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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

《戦後70》長崎巡礼⑰-『あなたへ』の港、薄香へ-/そこには心さみしい古里の風景が…

旅・散歩・遊ぶ 思うこと・考えること

-No.0562-
★2015年04月06日(月曜日)
★《3.11》フクシマから → 1488日
    (高倉健没から →  147日
★オリンピック東京まで → 1936日

*NHK「ニュース9」を終えた井上あさひアナウンサー、どこの地方局へ転勤かと気になっていたが、京都から桜だよりの放送に元気な姿を見られてよかった*












◆写真館にも、食堂にも人気なく

 「九州オルレ-平戸コース-」を歩いた日。
 港に近い店で、昼食に「平戸ちゃんぽん」を味わい。
 午後は、タクシー観光。

 「観光タクシー付き」は、宿を予約するときの宿泊プランにあった。
 「薄香の港に行きたい」
 運転手さんに告げると、「健さんですね」とニッコリ、「あの映画のおかげで私たちもずいぶん稼がせてもらいました」という。

 高倉健の遺作となった映画『あなたへ』については、このブログ-NO.0526-3月1日の記事「健さん・降旗監督コンビの新旧作品/”戦後70”長崎巡礼の旅立ちを前に」ですでにお話した。http://blog.hatena.ne.jp/sashimi-fish1/draft-scat.hatenablog.com/edit?entry=8454420450085163410

 薄香という小さな港と集落は、平戸の町から山ひとつ向こうの”在”にある。
 港への下りにかかる交差点で、「あそこに…つい最近まで案内看板があったんですけど」と運転手さん。
 話題の映画のロケ地とはいえ、時の流れにはさからえない、ようだった。

 「あのとき健さんは、お客さんたちも泊っておられる宿に滞在して、撮影現場との間を行き来したんですよ」
 いつか、どこかで見た覚えのある、海の匂いものどかな港にでた。

 薄香というところは漁の港であり、はずれの岸壁からは島通いの船もでている、けれども、舟入をかこんで並ぶ屋並みは静まりかえって、昼下がりの浜を歩く人影も、絶えてない。
 失礼をかえりみず、勝手をいわせてもらえば、まるで(映画撮影のセットに用意されたみたいな…)集落の成り立ちだった。
 
 たとえば…。
 いちばんの障害になる風景の邪魔もの、電線の存在が、ここ薄香ではほとんど気にならない。
「いいところを、探しあてたなぁ」
 映画製作の現場に身をおいた経験もあるぼくは、”ロケハン”の眼になっていた。
「ええ。ここに来るまでに、ずいぶんあちこち探しまわったそうですよ」
 運転手さんも、映画になった薄香を観てナルホドと感じ入ったそうだ。

 印象的な場面のひとつ、写真館の扉は占めきられたまま、ウィンドーに飾られた記念写真の人物が、色あせつつおもてを見つめていた。
 食堂も、その頃はすでに住む人がいなくなっていた家を借り、セットに仕立てたものだった…などなど。

 ぼくに、映画の舞台になったところを訪ね歩く趣味はない、が、こんどはじめて(来てしまった)のは、さて、どういう気分によるものか。
 島通いの船がでる桟橋の、待合所に記帳のノートが置かれてあった。
 ここでも、つい、ついぞやらない書き込みをしてしまった、ボク。
 なにを書いたかは、ひ・み・つ…。

       ☆          ☆          ☆ 

 観光タクシー。
 約束の2時間まで、まだ余裕があるというので。
「じゃ、お城だね」

 やっぱり、平戸城には挨拶しておかねばなるまい、気がしていた。
 なにしろ、お城というものにはふしぎと、こころ魅かれるものがある。
 高くあって、めだつせい、ばかりでなくて…。
「お城ってさ、どこがどうの、なにがどう違うとかいっても、結局はみんなおなじなのよね、それでもやっぱり上ってみないと気がすまないのよ…って、この間も女性のお客さんが言ってましたっけ」

 案内してくれながら、運転手さんが苦笑する。
 そんなお客さんの、めんどうをみる仕事も、楽じゃなそうだ。

 天守閣から、対岸の田平の港、いまは平戸大橋でひとまたぎの瀬戸、誘われる風情の平戸の入江、周辺の島々や﨑々、山々などの眺めて、ふと(南蛮船もよくぞ、ここに辿り着いたものだな)の感慨をふかくした…。








*写真=上段は、『あなたへ』の舞台になった薄香の港*
*写真=下段は、平戸城天守閣からの眺め*