どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

とにかく「暗かった」んですよね…ネクラ/    健さんの映画づけになっていたこの正月

-No.0486-
★2015年01月20日(火曜日)
★《3.11》フクシマから → 1412日
    (高倉健没から →   71日)
★オリンピック東京まで → 2012日




東映時代の任侠映画11本に、フリーになってからの主演作7本

 この正月、元日の「ニューイヤー駅伝」と2・3日の「箱根駅伝」のあとは、ずっと「健さん映画」漬けになってました。
 はい、亡くなったときからそのつもりで、去年の暮れからビデオに録りためておいたのを、片っぱしから。

 健さんをスターの座に躍りこませた任侠路線映画。
 『日本侠客伝』シリーズの第1作(1964年)から、第2作の『同-浪花編-』第3作『同-関東編-』(65年)、第4作『同-血斗神田祭り-』第5作『同-雷門の決斗-』(66年)、第6作『同-白刃の杯-』第7作『同-斬り込み-』(67年)、第8作『同-絶縁状-』(68年)、第9作『同-花と龍-』(69年)。
 *以上すべて監督マキノ雅弘、残る2作では監督が変わる。

 それから『昭和残侠伝』シリーズの2作『-吼えろ唐獅子-』(71年)と『-破れ傘-』(72年)。
 76年、健さんが東映を退社して独立、フリーになってからの
 『君よ憤怒の河を渉れ』(76年、佐藤純彌監督)
 『幸福の黄色いハンカチ』(77年、山田洋次監督)
 『野生の証明』(78年、佐藤純彌監督)
 『駅 STATION』(81年、降旗康男監督)
 『海峡』(82年、森谷司郎監督)
 『海へ ~See You~』(88年、蔵原惟繕監督)
 『四十七人の刺客』(94年、市川昆監督)

 この観方に、他意はありません。
 録画一覧から、そのときの気分で選んでいっただけで。
 ただ、なるべくなら年を追っていきたかったんですが、『日本侠客伝』ばっかしじゃアキちゃうし、ほかの任侠ものにしても…ヤッパリね。
 健さんが、なっとくがいかない…というか、ひっかかる…というか、(これでいいのかな)と感じてしまうのは、無理もない気がします。
 のちの作品になると正直、健さん、眉根が開けてますもんね。

 戦後すぐ生まれのボクがガキの頃、映画館はまだ“悪所”あつかいされてました。
 映画が好きだった父母に連れられて、よく映画を観せてもらったボクですが、日本映画はどうも苦手で、暗くて。
 耐えて健気に生きる…とか、どうにも泣けてくるような「お涙ちょうだい」ものは現実の生活そのものに近すぎたし。チャンバラ時代劇はやたら大袈裟で陰湿に血生臭かったし。
 アメリカの西部劇や、シャレたヨーロッパシネマやファンタジーのほうが、断然あかぬけて素敵だった。

 『日本侠客伝』シリーズの始まった1964年は、前の東京オリンピックがあった年で、ボクが19。
 中学から私学に通うようになっていたボクは、小遣いで映画を観るようにもなってましたっけ。好きで観る映画はもっぱら洋画で、それこそ『勝手にしやがれ』(フランスのヌーヴェル・バーグ映画、ジャン・リュック・ゴダール監督、ジャン・ポール・ベルモンド主演)でしたね。
 それとアメリカのハリウッドでは、なんといってもジェームス・ディーンとマリリン・モンローの時代。

 健さんの映画も観てるんですが、(これはヤバイな)って思っただけ。どことなく暗くてね。
 あの頃はほんと、ガハハなんて大笑いしてもネクラだった。
 (カッコいいけど)…中学生の頃、映画街の暗がりでチンピラに“かつあげ(恐喝)”されたことがあって、ほんとならこのへんで健さんの出番なんだけど、やっぱりあれは映画だもんな…って。

 健さんが任侠映画で活躍するきっかけになった『人生劇場 飛車角』(63年)も観てるんですが、なんにも覚えてません。『日本侠客伝』の何本かも見た記憶はあるんだけれど、こんど見直しても、やっぱり記憶によみがえりません。
 健さんの(…???…)も、きっと、そのへんにあったろうか、と思います。

 その健さんが、初めて自分の主演作を公開中の劇場に足をはこんで観て、「愕然とした」話がある。
 映画を観終わって出て行く人たちの姿形、背中や肩のありようが、入ってくるときとは全然まるで違ってた。そう、別人みたいに。
「これはたいへんなことだと、思いましたね」と。

 この健さんの想いは、たぶん、ぼくの(ヤバイ)とほぼ同質。
 ぼくも、映画の中身なんかなんにも覚えてないクセに、劇場を出るときは肩を聳やかしていた自分を覚えてますから。
 そこが(暗闇で観る)映画のかくれた凄さで、怖いところでもあるんですが…。  
 
「消毒係みたいね、健さん」
 ふと、一緒に健さんの任侠映画を観ていたカミさんが、いいました。
 そういえば“切った張った”の劇中では健さん、他人の怪我の手当てをしてやる場面も多い。
 健全な市民の感想はケンゼンでした。

 まだ、健さん映画の観のこし作品は『網走番外地』シリーズをはじめ、半分以上のこってます。
 たぶん、もう一度か二度、健さん映画の話しをさせてもらうことになると思います。
「どうか、勘弁してやってください」