着を薄れさせ、手入れなどもどんどん手抜きになっていった。

 ひとまず、ソレはソレ、として。
 各地方の家・町の特徴が、それぞれの風景を印象深くしていたのも、うしなわれることになった。
 地方の都会化のはじまりだった。
 いまは、地方の方が”文化住宅”の展示場状態といってもいい。

 旅人にとって、それは、ひたすらもの淋しいことだったから。
 ぼくは、この風潮にちょいと逆らって、隙間風を吹き込みたいと思ったわけなのだ。
 
 そこで、ぼくが目指したのは、大工でも細工師でもない。
 〈エコ〉な素材による〈リフォーマー〉。

 都立の職業訓練校に学んで、好きで覚えた技術の自己流を鍛えなおし。
 木・紙・土のピュアな素材を探して、学びなおし。
 ひとり仕事にとりかかった。

 〈エコ〉な素材は、桧・杉の無垢材、和紙壁紙、珪藻土(壁土)、弁柄、膠〔にかわ〕、と多岐にわたったなかに。
 健康エコ塗料としての「エゴマ(荏胡麻)油」、「アマニ(亜麻仁)油」があった。
 齧って味のある天然の木肌に食べられる油を塗って保護する、なんて、こんな素晴らしいことはない。

 実際に食用の油を購入、弁柄で色をつけたのを塗ってみた結果。
 荏胡麻油も亜麻仁油も、塗料(乾性油)としてすぐれているばかりでなく、色合いからしてピュアだし、保湿にも効果があり、なにより油につきものの〈厚かましさ〉といったものが皆無なのがよかった。べたつかないのだ。
 もちろん(色をつける前に)舐めてもみたわけで、じつに、文句なしにオイシかった。

 正直「塗料にはもったいない」くらいだ、と。
 荏胡麻油には少し匂いにクセがあったけれど、亜麻仁油にはそれもない、優れもの。
 結局、ふつうに使う塗料としては、価格が高くつきすぎて実現しなかったが…。

 そのときに舐めた亜麻仁油の、セツナイくらいの愛おしい味わいが。
 20数年ぶりに舌によみがえったわけだった。
  
 以来、食卓に置いて、野菜ばかりではない、いろいろな食材に垂らして食べている。
 亜麻仁油は、αリノレン酸を多分に含んで、素肌の美容、血流の改善、動脈硬化やアレルギーの予防にもすぐれた健康食品として、ただいま人気の渦中にあった。
 (体内でDHAやEPAに変換され、人体内では合成できない必須脂肪酸であるαリノレン酸、含有量では荏胡麻油のほうがまさっている)

 さらには、この亜麻仁油。
 なんと「スーパーフード」の仲間入り。

 では「スーパーフード」とはいかなるものなりや、といえば。
〇栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価の高いもの。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれること。
〇一般的な食品とサプリメント栄養補助食品)の中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と、健康食品としての用途をあわせもつもの。
 日本スーパーフード協会の定義によると、こうなる。

 もっとも、ボクはといえば、健康キチガイでもなければ健康オンチでもない。
 おいしい油、厚かましくない食品として、愛用する者。
 これ以上「スーパーフード」に肩入れするつもりもなく…。

 おしまいに付け加えておきたいこと、2つだけ。
①「アマニ油」は熱に弱いのでそのまま生食が基本
②「アマニ油」は酸化(劣化)が早いから放置しないこと

 どうです、ピュアでしょ。
 厚かましくないでしょ、ぜんぜん。