どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

ソチ・オリンピック-フィギュア・女子シングル-/浅田真央にとっての“真央ちゃんフィーバー”

-No.0154-
★2014年02月22日(土曜日)
★《3.11》フクシマから → 1080日
★オリンピック東京まで → 2344日

◆ソチ冬期オリンピック〈1〉

 フリースタイルスキー・女子ハーフパイプ
 小野塚彩菜(25)、銅メダル。
 「世界を目指す」可能性を追い求めてアルペンからの転向、それもいい。
 都会的でおしゃれなフィギュアスケートとは、また別な世界の、泥くさいガンバリの笑顔もいい。
 ただ、ハーフパイプという競技種目はやっぱり、スノーボードのパフォーマンスだよネ。

◆ソチ冬期オリンピック〈2〉

 フィギュアスケート・女子シングル
 マスメディアこぞっての、ちょいと尋常ではないほどの騒ぎがすんで…。
 浅田真央(23)が、夢に沈み、浮き、涙した。

 前半ショートプログラムでの大失敗には、大会冒頭フィギュア団体での躓きという伏線があった。
 もともと度胸のあるタイプではないし、昨年の全日本選手権あたりからジャンプへのこだわりに不安がつきまとっていた。
 安定感に欠けていたところへ団体という新種目が加わり、(チームプレーヤーとして順位点を稼がなければならない)慣れないプレッシャーにも戸惑ったろう。
 あのロシアはしゃぎの異様なムードにのまれて、不安が的中(やっぱり失敗…でも、どうして…)の思いが尾を引いて、いったんソチを離れての調整も実らなかった。

 ショートプログラムのリンクに姿を見せたときから、真央ちゃんの目はオドオドと落ち着きがなく、気もちの整理がつかずバラバラの状態が見てとれた。結果まさかの16位で茫然自失。
 心理的な動揺はベテランの鈴木にも、若い村上にも見られたが、浅田がいちばん揺れてコチコチに固まってしまっていた。

 アルベールビル・オリンピック銀メダリストの、伊藤みどりさんが指摘するとおり、「オリンピックには魔物がすむというけれど、魔物は自分でつくってしまうもの」だと思う。
 メンタルな弱さで自分に負けたことが、自身いちばん口惜しかったろう。

 スノーボード・女子パラレル銀メダルの竹内智香(30)とは、目力の強さがちがった。
 足を痛めていたという鈴木には「たかが人生のひとつ」と思える開き直りがあったが、正面から受けとめる浅田にはそれもなかった。
 日本人好みの(いくらかヤッカミ含みの)育ちのよさと、思慮深さが彼女の持ち味だったが、反面みずからの負け嫌いにこだわりすぎ、ひきずられてしまったのかも知れない。

 そんな浅田真央には、前から外国人コーチはあわない気がしていた。
 だからお爺ちゃまみたいな佐藤信夫コーチになってヨカッタと思われ、事実ヨカッタわけだが。
 それでも克服できなかったものは、これは、やむをえないな。
 
 結果、1位=金メダルはソトニコワ(ロシア)。躍動。
    2位=銀メダルはキム・ヨナ(韓国)。円熟。
    3位=銅メダルはコストナー(イタリア)。鷹揚。
 浅田真央は、一転フリーでは会心圧巻の演技で挽回したけれども、6位におわった。
 彼女の笑顔もすてきだ、けれど、リンクにはじけるような笑顔が、ついに見られなかったのはザンネン。

 想えばトリノ・オリンピックのとき、15歳の浅田真央は年齢制限のため出場できなかったが。
 あの頃はトリプルアクセルを軽々と飛んでいた。
 運・不運のハナシには、したくない。
 これがオリンピックの絢(あや)というものだろう。
 4年に1度のサイクルと、ピタリ一致できてメダルをとり、さらに連続メダルに輝いていく選手もある。
 いっぽう、うまく歯車があわずにメダルから見放され、去っていく選手も少なくない。
 実力だけがすべてではない、オリンピックという競技のもつ“環境”の絢である。

 浅田真央は、「このオリンピックを集大成に…」と、繰り返し言っていた。
 その胸の裡は、万全を期してキム・ヨナともういちど相見え、メダルの色を競って、選手生活を終えたい気もちだったろうと思う。
 (キム・ヨナもおそらく気もちは同じ。彼女も韓国というとかく大仰なお国柄の騒ぎには、辟易としていたところがあったろう。二人は、このところギクシャクする二つの国の、マスコミや国民感情にも翻弄されてしまった)
 それにしても“真央ちゃん”は、たしたもの。キム・ヨナも、みごとな役者。

 とまれ、念願に齟齬が生じてしまった浅田真央。気もちの切り替えができたら、引退を撤回、さらなる集大成に挑むのもよかろう。
 男子シングルのプルシェンコ(ロシア)も、いったん表明した引退を撤回するらしい。
 どう区切りをつけるかは、あなたたち選手の自由だ。
 ボクらは、愉しませてもらう。