どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

花実にたかるアブラムシの天敵「てんとう虫」/  いかにして飛ばない益虫にするか…は人間の勝手ダ

-No.0307-
★2014年07月25日(金曜日)
★《3.11》フクシマから → 1233日
★オリンピック東京まで → 2191日




◆踊ってる場合じゃない、てんとう虫たち

 チェリッシュ『てんとう虫のサンバ』は1973年。
 デュオの女性ボーカル、悦ちゃんが可愛かった。
 いま見ると、歳をとった(あたりまえだ)。

 閑話休題
 害虫アブラムシの“天敵”、テントウムシを生物農薬に役立てようと、企てるお話し。

 まずは、去る2013年の冬。
 高校生の害虫駆除アイディア特許出願…という記事が新聞に載った。
 テントウムシの背中に樹脂系接着剤を付けて羽を固め、飛べないようにして、ハウス栽培のイチゴに集〔たか〕るアブラムシを、セッセと食べてもらおうとの目論見。
 接着剤は、熱で溶かして垂らす。
(熱かろうな)
 …と気の毒に思い、飛べずに一生を終えるのは可哀想な気がしたが、心配ご無用、そこがアイディアという。

 役目がすんだら、背中の接着剤は爪を軽くひっかけば剥がれるので、自然に帰してやれる。もちろん飛べるし、繁殖にも支障なし、寿命にも影響はないそうな。
 ただ、課題は一匹ずつ細かい施術に手間がかかること。それを、網を張った掃除機の吸い込み口に集めることで解決、量産を可能にしたというわけだ。
 (量産といっても、一匹一匹のて手間にかわりはなく)
 ちょいとアナログっぽいけれども、品種改良とは違って生物多様性への影響も小さいだろう点は、たしかに評価できる。

 千葉県立成田西陵高校、地域生物研究部によるこのアイディア、全国大会でもみごと優勝。
 
 その同じ記事中に、人工交配による“飛ばないテントウムシ”をつくる技術開発も、研究が進んでいる、ということだった。
 ボクは、待った。

◆飛べないテントウムシに悩みはないか

 この夏になって、新たな知らせあり。
 飛ばない(飛べない…)テントウムシを誕生させることに成功した。

 近畿中国四国農業研究センター(独立行政法人農研機構・広島県福山市)が2003年から手がけてきた研究の成果で、約30代にわたる交配を経て、飛ぶ能力の低い個体から遂に飛翔能力のないものを出現させた。
 これで、飛んで逃げてしまうことなく一生アブラムシを捕食しつづけてもらえる。

 前記、高校生のアイディアが生んだ「羽固定」タイプの場合は、新たに生まれくる個体は飛ぶことができるので、効果は限定的、繰り返し放中しなければならない面倒は避けられなかった。
 それにくらべると交配によるものは、飛ばないテントウムシ同士が交配しても、生まれてくるのは飛ばない個体。
 しかも飛べない性質は劣性遺伝なので、外で自然界の個体と交配すればチャァンと飛ぶ能力をもったテントウムシが生まれてくる…というわけだ。

 農林水産省に登録済みの「生物農薬」はすでに150種以上とか。
 “飛ばないテントウムシ”もこれで、めでたく仲間入り。
 「テントップ」という名前で販売がはじまっている。が、問題はトウゼン価格。
 幼虫200匹(約2万5千円)でカバーできる面積は20平方メートルほどなので、化学肥料より数10倍も高い“高値の花”。

 ボクとしては、それよりも気がかりなのが、生物種としてのテントウムシの将来だ。
 「飛ばない」というのは結局、人間の勝手な理屈で、事実は「飛べない」のだから。
 そうして、飛ぶ昆虫の真相までは知る由もないけれど、少なくとも「移動して選べる自由」のDNAはけっしてヤワなものではないはず。
 それが失われた理不尽に気がついたとき、「てんとう虫」は絶望の淵に沈まないであろうか…。

*写真は、フリー百科事典『ウィキペディア』から拝借しました*