どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

尺取虫は“肉食系”へ、人間男子は“草食系”へ/   生物進化の行方が興味深い

-No.0310-
★2014年07月28日(月曜日)
★《3.11》フクシマから → 1236日
★オリンピック東京まで → 2188日




◆“草食”から“肉食”へ

 シャクトリムシが愛敬のある動きを止め、後ろ足でスックと枝を掴んで立ち上がった。
 ふつうなら、ここから前足を前方に伸ばして尺取り態勢に入っていくのだが、ノン、この尺取虫は真っ直ぐに立ち上がったまま(枝に化けたつもりだろうか)静止。
 (脚力、体幹力ともに、たいしたものではないか)
 足もとを昆虫が通りかかるや、瞬間、そちらの方角へ頭を曲げて、みごとに捕らえた。
 なんと、カレは“獲物”を待っていたのであった。
 “肉食”の、シャクトリムシ

 ボクは呆れて、口をあんぐり。
 発見はすでに1972年のこと、というけれど。
 ボクはてんで、まるっきり知らなかったから、不意にそんな場面の映像が流れて、とんと面喰ってしまったわけである。

 血が噴き出すとか、肉を喰いちぎられるとか、のような痛みの感覚はなかったけれども、むず痒さにピリピリ感の加わった皮膚感覚が想われ、薄気味がわるかった。
 ハワイ諸島には、これまでに13種の肉食シャクトリムシが確認されているといわれ、しかも、ハワイ以外では見つかっていない。

 ハワイだけにある特殊な環境に適応したものだろうが、詳しいことはまだ、いっさい不明のままだそうな。また、これら“肉食”種の成虫もごくふつうのシャクガで、とくに変わったところなどは見られない、ともいう。
 しかし、そうだろうか。
 進化には、きっと必然の理由があろう。
 いま現在までは解明されていないが…というのがじつは正しく、その裏には間違いなく、驚くべき秘密が隠されているのではないか。

 21世紀に入ってまもない2005年に、カタツムリを捕食する蛾が発見されたことがあるのはボクも覚えている(その蛾もやっぱりハワイ産だった)が。
 (まさか、アノ尺取虫ちゃんがねぇ)というのが、正直な感想なのである。

 尺取虫には、樹の小枝になりすます“擬態”術があって、ぼくらガキの頃には、間違ってつまんでドッキリ騒ぎが、いっぱいあったものだ。
 尺取虫が、たとえばケムシのように毛嫌いされないのは、体が毛や針に覆われていない、裸んぼのイモムシであり、しかもデブッとしたところのない華奢な細身に好感がもてた。

 そのうえに、あの「幅とり、幅とり」の、剽軽な身のこなしである。
 「尺をとる」という言葉は、むかしから大工仕事などで使われ、「寸法をはかる」ことを意味した。
 たとえば、ぼくの手指でいくと、親指から小指までいっぱいに広げたサイズが約20センチ、親指と人差指で約15センチ。
 この手指で「幅とり、幅とり」を繰り返す測り方が、つまり「尺取り」。
 「尺取虫」はまさしく、「尺取り」そっくりの動きに愛嬌があったのである。

 そんな剽軽者の、愛嬌者の、“草食”にいそしむ日々であった者が、長い永いときを経て、ついに“肉食”へと進化を遂げたのはナゼか…。

 ボクがいま密かに想っているのは、子孫繁栄のための生殖力強化ではないか、ということである。
 ひょっとすると、これまでのシャクトリムシに欠けていた栄養を補強するのによい、しかも旨い虫の存在を、ナニかの拍子に発見してしまったからではないか。

 人間の男子が、生殖に飽きたのか(精子の欠陥によるという説もある)“草食系”化しているといわれるいま、シャクトリムシの“肉食系”化はそれだけにおもしろく、興味深いものがある。

*写真は、フリー百科事典『ウィキペディア』から拝借しました*