どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

ひさしぶりに心ふるえる感動をあじわった/   『陽だまりハウスでマラソンを』

-No.0565-
★2015年04月09日(木曜日)
★《3.11》フクシマから → 1491日
    (高倉健没から →  150日
★オリンピック東京まで → 1933日

*ずっと以前、祝賀行事に”花電車”という賑やかな趣向の市街電車が走ったものだったけれど…きょう、ボクが走らせた自家用車は、桜吹雪を一身に浴びてまとった”花車”だった。わが家が桜の大樹のある緑道に面しているとはいえ、これほどみごとな〈花びら塗れ〉は初めてのこと。昨日の冷たい雨が、せめてものお詫びのしるしにと、のこしていったものとみえる。対向車のドライバーがみな、目を見張って走りすぎていった。どうか、ご無事で…*




◆老齢とどう向きあうか…

 映画『陽だまりハウスでマラソンを』を観きた。
 https://www.youtube.com/watch?v=buLBfxCHUBk&feature=player_embedded

 ぼくは陸上競技が、とりわけ長距離走が好きなので…そのぶんを差し引いても…うんにゃ、これっぽちも差っぴくことはない、文句なしにイイ作品だ。
 ぼくだって、この脚に動脈硬化なんぞ抱えていなかったら、すぐにも駆けだしていたにちがいない。

 主人公パウルは、かつてメルボルン・オリンピックのマラソンで優勝した”不屈”伝説のランナー。
 メルボルンといえば、日本勢では古川・中山らの水泳と、小野・竹本らの体操が活躍、けれどもマラソンではいい結果がのこせなかった大会だが。
 それは、ともあれ…。

 いまはかつての競技生活から離れ、穏やかな老後を楽しんでいた彼が、ある日、愛する妻の発病をきっかけに、歯車の回転が変わる。
 介護施設の”陽だまりハウス”に入居せざるをえなくなったパウルは、しかし、お仕着せがましいポンコツの時間つぶし強制生活に馴染めず、ついに意を決してふたたびマラソンを走り始める。

 誰も彼の過去の栄光を知らない、集団生活のルールを守れない厄介者にされる。
 それでも、パウルは走る。

 そのうちポンコツ仲間の一人が昔の彼を想い出し、応援し始める、同調するものが次々にあらわれてくる。
 そんななかで、とにかく走る、パウルは走りつづける。

 かつては彼のコーチ役でもあった妻が、懐かしい若き日に還ってストップウォッチを手に励ましはじめる。
 よろこび勇んでパウルは走る、走りつづける。

 走ることしかない彼は、風。やさしく見守る最愛の妻は、海。ふたりは、風と海。
 バックにながれるシャンソン『ラ・メール』の歌声。
 幸せなふたりは、とりまき応援するポンコツ爺さんや婆さんたちも、みんな幸せにする。

 ぜんぜん無理解なのは、介護施設側で、しかし、彼らにも悪意はない、それが困りもの、なのだが…。
 それでも、そんなこと一向にかまわずに、パウルは走る。

 不意に、妻に死が訪れる。
 おちこむパウル…でも、人生に引退はない、ふたたび走る。

 わがままな老人、としか見ることのできない施設は、ついに彼を”老人生うつ病”と診断、走る自由を奪って拘束。
 だが、ポンコツ仲間の手助けもあって、脱け出した彼は走る、70歳超の爺さんランナー、パウルベルリン・マラソンを目指す。

 その、ベルリン・マラソンの日。
 いまやドイツ国民がこぞって、彼のゴールを待ち望むなか、パウルは大会規定、完走が認められる2時間40分ぎりぎりで、ひとり競技場の門をくぐってくる、大歓声のなかをゴールする。

 ”終活”なんぞ、糞喰らえ。
 老人問題にしたがる奴らぁ、吹っとばせ。
 人生に引退なんぞ、ないんだぜ。
 歴史のギリシャの哲人みたいな、主役の爺さんの碧い眼の輝きも、ヨカッタ…。

     ☆       ☆       ☆       ☆

 よけいな解説…ごめんなさい。

 ボクは、ひさしぶりのスタンディング・オベーションでスクリーンに拍手を送りたかったのだ、けれども、まわり方々の感動とはどうやら熱っぽさが段違いだったようなので、あきらめておとなしく席をたってきました。