どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

ブルートレイン「あけぼの」ラストラン/     奥羽本線まわり(上野-青森)寝台特急の終焉

-No.0176-
★2014年03月16日日曜日
★《3.11》フクシマから → 1102日
★オリンピック東京まで → 2322日



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◆“ブルートレイン寝台特急「あけぼの」ラストラン

 3月14日早朝、上野駅に「あけぼの」が到着。
 車輛下部、車輪周りになごり雪をこびりつかせて…。
 昨夕、青森駅を出発しておよそ半日、奥羽・南東北の野面を駆けてきた奥羽本線まわり寝台特急ブルートレイン”のこれがラストラン、定期運行を終えた。
 3月15日のダイヤ大改正で時刻表から姿を消し、これからは臨時列車のお役目だけになる。
 新幹線の進出に追われた「ブルトレ」時代の終焉…である。

 かつて“集団就職”があったころ、東北方面から上京した子どもたち(中・高生)にとっては、いつかこの「あけぼの」に乗って故郷に帰ることが夢、いわば“錦を飾る”ことだった。
 その意味で「あけぼの」には“出世列車”の異名が奉られた。
「おーっすごいナ、〈あけぼの〉に乗ってきたんかぃ」
 故郷の知友に、こういわれ迎えられたことを「忘れない」人は多い。

「広い寝台でなぁ、夢みたいだったなぁ」
 と彼らは思い返す。
 (うっそう、窮屈でさぁ、狭いよネー)
 と感じる、いまの人にはわかるまいが、それまでの上京列車では、数少ない寝台は高根の花で、座席下の床に新聞紙を敷いて寝たりしたものであった。 
 それまでの奥羽本線まわり優等列車といえば、A・B寝台車連結の急行「津軽」。

 それが寝台特急「あけぼの」の登場によってガラリと変わった、寝台の幅もゆったりと広く、所要時間も1時間ほど短縮されたのだった。

◆むかし“集団就職列車”というのがあった

 同じ頃、東北本線まわりでは、はじめに急行「八甲田」があった。
 「津軽」より2時間ほど早く青森に着いた。

 東北本線寝台特急ブルトレは「はくつる」で、急行「八甲田」より2時間半くらい早かった。
 常磐線まわりの「ゆうづる」はさらに1時間ほど早かった。

 いずれにしても一晩がかり、半日乗車の長旅だったわけだが、それだけに座席間隔の狭い車内での、窮屈な思いは短いほどいいのがあたりまえ。
 したがって、ボクら首都圏民が青森(さらには青函連絡船で北海道方面)へ行くときには、特別なことがないかぎり東北・常磐まわりであった。

 ボクらの時代すでに、「表日本」・「裏日本」意識は薄くなっていたけれど、“奥羽本線まわり”の列車には「野武士」のイメージがより強かったのを忘れない。

 ボクは大学の学生時代、岩波映画のアルバイト・スタッフとして「集団就職列車」の記録映画撮影を手伝ったことがある。1960年代末のことだった。
 集団就職の専用列車は、寝台車なしの急行「八甲田」といったところ。

 青森・岩手両県の生徒たちを主要駅でひろってゆく。
 親族や学校関係者たちに見送られての別れには涙あり、しかし列車が走り始めてしまえば若い子たちのこと、修学旅行のようにはしゃいだ歓声に包まれた。

 ところが……。
 夕食の弁当をすませて、ぼちぼち生徒たちがまどろみ始める頃。
 レールの継ぎ目に刻まれる車輪のリズムを追いつつ、ジッと耳を澄ませていると(きたっ)、どこからか「しくっ」と忍びやかに噎び上げる女生徒の声。
 そのときを待っていたボクらスタッフは、静かに、速やかに、カメラをスタートさせ録音機をまわし始める。
 1人の女生徒の忍び泣きが、1両の車内いっぱいに広がり、そうしてやがて列車全体にまで及んでしまうのに、さほどの時はかからなかった。
 いまや集団就職列車は、“号泣ホームシック列車”であった。
 暗くなった車窓の、冷えて曇ったガラスを掻きむしるようにして泣く子。その子の姿をクローズアップの映像にとらえながら、ぼくらも胸をつまらせたものだった…。

◆「国鉄」から「JR]へ、そして……

 次々に姿を消していった東北方面への寝台特急ブルートレイン”、「あけぼの」のラストランでいよいよ、あとは「北斗星」(東北本線まわり上野-札幌)、「日本海」(北陸・羽越本線まわり大阪-札幌)がのこるのみ。
カシオペア」とか「トワイライトエクスプレス」は、“懐かしのブルトレ”とはまた、ちょっとイメージが異なるのであった。

 JR北海道の不祥事つづきが、鉄道への信頼感を薄っぺらく削ぎとってしまったいま。
 国鉄以来の「安全」輸送は、すべてのJR各社に突きつけられている課題なのだが。
 新幹線以外に、これといった将来性も見いだせないままの“いま”である。
 ローカル(線)を軽視&無視した鉄道に、庶民の支持はありつづけるのだろうか。