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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

「カツオドリ」はカツオ漁師が名付けたか…/   果敢な素潜りダイビングに胸がスカッとする

気象・環境・自然・動植物

-No.0818-
★2015年12月18日(金曜日)
★《3.11》フクシマから → 1744日
★ オリンピック東京まで → 1680日

 生きものにとって、旅とはなにか。
 生きものが、旅するのはなぜか。
 生きることが旅、にはちがいないけれど。
 動き移ろうことが旅の、主要なモチーフにちがいない。
 旅しなければ、生きられないものがいる。
 生きものの旅を、考えてみたい。




◆お魚だいすきスタミナ海鳥

 きのうは、セグロアジサシに想いをはせた。
 きょうは、カツオドリのスタミナに憧憬する。

 ペリカン目カツオドリ科。
 いかにも、お魚だいすき、大喰らい。

 セグロアジサシとおなじく、新鮮な、生きたものしか食べない。
 ぼくは、もう何度も、カツオドリの脅威的な狩りを、ネイチャーな海洋ドキュメントで観ている。
 いつも、生唾ゴクリとなるのも忘れて見入り、観おわってからゴックンだ。

 インド洋、大西洋、太平洋、地中海の亜熱帯海面に生き、繁殖期をのぞいて地上に降りることはない、彼らカツオドリたち。
 海の表層に生きる小魚の群れを狙って、こちらは(セグロアジサシとちがって)果敢なダイビングを決行するのだが。ただやみくもに突っ込むのではない。
 海面上を水平に飛び、羽ばたいて空中に静止(ホバリング)、獲物を探し、見つければすかさず急降下、潜水して捕らえる。

 空中にいるときはたしかに鳥だ、けれど、海中にダイビングするときには瞬息の戦闘機に変身している。
 その姿まるで『スターウォーズ』の宇宙戦闘さながら、編隊になると迫力も凄い。
 しかも、無駄がない、一撃で捕らえた獲物は、すべてわが身の血肉となる。殺すだけ、みたいな殺生はしない。

 たとえばアオアシカツオドリの、海中に降下するスピードはおよそ時速100Km。衝撃の少ない斜角で海面に突っ込み(このとき海水が入らないように鼻孔はふさがれているという)、魚を捕らえ、海面に浮き上がるあいだに獲物を食べおえる。
 長く強大な嘴の先端には、ノコギリ状の突起があって咥えた獲物を逃さず、喰い溜め用だろうか喉に嚢までもっている。
 
 もちろん、いつも完璧とはいかず、仕損じることもあるが、そんなときには泳いで潜り、25~30mの深さに達することもあるという。
 シロカツオドリの年間漁獲量というのを計算した学者さんがいて、この鳥の仲間たちだけで推計8000トンにのぼるとか。
 すばらしいスタミナ、あっぱれみごとエネルギー変換、スカッときもちいい効率のよさ。

 ひとむかし前のドライブイン。
 長距離トラックの運転手さんたちの、どんぶり飯にどんぶり汁の、めざましい喰らいっぷりを想いだす。

 それでいて、ドライバーたちにくらべて体形はスマート。
 体長60~80センチくらいで、長い翼を広げると150センチくらいになり、くさびのような尾羽も長い。
 ただし、脚はちょっと短いけれど、これは愛嬌ってやつ。
 渡りは、しない。

 繁殖期だけ、絶海の孤島に巣づくりをする彼ら、その多くが集団営巣するが、なかにはコロニーをもたない種もあって。
 アオアシカツオドリは、ひと番〔つがい〕の雌雄で独居、だれにも邪魔させない。
 求愛のとき、雄は鮮やかな青色の脚(短いのが可愛い)を交互に持ち上げ、雌のまわりをダンスして魅せる。
 プレゼントのつもりか、雄が小石や小枝を雌にさしだすこともあるそうで。これは現在は巣を作らないけれど、過去には作っていた頃がある、そのなごりではないか、と。 めちゃ、かわゆい。

 このように大海原いっぽんの生涯でありながら。
 人には、ひとときコロニー生活でたくわえた恩恵をほどこす。
 彼らの糞が堆積したグアノは、貴重な天然の肥料、学校の地理で習った。

 カツオドリ、日本近海では鳥島小笠原諸島硫黄列島などにいて。
 漁業者には、下に魚の群れがいることを知らせる役にもたっている。
 だから、この和名はきっと、鰹漁師の呼び名からきたものだろう。