どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

SL銀河号…二人の明日…釜石に桜/      《3.11》2014春の巡礼・11日目(つづき)

-No.0237-
★2014年05月16日(金曜日)
★《3.11》フクシマから → 1163日
★オリンピック東京まで → 2261日






◆釜石に春の訪れ…桜咲く

 「釜石」といえば、新日鉄=鉄の町。
 その新日鉄、すでにもう釜石では製鉄していない…のだけれども、イメージはかわらず。
 釜石駅前の広い敷地をいまも占めている。
 
 新日鉄釜石といえば、ラグビーである。
 これも栄光は往年の話になるが、イメージはかわらない。

 釜石という街は、他所者(よそもの)ドライバーには厄介なところだ。
 駐車どころか、ちょっと脇に寄せて停車するのにも苦労させられる。
 「大きな釜」が太平洋に向かって口を開いている。

 地勢は、とうぜん崖に囲まれ、坂道が多い。
 高みに立って遠望したい気分に誘われるが、街中に決定的な展望地はないので。
 海縁の丘の「釜石大観音」に行くしかない。

 ここからの眺望は、じつに佳い、素晴らしく佳い、雄大で佳い。
 湾口を仕切る(かつて釜石港自慢の)長大な防波堤が、欠損している…のも見える。

 北北西から南南東の方向へ。
 北堤990m、間に300mの開口部をおいて、南堤670m。
 最大深度60mの海底から立ち上げたギネスブック記録の長大な防波堤。

 2年前に完成したばかりの、この城壁を突き破り乗り越えて《3.11》の大津波はきた。
 防波堤はほぼ半分が破壊されながら、懸命に津波の勢いを減衰した、とされるが…。
 それでも釜石の被害は、死者・行方不明者1000人以上にのぼった。

 驚異の大自然を相手に、人工のガチンコ勝負など身のほど知らずでしかなかった…。 





◆大震災がとりもつ縁に結ばれた二人

 4月13日の日曜日。
 昼は、釜石駅前の店で、新婚ほやほやのカップルと、祝いの食事会。
 大震災から3年目の春は、人の気もちに暖かい変化をもたらした。
 これで、このたび、二つ目の「おめでとう」である。
 (ひとつは、この旅はじめの、北海道伊達市であった)

 Sさん夫妻は、彼が山田町の人、彼女は神戸の人。
 ボランティアで来た彼女が、現地案内役の彼と出逢って、愛が芽生えた。
 彼女と、うちのカミさんとは、遠野まごころネットの女部屋で寝袋を並べた仲だった。
 それから曲折はあったけれども、彼女が釜石へ来て、寄り添うカタチになった。

 これから始まる二人の明日に「かんぱい」。

 この日、市内、仙寿院の、庭の桜も、花ほころぶ…。
 (だが町の人の話によれば、ようやく建ち始めた復興住宅にどうも人気がない、場所が不便なうえに家賃の負担が発生するからだ、そうな)
 



 (彼の方の)Sさんの肩にはカメラ。
 「きょうはSL銀河号の日なんです」
 (そうか、出発だな)
 それで駅周辺に人出が多いのだった。
 
 「さんてつ(三陸鉄道)」の全線運行復活は、すでに述べた。
 それと歩をあわせるようにJR東日本では、釜石線(花巻-釜石90.2km)に「SL銀河号」の運行を開始。蒸気機関車の雄々しき姿、動輪の力強いリズムに、復興の息吹きを託して観光面からの支援を…というわけである。

 土日祝日を中心に年間80便ほどを運行する予定という、そのスタート。
 きのう11日(土曜日)、花巻駅を出発してきた下り列車は、C58型239号機が宮沢賢治の世界をイメージした4両の客車を牽引してきた。
 そして、きょう12日(日曜日)が、釜石発-花巻行きの上り列車。

 すでに出発して行った後の、町にはシュッポの余韻…。
 (この写真は後日、Sさんから送ってもらったもの)
 
 ところで、C58型蒸機239号機というのが、たいへんな古兵(ふるつわもの)である。
 製造が戦前の1940(昭和15)年。
 1972(昭和47)年まで宮古機関区(岩手県)を中心に現役を勤めた。
 現役引退が5月22日。
 じつは、その1週間前の15日に、ぼくは国鉄当時の「片道最長切符」65日間の旅に、鹿児島県指宿枕崎線の枕崎駅から北海道広尾線広尾駅をめざして、出発している。
 (だからレールの上では出逢っていないのだけれど…同志にも想えて懐かしいのダ)

 「さんてつ(三陸鉄道)」語りのところでもすでに述べたから、もう諄くはいわないが。
 事実として、ここから先、釜石-宮古間55.4kmのJR山田線が空白で残されたため、三陸鉄道北・南リアス線との接続が絶たれている。
 復興の効果も半減だ。
 いま民営のJR東日本としては「採算度外視はできない」としても、意気がなさすぎやしないか。
 また、「黒字経営のJR東日本三陸鉄道のような国費投入はできない」と杓子定規の国にも、復興に燃える熱意はこれっぽっちも感じられないじゃないか…オシマイ…。

*写真=上段、(上)は釜石大観音から釜石湾の大眺望・破壊された防波堤も見える、(下左)は同じく釜石大観音から釜石湾の静かな入江、(下右)は復興を待つ釜石港* 
*写真=中段、(左)は寄り添う二人Sさん夫妻、(右)は開き初めた仙寿院の桜*
*写真=下段は釜石駅を出発して行く「SL銀河号」・Sさん撮影*