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どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

つづいて“卒サラ”漁師のキハダマグロがきた!/ 「こんなに幸せすぎてイイのかねぇ」と二人でため息

-No.0418-
★2014年11月13日(木曜日)
★《3.11》フクシマから → 1344日
    (高倉健没から →    3日)
★オリンピック東京まで → 2080日









◆刺身で“一本立ち”を祝う

 「紅玉」の「焼きリンゴ」で味わった幸せに、うれしい追っかけがつづいた。
 こんどの宅配便はデーンと、発泡スチロールの大長箱である。
「やぁ、来たな」
 ボクは咄嗟に満悦の笑み。

 送り状は、土佐から。
 品名欄には、「魚」。
 土佐の魚なら、まず「カツオ」だろう…と思う。
 が、氷詰めのなかから顔を見せたのはマグロ系。
 カンパチとかヒラマサの、ブリ系ともちがう。
 早速に、お礼の電話を入れると、
「ぼくが釣ったキハダです」
 活発な漁師声が返ってきた。

「カツオ送りたかったけど、今年はよくなくってね」
 そうそう、そういえば今シーズンは、東京の魚屋なんかでもカツオはとんと景気がよくなかったナ。

 彼、D君は、東京でのサラリーマン生活をし遂げてから、漁師になる決心をして故郷に帰った。
 感激屋のボクは驚きもし、しかし、ピュアな一本気の、彼らしさが痛快でもあって、祝いの酒とともにエールを送ったのだった。

 船舶の免許をとり、地元漁協に申請をし、先輩漁師の指導を仰ぎ、などなど…思ったよりもずっとたいへんな手続きを経て、この春にやっと“一本立ち”をした。
 といっても彼の故郷がまた、半端ではなく不便なところで、宿毛の港から船で渡る沖の島の、そのまた離れ小島の鵜来島というところ。

 土佐の釣り人たちの間でさえ、「あそこはタイヘンとこ」といわれている。
 漁師としての試練も、すでにさまざまあったようで、「ヒヤリ」も怪我もたっぷり経験したらしい。

 そんな彼の苦労話に、このところ酒疲れ気味だったぼくにも、ピーンといい感じの気合いが入った。
 久しぶりに出刃(包丁)の大きなヤツと、大物さばき専用の俎板を引っ張り出して、体長50センチばかりのキハダを解体、三枚におろした。

 キハダは「黄肌」と書いて、たしかに身質も黄色みを帯びて見えるのだが、他のマグロ類と区別しやすい特徴としては、第二背鰭と尻鰭が黄色いこと。
 だから「黄旗」がいいのではないかと、ぼくは思っている。漁師の見方にも近いのではないか。

 マグロ族のなかでもキハダは、成長の早い重要な食用魚で、中型のマグロとはいえ、大きくなれば近海ものでも1.5メートル、重さ70キロくらいにはなる。
 「血の匂いを味わう」のがクロマグロとすれば、キハダマグロは頭から尾までほぼおなじ透明感のある赤身で、脂肪が少なく締って弾力のある食感が持ち味。
 涼しい「秋のマグロ」といっても過言ではなく、どちらかというと西日本で人気の高い魚だ。
 食用資源としては、ビンナガと共にツナ缶の材料で、漁獲量もわが国ではメバチに次いで多い(世界的には最多漁獲種)のである。

 「魚好き、刺身派」のボクらは、その晩、とうぜん刺身三昧に酔う。
 「幸せすぎるわねぇ、いいのかしら」と、かみさんはため息。
 明くる日、運のいいときに訪ねてきた友人二人が、刺身とカルパッチョのおすそ分けにあずかった。 キハダのクセのない肉質は、焼いても、揚げても、イケルくち。洋風料理にも似合う。

 ボクはD君の“一本立ち”祝いに、また酒を送ろうと思う。
 こんどはダブル(2本)でいかねばなるまい。