どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

満開の桜は…やっぱり色白/           蕾のピンクが花開くと陽に淡く

-No.0558-
★2015年04月02日(木曜日)
★《3.11》フクシマから → 1484日
    (高倉健没から →  143日
★オリンピック東京まで → 1940日






ソメイヨシノはなぜ色白

 東京の”桜満開”が報じられた30日、花見の散歩にでた。
 わが家の近所には、こどもの国や恩田川岸など桜の名所が少なくない。

 陽気に誘われ、あわてて這い出してきた感がつよい人の波。

 かんじんの桜は、よくてまだ七~八分咲きといったところ…と思ったら、それくらいの時に満開を宣言するのだという。
 果物を完熟前に収穫するような、ことになっているらしい。

 花見どきを見のがさないための配慮は、わかる。
 桜花の季節には、きまって、春の嵐と呼びたいほどのつよい風が吹き荒れ、雨がまじることも少なくない。花見日和は稀少なのだ。

 桜花のだいいちは、ソメイヨシノ
「近ごろは花が白っぽくなっている気がする」
 どこぞのニュース・キャスターがいっていた。

 専門家によれば、蕾から開花までの間が短いとピンクが白に近くなる、とか。
 また眼科のセンセイにいわせると、花が白っぽくなっているのではなく、見る人の眼が白っぽく感じてしまうのだ、そうな。その証拠に、白く感じる人の多くは高齢者、だとおっしゃる。

 じつはボクも(近ごろの桜は色気がたりない)と思っていたのダ。

 そこで、この春は桜花をしげしげと観察してみた。
 そうしてワカッタことは、ソメイヨシノは蕾のピンクが濃く、これが開花した花びらにも映っているのだった。
 つまり花そのものは、蕾の濃いピンクから陽に透けて白く淡くなる。

 もうひとつ、あらためて気づかされるのは、桜ってのはけっこう無茶苦茶な樹だってこと。
「サクラ伐るばかウメ伐らぬばか」
 なんていうけれど、気をつけて整枝してやらないと、けっしていい枝ぶりにはならない。じつに、呆れかえるばかりに、あっちゃこっちゃから、てんでんばらばらに枝が伸び放題をきわめて、収拾がつかない。

 諺にいわれることも、たしかに一理はある…が。
 サクラとウメ、じつは正反対どころか、似たところが多い。
 どちらも”枝ぶり”を愉しむたちの樹ではなく、木肌も美しくはない。

 どちらも、〈植物には無駄な枝の一本も無駄な葉の一枚もない〉という説に、ウソだと異をとなえたくなる種類の樹。
 いってみれば欠点だらけの”損質”を、咲く花の美しさ、これだけで一挙に名誉挽回してしまうのであった。

 人はみな、大きな枝に群れ咲く花々に気を魅かれるのだけれど、ぼくは、”胴吹き”というべき幹から直接に咲いた花に、乙女の可憐を見る。
 老樹の根元から、地を這って伸びる根っこのようなところからも、健気に咲きほころぶ花があって、驚かされたりもする。

 ひっくるめて、桜花、愛すべし。
 散る花の、桜吹雪も潔く、美しい。
 この花を見ると(日本に生まれてよかった)と思う人も少なくない。

 けれども…。
 その美しさゆえ、潔さゆえに、失ったもののおおきな悲しみゆえに、どうしても桜花を愛でることのできない人もいる。

 桜の花は、軍歌の歌詞でも愛された。

   『同期の桜』
  きさまと おれとは…
  同じ兵学校の 庭に咲く
  咲いた花なら 散るのは覚悟

   『若鷲の歌』
  若い血潮の予科練の 七つボタンは 桜に錨
 
 戦後70年。
 美しい桜花ゆえに愛でることのできない人は、少なくなった。
 さらに10年後、戦後80年には、のこりわずかになっているだろう。
 さらに30年後、戦後100年ともなれば、きっともう、いない…。