どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

大洋の航海者がわずか3匹に激減した葛西臨海水族園/大水槽ではジェット気泡が懸命にがんばっていた

-No.0513-
★2015年02月16日(月曜日)
★《3.11》フクシマから → 1439日
    (高倉健没から →   98日
★オリンピック東京まで → 1985日






◆まぐろ見舞い

 それが始まったのは去年、12月のことだという。
 葛西臨海水族園いちばんの見もの、アクアシアターと呼ばれる大水槽の役者たち、〈大洋の航海者〉スマ、ハガツオが次々に謎の死をとげ始めたのは…。

 やがて主役のマグロにも被害がおよびはじめ。
 年が明けて1月中頃には“大量死”が新聞・テレビの話題に。

 水族園では、研究機関に原因の調査を依頼したけれども、よくわからない。
 その間に、その後も減り続けて、マグロの代用魚候補スマが全滅、つづいてハガツオも全滅して、月末にはついにのこったのがマグロ3匹。
 こんどのことが起る前まで、ドーナツ型の大水槽にはハガツオ38匹、スマ52匹、マグロ69匹が泳ぎ回っていたのに、それがいまはマグロだけがわずか3匹。

 ぼくは、この話しを聞いたときから(そんなこともあるだろうな…)と思ってましたね。
 だって、彼らは死ぬまで、あのすごい速さで海を泳ぎまわることで、ぼくらにアノ鮮血透き通る赤身や、とろっとろの大トロなんかを提供してくれてるんですから。だだい水槽生活に無理があるわけだし…。

 でも、役者のいなくなった水槽がどんなもんか、その寂しさがどんなもんか、ぜひ観ておきたいものだと思いつづけて。
 行ってきました2月7日に。
 (ひょっとすると全滅も…)覚悟してたんですが、あれから3週間、3匹だけになっても健気にガンバってました。

 大きな水槽に、〈大洋の航海者〉たちのための大量の空気を提供するジェット気泡ばかり勢いよく列をなして、その間を生きのこりのマグロ3匹が、1960年東京オリンピックのときの、マラソンの、アベベを想わせるような哲学的な眼差しで泳ぎつづけて。
 
 それを観る人たちの表情も、以前の驚嘆・ため息とはまるで違う、やつれた友人を病床に見舞う感がありました。みんな、気もちはおんなじだった。

 死んだ〈大洋の航海者〉たちからは、ウィルスが検出されたけれども、それが原因かどうかは不明、死因は特定できていないそうです。

 …でも、この問題、けっこう奥が深くて、大きくて。
 たとえば、いま完全養殖に成功した「近大マグロ」がたいへんな人気ですけど、これまでの生け簀養殖では生産量にかぎりがあって。卵を、安定して大量に採取するには、水槽養殖に移行する必要があるんだそうですね。

 こんどの(大量死の)ことが、どういうことになるにしても、ぼくはいずれまた、もう一度、ここ葛西臨界水族園にくることになるでしょう…。えぇ、気に入ってますから。